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管理人削除 - ---- [12/14(Sat) 15:53]
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TURKS!!-No.14 獄中でのアルフリートの手記 - アルフリート [12/14(Sat) 15:46]
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TURKS!!-No.14 獄中でのアルフリートの手記
アルフリート [Mail]
12/14(Sat) 15:46
 そいつが来たのは三日目の工場ブロックでのことだった。
 
 私が工場ブロックのゴミ捨て場、そこにラジオ用のプラスチックのくずをまとめて捨てに行く時だった。
 ワイヤー格子のバリゲードが高い塀となっている、狭く息苦しいその10m四方の空間には、うずたかくゴミが積み上げられたゴミ用コンテナが四台、閉鎖された空間、コンテナ四台のちょうど中間点の十字路が看守に見つからぬ死角となり、絶妙の喧嘩スポットを作り上げていた。
 その場所は昔から「憂さのゴミ捨て場」と呼ばれている。
 もちろん、私はそんなことを知らなかった。

 だが、そいつは来たのだ、看守側でもタークスでもない「第三勢力」というべき奴らが。

 私はプラスチック込みの入ったゴミ三袋分を乱暴にコンテナにおいた。下手に時間をかけても得することは無いに等しい、せいぜい幾ばくかの休みが手にはいるだけだ。
 全く持って無意味に等しい、サムス救出の計画の目処は一様立ったが細かい計画が必要になる。それの計画をまとめるのは別に作業中でも可能だ、すぐさま戻ろう。
「精が出るねえ、アルフリートさんよ」
 やせぎすの茶髪の男がそこにいた、背は中肉中背、糸のように細い腕と足、少しはだけた囚人服からは鎖骨が浮き出しになった体躯が見える。そして、ガムを音を立てて噛む。
 全く持って気にするのは無意味、無視する。
「オイオイ、無視かよ!つれねえな」
 本当に無意味だと判断。ガムを噛む音が耳障りなので無視は決定事項だ。
「これを見てもクールなままでいられるかどうか知りたいなあ」
 男の言葉に気になる言動を発見。
 振り返る。

 男のやせぎすな手には一本の「人差し指」があった。

 常人なら驚くが自分は驚かない。戦場では嫌と言う程見る物だ。感情を高ぶらせるモノではない。
 だが、感情を高ぶらせるのは、その「人差し指」が動いたと言うことだ。尺取り虫のような動きで男の手から動こうとした。
 サイズも小さい、メイアの「不死人」の能力で離れた人差し指と判断。
 男は手から放れようとするメイアの人差し指を慌てて押さえた。
 事実は事実、動揺はしょうがない、高ぶる感情を抑えて私は言った。
「用件を聞こうか?」
 男は卑猥に見える笑みを顔面に貼り付けた。あの耳障りなガムの咀嚼音と共に。
「じゃあ、アンタをばらせ、そういう用件でも聞いてくれるのかい?」

 お互いが同時に歩き始める、私は男に殺意を覚え、男は私の殺意を敏感に感じ取ったのだ。
「俺の名は、シリアル・『ファーストキス』・キラー、能力名は『ファーストキス』だ」
 この空気でも男、シリアルはガムを吐き捨てようとはしない。その不合理な行動はシリアルのふざけた態度で十分理由が付くと判断。
「顔に似合わず少女な趣味だな?じゃあ、その唇に拳でもくれてやろう」
 私は両拳を上げる、右は顎を隠せる位置。左は胸の中心。右足を少し前に出す。
 距離5m、一足飛びで詰め寄れる距離だ。
 だから、私は右足に力を込めて前進、5mの距離を空気を切って進み、左のジャブを放つ。空気に肌を打つ軽い音が流れた後、右腕の筋肉が拳をシリアルの顎の座標へと連れて行くべく、唸りを上げて収縮する。そして、全力の右ストレートが打ち出される。
「バーカ、俺がキスするのはハタチ以下の女の唇だけだよ!」
 シリアルの口が動く、その口から飛び出たのは音速を超過し、弾丸となった物。
 高圧で加速された唾液。
 ガムは唾液を溜めるために噛んでいたのか!
 私は目的を変更する、シリアルの顎ではなく私からみて左側の敵のいない空間。そこに向けて放った右拳の勢いで身体を横に振る。
 唾液が私の左頬を浅く切っていった。
 勢いで私の身体が横に向けて倒れていく。それをわざと前転で転がることで上手く受け身をとる。
 今度はシリアルの攻撃が来た。まだ、完全には起きあがれぬ私の頭に右前蹴りが飛ぶ。
 両手で顔面をガードして、それを防ぐ。なかなかの威力に身体が浮くが、予想範囲内だ。浮いた体のバランスを上手くとり、逆にこっちが立たせて貰う。
 戦闘はまだ続行、しかし、横槍が入る。
「何をしている!」
 落ち着いた感のある大声。
 このワイヤー格子のバリケードの入り口に立っていたのはマルダイト刑務所所長のガルツだった。
「どこの刑務所でも喧嘩は御法度だ、もちろんこのマルダイトでもな」
 低い声が恐ろしく威圧的に響く。戦場を渡り歩くうちに最適化した「敵を脅す声」。それを聞くだけで私にはこのガルツの身体が通常の何倍にも大きく見えてくる。
 ガルツの身体が唸りを上げる、体内の人工筋肉を起動させた音だ。
 戦闘の再開は突然だ。
 ガルツの身体が目の前から消え失せた。人工筋肉を発動させることで可能となる高速機動。サイボーグを眠らされているアルフリートの視覚には捕らえることが出来ない。
 まず、ガルツはシリアルの目の前に現れた。
「うお!?」
 驚いて反射的に右手で殴るシリアル、これもシリアルがそれなりの訓練を受けている証拠だ。常人は防御反射をとって身体が強張るのに、彼は「反射的に殴った」のだ。
 だが、ガルツの人工筋肉のパンチスピードはシリアルを上回る。強引なまでの筋力でシリアルのパンチを真っ向から右で殴ったのだ。
 しかし、そのことすらあまりの速さに私が勘違いしたことだと言わなければならない、ガルツが殴ったのは「シリアルの囚人服の裾」だった。
 「魔力能力保持者」の魔力が発動する。
 シリアルの服が主人に反抗するかのように変形し、シリアルの右手を拘束した。
 さらに、ガルツはシリアルがその事実に驚く暇さえ与えない、右足がローキックを放ち、シリアルのズボンを叩く。その威力は大したことがないが、その一撃に付加された魔力が問題だ。
 両足のズボンが変形し、お互いを拘束する。
 あっという間にシリアルは拘束されてしまった。
 何という強さだ、まともに闘ってはタークスの精鋭でも勝つのは難しいだろう。無論サイボーグを眠らされている私なら言わずもがなだ。
「ああああああああああああああ!」
 私はガルツに襲いかかる、距離を詰めて跳躍、避けにくい上方向からの右の飛び蹴りを放つ。
 だが、ガルツは飛び蹴りに付き合わない。あっさりと右に身を開いて飛び蹴りをかわすと私の右腕を強烈な右アッパ−で打った。
 その威力がすさまじい、私の身体は宙を舞い、コンテナにその身体を強くぶつけた、コンテナがその威力を自分の身体に刻むように歪む。
 私を戦闘サイボーグと知っているから手加減を消しているのだろう。 ふざけた気配りと判断。
 右の前腕はしっかりと折れている、強化チタンをここまで破壊するとはなかなかの威力と判断。しかも変形により、もはや右腕は拘束されていて使い物にならない。
 私は前のめりに倒れた後、ガルツから離れるように床を這って動き始めた。
「どこに行くつもりだ?」
 ガルツの声が足音共に聞こえる、余裕を感じているのか、音と音の間は遅い。
 時間を稼がねば。
 間に合うか?
「敵前逃亡とはな、貴様、それでも軍人か?」
 しめた。
「こんなところで刑務所の所長をやるのが軍人とはな、情けないのは貴様だな、ガルツ」
「いくらでも言うが良い、これも重大な国家の安全を守る仕事だ。軍人とは国益のために働くのが仕事だ」
「ずいぶんと立派なお題目だな」
「何が言いたい?」
「貴様は戦闘サイボーグだ、そういうことさ」
 ガルツはさらに私を蹴り飛ばした。今度はワイヤー格子の高さ4mの辺りまで私の身体が飛ばされ、私は無様に地面に落ち、倒れた。
「神経強化の時に脳をいじられたとでも言いたいのか?それでも今無様な貴様よりマシという物だ」

「何があった?」「分からない、だが、所長が中に」「火器を持ってこい、もしかしたら何かあったかもしれん!」
 看守達の慌てた声が聞こえた後、即座に警報が鳴らされた。

「フン・・・・・・」
 ガルツが詰まらないように鼻を鳴らした。
 すぐに看守が10人以上やってきた。
「反省房に連れて行け」
 ガルツが冷徹な声で看守に言った。

 私はぶっきらぼうで愛想という物を知らぬ看守に乱暴に反省房に叩き込まれた、多分シリアルもこの反省房のどこかにいることだろう。
 ここは暗い、中と同じセメントだけで作られた壁の廊下に、明かりは廊下にある裸電球のみ、そして、異常なまでに静かだ。
 誰もいないのだ。
 孤独という物は恐ろしい速度で人間の精神を破壊する、人間は何もやることがないと死んでしまいかねない生き物なのだ。そして、暗闇は自分は一人だと認識させるのに絶好のパートナーだ。
 私は自分の身体の損傷を確かめる、ガルツの拘束は解けた右腕は局所麻酔と汚い診療所という非常にスリリングな環境で骨折を治して貰った。しかし、周りの打撲傷がうずき上げる痛みの合唱がひどい。
 だが、苦痛耐性は軍人の基本スキルだ、痛みは無視出来る代物だ。
 私はガルツを「ハメて」やったことを思い出す。人体型金庫の能力で体の中に分散してしまっておいた「部品」を取り出した。
 一個一個は小さい金属のねじやスプリング、フレームだが、組み立てるのは二分ですむ、ちなみに分解はもっと早い。最高記録は8.21秒だ。
 それは一丁の9mmオートマチック拳銃の形となった。
 ガルツが暴徒鎮圧用に持っていたのを私がスリとったのだ。
 それを組み立てたり分解したりしながら、色々を考えるだけで、孤独は和らいでいく。
 さて、私はこの反省房で何日いることになるのだろうか?おそらく精神崩壊を避けるために一週間はいまい。せいぜい2.3日だろう。飯は食堂よりさらにまずい物になるだろうが、戦場の修羅場よりマシだろう。
 さて、
 シリアル・『ファーストキス』・キラー。
 アイツは何なのだ?
 第三勢力と位置づけておくのが相応しいと思い、今はここまでを記しておく。



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