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マリーの果実を我が店に 25 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:22]
マリーの果実を我が店に 終 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:25]



マリーの果実を我が店に 25
サムス・アラン [Mail]
2/3(Sun) 9:22

 ……翌朝九時

 旅船ディートバ操縦席、船はまだ海をさまよっていた。

 「…おはよーですのぉ…もうそろそろマケドニアにつきますの?」

 ティーノの問いにしかし

 「…ふんっ、それは難しい相談だ。」

 カリカは期待にこたえることができない。リクオも

 「あのロストとかゆー女に船長さんもしっかりと殺されているよ。」

 ニ百六十度首が曲がった船長を指す。

 「…そ…そうでしたのね…じゃあ…これから…どうするんで
  すの…?」
 「…だから…よ、」

 おくでミケが舵を握っている。

 「俺様がこうして操縦してんじゃねえか…よ。」
 「…ミケさん…船の操縦なんかできますの…?」
 「帝国船なんか…よ、自分で操縦しなきゃならなかったから…な。」
 「…帝国の兵士さん…でしたのね…」

 ミケの肩にそっと手を乗せ

 「元気だといいですね…シャーロットさん…」
 「……け、覚えてやがったか…やめてくれよ、又逢いたくなる
  じゃねえか…」
 「…ふんっ、それは良いがな、ミケ公。」

 カリカは前の景色を見

 「マケドニアがどの方角にあるのか…知っているんだろうな…?」

 …それから一時船を停止させ船獣を周り地図とコンパスを見つけ
 マケドニアまでの距離と方角を割り出しマケドニアにつくまで約
 九時間かかった。…日が暮れるまでかかった。
 
 ……マケドニアの港 

 船内の事情を説明し納得がいくまで一刻分はかかったが無事に到
 着である。

 「ふんっ、短かったがそれなりに楽しめたぞ。」

 リクオははカリカに向かい合い

 「ああ、じゃあな、敵として出会わないことを祈るよ。」
 「ああ、…良い旅を。」

 カリカと別れるリクオ達、そしてティーノ自慢のレストラン、
 ディストラクティヴ・ノクターンにつく。

 「……でけえレストランだな…」
 「…ああ。」

 リクオとミケはレストランをぼーぜんと眺める。その大きさは
 城とまではいかないまでも帝国図書館ぐらいはある。

 「ちょっと待っててほしいの。」

 ティーノはごろごろとレストランの中に荷車を運んでいき…そ
 して少ししてレストランから出てくる。

 「これ…報酬の四十五万綺羅ですの。」

 リクオとミケにそれぞれ四十五万綺羅ずつ手渡す。

 「…ん?…三十万綺羅じゃあなかったの…か?」

 不思議そうに首をかしげるリクオにティーノは下を向き

 「…私の依頼でお仲間さんを死なせてしまいましたの…
  残りはその慰謝料とおもっていただきたいですの…」

 そしてさらに懐から七・八枚の髪を取り出しリクオに押
 し付ける。

 「…これは…?」
 「…ディストラクティヴ・ノクターンのお食事券ですの、
  …たまには…その…二人で顔を見せに来るですのっ。」

 そしてきびすをかえしレストランへと去っていく。

 「…ただのわがままなお嬢と思っていたが、礼儀ってもんは
  知ってるようだな。」
 「…育ちがいいお嬢様特有の教わっただけの礼儀とはまた違うな。」

 リクオは金を懐にしまう。

 「…ま、仕事は終わったし、メシでも食いに行くか。」
 「ああ、この道で生きていくためのアドバイスってもんをゆっくり
  と聞かせてもらおうじゃねえか。」

 そして二人は入って行く…レストラン、ディストラクティヴ・ノク
 ターンへと… 
 
  
 



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