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- 時を越えた宿命〜第5話〜その01〜 - Gum [1/4(Sat) 12:36]
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時を越えた宿命〜第5話〜後書き〜 - Gum [1/4(Sat) 13:06]



時を越えた宿命〜第5話〜その08〜
Gum [Mail]
1/4(Sat) 12:45

 レオンとシンシア、シヴァンは特別に普通のハンターズ用の部屋を2つ繋げた感じの大きな部屋を使っていた。
各々一人用の部屋が3つと共有スペースがある、特別な作りをしていた。

 「お兄ちゃん、あのドラゴンさん・・・可哀想だったね・・・。」

 シヴァンは、全ての会話の記録(フィオナの携帯型の翻訳機に記録が残っていた)を知った後、ずっと黙ったままだった。
今はじめて口を開いたのだ。

 「ああ。しかし、あの火竜が飛竜であったクラウス・・・わたしの乗ってたドラゴンの名前だが・・・・・の孫だったとはな。
 クラウス・・・わたしがいきなり居なくなって、悲しんだろうな・・・・。」

 レオンの思いは昔に戻る・・・・・・。  


 

 レオンが8歳になる頃、父のシュタインバッハはレオンをある草原に連れ出した。

 そこは王都の北西に位置する広い広い草原地帯で、更に北西の方に高い山々がそびえている場所であった。
ところどころに、森と呼べる規模の木々の密集する場所もある。

 「父上〜〜。何処まで行くのですか〜〜?」

 自分より遥かに先にどんどん行ってしまっている父の背中に向け、レオンは思いっきり大声を張り上げていった。
しかし、シュタインバッハはレオンの声が聞こえているのかいないのか、更に先に行ってしまった。

 そのうち、レオンは父の姿を見失っていた。

 レオンは父の行ったであろう方向に向かいしばらく歩いていた。
そうするうちに、辺りの景色は、うっそうとする森に変わってきた。 

 ギャ・・・ギャ・・・・・

 何の鳥の鳴き声だろうか。森の上のほうに聞こえている。レオンは不安になってきた。

 朝にここの草原地帯に来たはずなのに、まるで夜になってしまったかのように辺りは暗かった。
ここら辺の木々は背が物凄く高く葉の茂りも良いので、昼であっても地面の辺りは真っ暗なのだ。
その為、夜行性の獣が徘徊する危険な森なのだが、そこまでレオンは知らなかった。

 レオンはそのまま、森の中を道のようなものを辿っていった。 
辺りには危険な獣の気配するものの、それらが襲ってくることはなかった。
 

 1,2時間ほど歩いただろうか。突如、森が途切れ岩がごろごろと転がる山際に来ていた。
 
 崖のようになっている所から下を見ると、4,5ミード(1ミードはおよそ1メートル)ほど下に窪地が見えた。

 窪地の真ん中は何かの巣になっているようだった。

 レオンは動物が大好きだった。そのせいか、思わず巣の方に歩き出していた。
しかし、その途中でその歩みが止まる。

 ある獣の気配がする。それも1,2匹と言う数ではなかった。

 そのとたん、巣のほうに向け、何頭もの獣の姿が飛び出してきた。

 その獣は、森の中を素早く駆けぬけ獲物をしとめる
『森のハンター』の異名を持つ『ジャングルタイガー』であった。
『ジャングルタイガー』は『セイバートゥースタイガー』の一種で、鋭く長い牙を持つのが特徴である。

 その獣が7,8匹で何物かの巣を襲っているのだ。

 レオンはどうしようか迷った。

 まだ魔法の力も発現していない。剣の腕が立つとはいえ、子供の自分一人である。

 そうするうちに、巣の方から何かの鳴き声が聞こえてきた。
それは、レオンが今までに勉強した言語の中の一つの言葉の響きがあった。

 《お前等、来るな〜。俺を襲うと、とうちゃんとかあちゃんが帰ってきて、お前等を襲って食っちゃうぞ!》 

 それは、今までに習った言語の一つ『ドラゴンロアー』というものであった。

 『と言うことは、襲われてるのはドラゴン?まさか・・・・。ドラゴンはあらゆる動物・生き物のうちの王様じゃないのか?』

 《ぎゃあ・・・・!!》

 ドラゴンの悲痛な叫びを聞いたレオンはもう迷っていなかった。  
崖の上からジャンプすると、巣の傍でのた打ち回ってるドラゴンに向けて駆けて行く。

 そこにいたドラゴンは、まだ小さな子供であった。人間に直すと丁度レオンと同じ位の歳だろうか。
そのドラゴンの子供は2匹のジャングルタイガーに牙を立てられていた。

 そのドラゴンの奥の巣の中側には、うずくまっている別の小さなドラゴンがいた。

 レオンはドラゴンに牙をたてているジャングルタイガー2頭を手に持つ大剣で薙ぎ払い
更に襲おうとしている別の4,5頭に剣を向け威嚇する。

 《お、お前・・・・・・誰?俺達を助けてくれるの?》

 ドラゴンの子供は声をかけてくるが、レオンは答えている暇がなかった。

 1対8の闘いである。

 最初に襲ってきたジャングルタイガーはレオンの大剣の一振りで軽く真っ二つになった。

 次に襲って来たのは2匹であった。レオンは落ち着いて片方を倒したが、もう片方の牙が肩をかする。

 「ぐ・・・!。」

 肩の痛みに耐えながら、大剣を構えなおす。

 残りの5匹は、一斉にレオンに向け襲ってきた。
剣で2匹は追い払ったが、残りの3匹にやられてしまった。

 レオンは3匹の内1匹に倒され、残りの2匹に右肩と左腕に牙を立てられてしまったのだ。 

 「ぐぅあ・・・・!!!」

 残りの4匹も、にじり寄ってくる。

 レオンは両半身に走る激痛の為に次第に意思が遠くなっていった。

 意識がなくなる間際、レオンは巨大ななにかが飛んでくる羽音を聞いた。



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