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時を越えた宿命〜第2話〜その2〜
GUM [Mail]
11/25(Mon) 3:08

   こちらは部屋の中のクレイと、ラルフ。
フィオナが出ていき、二人はどうして良いのか分からずに、仕方なくその場に居ながら話をしていた。
扉が開け放たれていたおかげで、全部フィオナに聞こえてるとは二人とも思いもしなかった。

「さっきの子、すごく可愛い声してなかった?」

「ラルフ、お前なあ・・・・。」

「俺、あの子の事気に入っちゃったみたいだ。天使のような可愛い声。触れたら折れちゃいそうなほどの華奢な体。」

「お前、ロリコンの気があったのか?」

「愛に年齢は関係ないさ。好きになったら、相手が幾つであろうと関係ないだろう。」

「はあ・・・。それでお前、姉御のことはどうするんだ?可愛いって言ってたじゃないか。」

「それはそれ、これはこれだ。教官は確かに可愛いけど、あっちの子はもっと可愛いんだ。」

 「わかったわかった。そういうことにしとこう。それより、俺達は俺達の部屋に戻ろうぜ?」

 「お前だけ帰ればいいだろう?俺は、あの子をきちんと見届けてから戻るよ。」

「はいはい。好きにするさ。じゃあ、俺は戻ってるからな。」




 「う・・・・。」

覚醒を促された少女は、目を覚ました。しかし、意識が朦朧とするのか、会話はゆくっりとしたものになった。

「どう?頭、痛いの治った?」

「あ・・・シ・・・ン・・ディ−・・・・・さ・・・ん。」

「よかった。ご免ね。私の責任だわ。もう、酷い目には会わせないからね。」

「それは・・・・・いいの。でも・・・・・。さっき・・・・の・・・・お姉さん・・・・・
 見覚え・・・な・・・・・いけど・・・・・ないん・・・・・だけど、覚え・・・・てる気・・・・がする・・・・・の。
 でも、そ・・・・れを思い・・・・・出そ・・・・・うと・・・した・・・・ら・・・・・頭が・・・・凄く痛・・・・・くなった・・・・・の。」

「ありがとう。よく頑張ってくれたわね。あなたのこといっぱい褒めちゃうわよ。
 それからね、私の代わりに今日からこの人が一緒に暮らしてくれたり、世話してくれるからね。
 この人の名前はフィオナ。今日から、あなたのお友だちよ。」

「フィ・・・・・オ・・ナ・・さん・・・?」

「ヨロシクね、っと。ところで、この子の名前どうするの?」

フィオナは、シンディ−の方に聞くが、シンディ−は、首を横に振る。そこでフィオナは、少女自身に聞いてみた。

「あんたの名前、どうしようか。思い出す迄でいいから。名前ないと、呼びにくいよ。」

「私の・・・・名前・・・」

「まあ、それもゆっくり二人で考えてね。はい、フィオナ、これ。携帯型翻訳機。この子の為の特注品よ。
 もっとも、いろんなデーターも移しといたから、私が持ってるのとあまり性能は代わらないわ。」

「サンキュウ、シンディ−。じゃあ、あんた、今日からあたしの部屋で一緒に暮らすんだからね。
 それと、ここでの言葉やその他生活に必要なレベルでの知識も覚えてもらわないといけない。」

「こと・・・ば・・・?せ・・・・い・・・か・・・・・・つ?」

「あっと、ご免。一気に言われてもわかんないか。とにかく、あたしの部屋においで。」

「こことは違ってゆっくりできるからね。あ、あたしの部屋までは、あたしが抱いて行ってあげるから。心配しなくていいよ。」

「う・・・ん。・・・・・あ・・り・・・・が・・・と・・・う。」

フィオナは、少女に、自分の外套をかけると、抱き上げた。思ったより少女は軽かった。
そのまま医務室を出る。すると、そこに心配そうなラルフがいた。フィオナは翻訳機のスイッチを切った。

「教官。そのこ・・・・・。」

「お前は自分の部屋に帰ってろ。何かあったら呼んでやるからさ。それに、あんまりこの子に まとわりつくな。
 いくら好きになったって、今はこの子記憶がないんだ。それを取り戻してからだって、遅くはないだろう。
 あの部屋でのあんた達の会話、こっちに聞こえてたんだからな。お前の気持ちは分かってるんだ。
 だからお前も、こっちの事情分かってくれないか?分かってくれるなら、戻ってろ。」

ピシャリと撥ね除けるフィオナの言葉に、返す言葉が見当たらないラルフ。そんなラルフを残し、フィオナは、自室へと向かう。
途中、また翻訳機のスイッチを入れた。すかさず少女が話を始める。

「今の、お兄さん、なんて言ってたの?」

少し、意識が覚醒したのか、弱々しいが、はっきりとした口調で少女は聞いた。

「ああ、あんたに何かあったら、あのお兄さんも守ってくれるって言ってたんだよ。」

「みんな、やさしいんだね。・・・・・・私、ヒック。・・・・・・嬉しいよ〜。。。。。。ワ〜〜〜ン」

また、静かに泣き始めてしまった。小さな子をあやす様に、フィオナは静かに語りかける。

 「よし、よし。大丈夫だよ。泣きたければ、泣きたいだけ、泣くといい。いつでも、一緒にいてあげるから。」

「うん。ありがとう。フィオナさん。ありがとう。」

フィオナの自室前。そっと、側にクレイがひかえる。

「姉御、留守の間、何もあやしい奴の姿、ありませんでしたぜ。」

「おまえもか?・・・・・ハァ・・・・・全く、この子は、記憶もないくせに、人気者だね。」

「いえ。私は、姉御のことを心配してますので。」

 クレイの雰囲気がいつもと違うのを察したフィオナ。しかし、言葉はいつもと同じだった。

 「ほお〜。言うようになったねえ、クレイ君。ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えて、この後も、頼んだよ。」

「はい。」

自室へと入っていくフィオナと、彼女に抱かれて入っていく少女。



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