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- 今を生き抜く獣達 〜麗しき闇の真紅の玉〜 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:32]
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Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - puni [11/25(Mon) 23:10]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - GUM [11/30(Sat) 7:17]



〜麗しき闇の真紅の玉〜 6
サムス・アラン [Mail]
2/3(Sun) 10:00

 「……着てきたぞ…」
 「あ、リクオさん、とてもよくお似合いですよ。」

 キャットボーイスーツを着こんだリクオにデュオールはてててと
 よってきて

 「じゃあこれを。」

 リクオにどさっと紙の束を渡す。

 「……なんだよこれ……」
 「マリーの魔道学院のチラシです。」
 「…………は?」

 唖然とするリクオにデュオールはマリーの魔道学院を指差し

 「あの100年の伝統をほこる魔道のすばらしさを世界に広め
  るべく創立されたマリーの魔道学院、その名をよりいっそう
  広めそして私達のもとへほんのおこころざしが入ってくる。
  ……一石二鳥ではありませんかっ!」
 「……もののつまりアルバイトなわけね……」
 「ふっ、分かったのならさっそくその名を広めて行きましょ
  うっ!!!」
 「…はー……何で俺はこいつの仕事引き受けちまったんだろ……」

 デュオールに続きチラシをばら撒き始めるリクオ。


 「う〜〜っ、この似顔絵だけじゃわからんぞリザっ!」
 「あたしに言われたってえどーしよーもねーわようっ!!」

 マリーノの一画、二人組みの女達がなにやら言い争いながら歩い
 ている。

 「あう〜〜、みつからないっ、うざったいっ、むかつくーっ!」
 「あだだだ、いてえ、いてえわっ!?ちょっとジン、髪の毛ひっ
  ぱんないでよーうっ!!」
 「うがーっ、誰でもいいっ、つぶーす!!」
 「ひいいいいいぃぃぃぃっっっ、ひてえわっ、やめてええ
  えっっ!!」

 リザの髪を掴みながらぶんぶか振りまわしていたジンだが、
 その手が急にぴたっと止まる。

 「……ん……どうしたのよぅ……」

 ジンはある一点をみつめ

 「……リザ……あれ何?」
 「…え?」

 リザも同じ方を見る。

 「…なんかのイベントかしら……」

 遠くのほうからネコとクマがチラシをばら撒きながら歩いてくる。


 「ふっ、これなら誰も魔導士とは気付かないでしょう、このまま
  この町を出ますよ。」
 「…この黒猫の盗賊をここまでさらしもんにしてくれたのはあん
  たが初めてだよ…」

 リクオがしみじみと周りの人にチラシを配っていると

 「おいそこのネコっ。」

 と声がする。

 「チラシよこせっ。」

 俺のことだろうなと悔しさをこらえて振り向くが…

 「へいへい、ありがとうござ……いぃっ!?」

 リクオに声をかけてきた人間をみてどぎもを抜く。
 …でかいのだ…。尋常ではないくらいでかい女…リクオが上に
 手を一杯に伸ばしてもとどくかどうか…体型はけっこう整って
 いるのだが……

 「……ど……どーぞ。」

 リクオは腰を抜かしかけながらもチラシを手渡す。

 「おいネコっ。」
 「……はい?」

 まだなんか用かと振り向くリクオに女は手を差し出し

 「お手。」
 「にゃん。」

 リクオは反射的に手を乗せていた。

 「うーっ、いい子いい子。」

 なでなで。

 ……………

 うおーーーーっっっ!!!

 リクオ・ディヅァー十七歳、ここまで屈辱を受けたのは初めてだと
 思った。
 大女、ことジンはリザのもとへ行き

 「チラシもらってきた、あのネコかわいーぞ。」
 「……てお馬鹿っ!何がネコようっ、あっちのクマのほうよクマ
  の方っ!!」
 「誰がバカかっ!!クマ無愛想でかわいくないっ!!」
 「そーじゃねぇでしょっっ!!あんたどこまで筋肉馬鹿なのよ
  うっ!!あの女なのよデュオールって女!!」
 「良く知ってるな、知り合いか?」
 「こんのアルティメットバカっ!!!あたしたちその女を捜せ
  ってサガ様にいわれてたじゃないのようっ!!!」
 「…………はっ。」

 ジンはポンと手をうち

 「そこのクマああぁぁっっ!! 待てええぇぇっ!!」

 ドドドドっとすごい音をたてて走るジン。リザははーっとため
 息をつき

 「…どっちがクマなのよう。 …よいしょっと。」

 リザは手に持っていたほうきにまたぐ。

 



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