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TURKS!!-No.5
IRR [HomePage] [Mail]
11/27(Wed) 8:07
暗闇。
自分の手も見えないほどの真っ暗。
静寂が仕切る闇。
音すら聞こえない悠久かと思われる程の漆黒
(・・・まぁいつもの事だし)
だが今日に限りいつもの事では無かった。

『き・・こえ・・か・・・た・・へん・・ろ』

・・・う〜ん

『聞こえ・・か・・こえた・じをし・ろ・・』

・・・うるさいなぁ

『聞こえるか・・聞こえたら・・返事を・・・』

・・・聞こえてるよ!
「ふぁい・・・聞こえてるよ・・・応答どうぞ・・」
寝ぼけ眼で答える。
『・・・イルルだな』
「いかにも・・アルフリートか・・今は・・・朝じゃないか・・」
暗闇なのにどうして朝か?それは彼の能力が原因であった。
名はイルル、身長は160そこそこと低め。
体格はほっそり型だが独自の古武術により多少戦うこともできる。
性格は明るめ、時々おちゃらけるが、
真面目になる時は一切の妥協は許さない。
そして彼もまた魔力能力者である。

魔力能力は「確立固定」

彼がイメージすることによって1つに限定することができる。
ただしこの能力を発動させるにはかなりの条件が付きまとう。
必ず

『対象は2つ以上であり、
 なおかつ元の数値を完全に把握出来ていないと発動しない』

ということ。
分かり易くいうと、分かれ道が10ある場合、元の数値である「10」
という数値を完全に把握出来ているので能力は発動する。
しかし分かれ道が幾千とある場合、
元の数値を完全に把握していないので発動はしない。
というもの。
その気になれば、全てのものを数値化し計画を立てることが出来ると
予想した獄長は夜間から朝にかけて彼の部屋を完全に全ての情報から
シャットアウトする為、部屋の窓、鉄柵に特別に2重の鉄のカーテンを
施したわけである。
アルフリートが通信機を渡せたのは(例の如く体を鉄柵にぶつからせ)

ちょうど昼過ぎだったからである
朝と分かったのは勿論能力使用の成果である。
(朝か夜か2分の1を選別、正解を固定)

『お前の所に誰かから接触はあったか?』
冷静な口調で問う。
「あったら寝てねーよォ・・・あふあふ」
『・・・』
どちらかというとこの男もユークリッド寄りであるが
ユークリッドよりはましではある。
「なにかあれば直ぐに連絡するさ」
『・・・分かった、現在マール、ガム、ユークリッドが応答済みだ。』

「了解、じゃ切るぞ」
『それとだ』
まだなにかあるのか?と言いたかったが、
それを言うと後が恐いのであえて言わなかった。
『今すぐ起きろ』

ブツッ・・・

「・・・ばっちり目が覚めたよ、朝起きても真っ暗で夢の中だけど」

(身寄りのない俺をまるで実の姉のように俺に暖かさを教えてくれた
 サムス・・・まってろ、絶対助け出してやるからな・・・!)

固い誓いを胸に、再び浅い眠りについた。


数時間後。
看守長「全員起床ッ!!」
古びたサイレンが鳴り響き全員が起床し始める。
ちょうどサイレンの音に紛れてアルフリートの
通信機に連絡が入った・・・



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