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マリーの果実を我が店に 18
サムス・アラン [Mail]
1/2(Wed) 15:51

23時

リクオが風呂に入りに行く途中。

「ふざけんじゃないですのーーーーっ!!」

ティーノが一人、無造作にがんがんと壁を蹴っていた。

「・・・・どうした?」

何か尋常ではないティーノの様子に近寄りがたいリクオ。

「なーんでこの私が十六の小娘に「おい、ゴールドバーグ」
 なんて呼ばれなくちゃいけないんですのーーっ、それに、
 なんでこの私がそんな小娘に頭さげなきゃならないんです
 のーーーーっ!!」
「なんか荒れてるな・・・。」

リクオはそういうことは本人にいってくれと心に思いながら

「俺、風呂入りたいから・・。」

さわらぬ死神にたたりなしである。

・・・・同時刻

「う〜〜ん、・・良くねた・・・さて・・そろそろ楽しもう
 かしら・・・・ね。」

寝室、一人の女が目覚めてしまった。

「かーーーっ、いい湯だなあ、もう三日ぶりかあ。」

リクオはぼけーーっと風呂につかっていた。

「今日は満月が綺麗だな・・・。」

ぼーーっと、窓を眺めているが

「・・・・・ん?」

ぼーっと泳がせていた目が一瞬とまる。

「・・・・今、悲鳴が聞こえたような・・。」

少し考え、

「・・まあいいか。」

気のせいかと、ふたたびぼーっとする。

「よおリクオ」

そんな中、もう一人風呂に入ってくる。・・・ミケだ。

「おーミケ公か、こっちこいよ、いー湯だぜ」

リクオが言うまでもなく、ズカズカとはいってくるミケ。

「風呂に入るなんて何日ぶりだろうな。」

自慢の毛並みを揃えはじめる。リクオはぼーっとしながら、
唐突に

「そういやミケって、今まで何人くらい人殺してきた・・?」
「・・・ああん?何わけのわかんねえ事聞いてくれんだお前ぇ」

と、言ってみるが、ふと考えてみて

「・・う〜む、言われてみりゃあ、何人殺してきたかな・・」

考えるのも面倒という顔だが、それでも考えるあたり、律儀だろう。

「でもよ、なんでそんな事聞くんだ?」

聞き返すミケに、リクオは自分の頭を指して

「俺も聞かれたからだ、昼間に煮たような事をサ・・・。」
「ふーん。」

ミケは毛を繕いながら

「中にはいるな、殺した人間の数をいちいち覚えてる奴が。」
「悪いが俺の趣味じゃない。」
「ああ、そんな奴を相棒にもつと、疲れそうだな・・。」
「今まで殺してきた人間一人一人の話をゆっくり語って
 くれそうだ。」

二人は意味もなく声を出して笑う。そんな意味の無い笑いが
好きな二人であった。

23時30分

「ワインがもう少し上質だったらなー。」
「ここのドライチーズはなかなかのもんだったがなあ。」

ぶつくさ言いながら廊下に出る二人。・・・しかし

「なあミケ。」
「あん?」

リクオは床を見て

「この床についてるもん・・・何だと思う?」

その言葉にミケも床を見おろす。

「誰かがワインでもこぼしたんじゃあねえのか?」

しかしリクオは軽く手を広げ

「こんな生臭いワイン、俺の故郷でも見た事ねえぜ。」
「同感だ。」

ミケは床にしゃがみこんで、真紅にそまったそれを見、しばし

「・・・俺にゃあ血にしか見えねえなあ。他に思いつく物が
 あったら聞かせてくれ、リクオ。」

しかしリクオは首をふり

「すまねえ、それ以外に該当する物は俺にも思いつかねえ。」
「残念だ。」

ミケはふーっとため息をつき

「楽しい船旅が、ここで終わらねえ事を願おうぜ。」

二人は武器を手に、廊下を歩きはじめる。



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