Turks Novels BBS
〜小説投稿掲示板〜


[新規投稿] [ツリー表示] [親記事一覧] [最新の記事を表示] [ログ検索] [ヘルプ] [ホームページへ戻る]


- 今を生き抜く獣達 〜麗しき闇の真紅の玉〜 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:32]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 2 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:36]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 3 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:45]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 4 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:49]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 5 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:52]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 6 - サムス・アラン [2/3(Sun) 10:00]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 7 - サムス・アラン [2/3(Sun) 21:25]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 8 - サムス・アラン [2/3(Sun) 21:29]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 9 - サムス・アラン [2/3(Sun) 21:37]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 10 - サムス・アラン [2/3(Sun) 21:46]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 11 - サムス・アラン [2/3(Sun) 21:52]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 12 - サムス・アラン [2/3(Sun) 22:00]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 13 - サムス・アラン [2/3(Sun) 22:07]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 14 - サムス・アラン [2/3(Sun) 22:13]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 15 - サムス・アラン [2/3(Sun) 22:19]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 16 - サムス・アラン [2/3(Sun) 22:24]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 17 - サムス・アラン [2/3(Sun) 22:29]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 18 - サムス・アラン [2/3(Sun) 22:33]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 19 - サムス・アラン [2/3(Sun) 22:37]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 20 - サムス・アラン [2/3(Sun) 22:47]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 21 - サムス・アラン [2/3(Sun) 22:52]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 22 - サムス・アラン [2/3(Sun) 22:56]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 23 - サムス・アラン [2/3(Sun) 23:01]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 24 - サムス・アラン [2/3(Sun) 23:10]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 25 - サムス・アラン [2/3(Sun) 23:17]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 26 - サムス・アラン [2/3(Sun) 23:20]
〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - サムス・アラン [2/3(Sun) 23:25]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - puni [11/25(Mon) 23:10]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - GUM [11/30(Sat) 7:17]



〜麗しき闇の真紅の玉〜 25
サムス・アラン [Mail]
2/3(Sun) 23:17

 「……ぐあっ!?」

 後ろからサガが三メートルほど吹っ飛ばされる。

 「…何!?」

 カリカが振り向いた時、ジンは額から血を流してうめき、
 リザルーリャは口から血を吐き、腹をかかえている。

 ……そして、漆黒がカリカを襲う。

 「……ぐうっ!?」

 カリカはとっさに斜め後ろへ跳び、何とか闇をかわす。

 「……貴様…!?」

 そこにはデュオールが立っていた、……手に真紅の玉を握り
 締め…。
 その足元にはリクオが横たわっている。

 「すみませんがこのオーブは私がいただきます。」

 デュオールは今までの行動全てがウソだったように、リクオを
 軽く片手で抱えあげる。

 「……貴様…何者だ…!?」

 カリカの言葉にデュオールは人差し指を立て

 「とある魔導士です。」

 その言葉と共に、デュオールとリクオの姿がかき消える。

 「ま……まてっ!!!」

 しかしその時すでに遅く、カリカの叫びは虚空の闇に木霊する。

 「……私とした事が……不覚であった……」


 あれから30分、皆がそれぞれ目覚めたころ。

 「……まさかあの女も魔族ったとは…」

 サガは口惜しそうにうめく。そう、初めに気付くべきであった。
 デュオールはこの旅の中、ずっとあのオーブを手にしていた。
 …普通の人間には持つ事さえ許されないあのオーブを…。

 「サガ様のせいじゃねーわよう、まさかあんなインチキくさくて
  チャランポランな女が魔族だったなんて、魔道学院祭のラスト
  ビッグ・サプライズなんか目じゃねーくらいのいひょうをつか
  れたわッ!!」

 関係無いが、彼女の通っていたフェリス魔道学院の学院祭は、
 けっこう有名である。

 「うう〜〜〜っ、あの女…絶対潰すッ!!」

 相当潰す事が好きらしい。そんな中、カリカは先ほど受け取った
 布袋をサガに差し出す。

 「金は返す、仕事が果たせなかったからな。」
 「……いや、その金は受け取ってくれ、一度はあのオーブは約束
  どうり私の手元に来た。そのオーブを再び取られたのは私の不
  覚だ。あなたは立派に仕事を果たしたのだ。」

 カリカは一瞬考えるが

 「ふんっ、それもそうか。」

 カリカは布袋を再び腰に下げ

 「……もし、また奴の事で仕事があったら私に言ってくれ。
  ……このままでは私のプライドが許さない。」

 そしてカリカはきびすを返し立ち去ろうとするが、ふと思い
 立ち止まる。

 「一つ聞きたい。……竜の刻印は魔族にしか使えない。……
  しかし貴様の使った聖王の法は人間にでも使える物なのか?」

 その問いにサガはすこし間を置くが

 「……いや、聖王の法は神族の切り札だ。」
 「そうか。」

 カリカはサガを背中越しに一瞥し、

 「貴様ほど、気持ち悪いぐらいに美しい男は人間の中では見た
  ことが無い。まさに貴様は白馬の似合う男だな。」
 「喜んでいいのだろうか…。」

 サガは苦笑し

 「私も、貴方ほど孤独な獣の瞳を持った女性を見たのは初め
  てだ。」
 「そうか。」

 カリカは再び背中を向ける。

 「生きていたらまた会おう、良い旅を。」

 そしてサガの見守る中、カリカは闇の中へと消えて行く。


 黒い階段を降りて行く。きしむ音を耳にしながら…。

 「……デュオール…あいつは結局リクオを連れてどこへ
  消えたのだ…」

 カリカは誰にも聞こえないくらいに小さく呟くが…

 「……ふんっ、あいつがどうなろうと私には関係無い事だ…。」

 カリカの差す『あいつ』とは、誰の事を指しているのだろうか…。
 外はもうすでに日が暮れ、月が窓越しに姿を表していた。



この記事にレスをつける時は、下のフォームに書きこんでください。
お名前
URL
メール
※SPAM対策のため、メールアドレスは入力しないようお願いします。
題名
メッセージ
パスワード
このツリーを一番上に持っていく

下のボックスにパスワードを入力すると、記事の修正及び削除が出来ます。
パスワード

Tree BBS by The Room