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- 今を生き抜く獣達 〜麗しき闇の真紅の玉〜 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:32]
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Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - puni [11/25(Mon) 23:10]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - GUM [11/30(Sat) 7:17]



〜麗しき闇の真紅の玉〜 13
サムス・アラン [Mail]
2/3(Sun) 22:07
 
 そのころ宿屋〜シェイクスピア〜 入り口

 「あの女、たしかここに入っていったわね。」

 先ほどの山賊ソニーだ。手には小型ナイフを何本か携帯し
 ている。

 「あの女が生きていると言う事は…、…やっぱり皆……」

 ソニーの瞳から幾粒かの雫が流れ落ちる。

 「シャープ……必ずかたきをとってやるから…」
 
  一階 店員専用の寝室
 
 シャンが気持ちよさそうにいびきをかいて眠っている。

 ガシャアアァン

 「……ぐがっ!?」

 ガラスの割れる音と共に一気に目を覚ますシャン。

 「…な……なにっ!?」
 「動かないで!!」

 シャンの喉もとにナイフをつきつけたのはソニー。

 「な…何よ!? 金ならないわよ!?」
 「そんな事はどうでもいい!! さっき槍を背負った女がきた
  でしょ、その女の寝室に案内なさい!!」
 「槍を持った女? ……そんなのいたっけ?」

 頭をかきながらうざったそうに起き上がるシャン。

 「クマの着ぐるみ着た変なのなら来たけどね。」

 しかしソニーはさらにシャンに鋭くナイフをつきつけ

 「今はくだらないジョークを楽しみたい気分じゃないのよ。」
 「……はは、私もジョークだと思いたかったわ。」

 しぶしぶ下着姿のまま部屋を出るシャンとその後ろにぴったり
 とくっついているソニー。
 
 「メルぅ。」
 「あ、シャン……と、誰?」

 鉄の鍋をまぶかにかぶり、鍋のふたと包丁を装備しているメル。

 「いやね、この人がここに槍もった女が泊まりに来てるんじゃ
  ないかって言ってんだけど…で、あんた何よそのカッコ…」

 メルはがくがく震えながら

 「…その槍を持った女が今お客さんを襲撃してるの…」
 「……最っ高……。」

 めまいを感じたのかふらつくシャン。

 「……神様に嫌われてるのかしら…」
 「やっぱり教会の寄付金盗んだのがまずかったんじゃないの?」
 「かもね〜。…でもそれってまだ私達が盗賊やってた頃の話で
  しょ? 何年前の話よ。」
 「女神レザヌーラ様の教えでは罪は償わない限り一生消える事
  はないんだって。」
 「やかまし。」
 
 余談だが、この二人その昔二人組みの盗賊『キタキツネのメル
 シャン』で世間を騒がせたらしい。
 …なぜキタキツネなのかは今だ不明だが。
 ……ちなみに、この宿屋は二人が教会から盗んだ寄付金をもと
 に建てられた物で二人が足をあらうきっかけともなった。
 普通の教会の寄付金袋と言えばニ・三回徹夜で飲み明かせばそ
 れで終わるだろうが、世界有数の帝国立フェリス大聖堂ともな
 れば話が違ってくる。
 そこはグロリアス帝国の国王ルドルフ自らが出向くほどの、
 城にも負けず劣らずの巨大な聖堂である。寄付金のなかには金
 塊やら宝石やらが金のかわりに詰め込まれている。
 荷車と汽車の巧みな組み合わせでそれを盗み出す事に成功した
 メルシャン。今はこうしてまっとうな道を歩んでいる。

 「今聞いた通り、上でお客さん襲撃してんだってさ。」

 それを聞いたソニーはしばし考え、……そしてナイフを引き
 シャンを開放する。

 「それならあなた達を脅しても何の意味もないわね。」

 ふーっとため息をつく。

 「迷惑かけたわね、割ったガラスは弁償するわ。」

 と、メルに数枚の銀貨を手渡す。

 「へ〜。」

 メルは口笛をふき

 「律儀な人ねー、そんなかっこうしてて実は普通のいい人とか?」
 「山賊よ。」
 「……失礼しました。」

 ソニーはナイフをチャキッとかまえなおし

 「……あいつは絶対殺す。」

 そして階段を駆け上がって行く。

 「……どうするシャン?」
 「いーんじゃないの? なるようになるわよ。」
 「だめよ、お店の信用が……」
 「じゃあお店の信用の為に死んできて、このお店私つぐし。」
 「…………」

 ………沈黙の中、ただただ階段を見つめている二人。

 



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