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マリーの果実を我が店に 16
サムス・アラン [Mail]
11/5(Mon) 2:25

・・・食事中

「そーいやさあ、何で店長であるティーノが荷車運びなんてやって
 んだ?」

リクオの素朴な疑問に

「こだわりですのっ。」
「・・・こだわりぃ?」

ティーノの言葉に聞いているかいないのかよくわからない顔で、オ
ウム返しに聞き返すミント。

「一つ最低でも一万キラするマリーの実ですの、私はより良いマリ
 ーの実をよりよい価格で仕入れる為に、毎回マリーノの町までこ
 の足で来ますの。そして、この目で一つ一つ確かめますの。こだ
 わりのせいかもしれませんが、マリーの実の品定めから荷車に積
 むまで・・・やく4時間かかりますの。」
「うへえ・・・」

ミントは聞くだけでうんざりだった。多分ミントなら、適当に実を
ぽんぽん荷車に入れていき、ほんと10分もあれば終わるだろう。

「・・・だけどよぉ、」

ミケはふと何かに気づいたように

「おめえはマリーノの街に行くたびにこうやって、俺達みたいな冒
 険者を雇ってるのか?」

しかしティーノは首を横にふり

「今回は例外ですの。」

食事を終え、先にコーヒーをゆっくり飲む。

「私には専属のボディーガードがいましたの、でもマリーノに行く
 途中、山賊に殺されたの・・。」
「・・・お気の毒。」

次にコーヒーに口をつけるミント。

「よく無事だったなあんた。

リクオも食事を終える。

「私はドサクサにまぎれて逃げてきましたの。」
「実は鬼だろお前・・・」

最後に食事を終え、ミルクをのみはじめるミケ

「・・・でも、最低でも一万キラかー・・。」

あたしが投げた実はいくらくらいだろうかと考えてしまうミント。

「その最低でも一万キラはする実を、いろんな商品にかえて売るだけ
 で、元の8倍くらいはとれますの。」
「は・・8倍!?」

ティーノの言葉を聞き、ちょっとイイかもと、思ってしまうミント。
リクオも頭をかき

「なるほど・・一人30万キラだしても痛くないわけだ。」

あの山積みのマリーの実を思い出す。
そうこう言っているうちに、気が付けば他の客はすでに引き上げ、
残るはこの一画だけであった。



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