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- PIONEER1 HUNTERS - IXY [12/4(Wed) 16:54]
story1 闇の胎動1 - IXY [12/4(Wed) 16:55]
投稿者削除 - ---- [12/31(Tue) 21:29]
story1 闇の胎動2 - IXY [12/31(Tue) 21:30]
story1 闇の胎動3 - IXY [1/14(Tue) 1:14]
story1 闇の胎動4 - IXY [1/14(Tue) 18:08]
story1 闇の胎動5 - IXY [2/4(Tue) 16:53]
story1 闇の胎動6 - IXY [3/20(Thr) 13:30]
story1 闇の胎動7 - IXY [3/20(Thr) 13:31]
story1 闇の胎動8 - IXY [3/25(Tue) 17:03]



story1 闇の胎動6
IXY [Mail]
3/20(Thr) 13:30
 ゲートから十分ほど下ってきていたが、相変わらず通路は暗く、レイカーは携帯用のライトで通路を照らしながら進んでいた。
 (まだ下るのか・・・。こんな地下まで何を掘っていたんだ?)
 ラグオルの地下には、ラコニウムなどのレアメタルや未知の鉱石を含んだ岩盤があり、ラグオル到着直後から採掘が行われていた。
 だが、その後の調査により、レアメタルの含まれる層は地表に近い浅い層に分布していることが判明しており、それ以上深い地層にはレアメタルどころか、資材として使用できるような鉱石なども発見されていないはずであった。
 (採掘が目的でないとすると、いったい・・・。)
 「あ〜!詰所ってあれじゃない?」
 メイがライトが照らす先に建造物らしきものを発見した。
 「ああ、そうだ。少しここで待ってくれ。電源を入れる。」
 そう言ってDは手動でドアを開き、中へ入っていった。
 程なくして、詰所に明かりが灯り、通路内を照らし出す。
 明かりが灯ると、詰所がある場所はかなり広く掘り抜かれており、フットボールのグラウンドほどの広さがある。
 また、詰所自体も、二、三十人は生活できそうな大きさを持っていた。
 「ふう、とりあえず、システムが回復するまでここで休むとするか。」
 「ねえ、あっちは何だろ?」
 レイカーが詰所に入ろうとするところをメイが呼び止めた。
 メイの指差す方向には、更に奥へと続く通路があった。
 「さあな、そんなに気になるなら一人で行って来いよ。」
 「んじゃ、そうする。」
 そう言ってメイは、奥の通路に向かって駆け出した。
 「って、おい!ホントに行くやつがあるか!」
 レイカーが制止しようとするが、メイはすでに通路の奥に消えていた。
 「どうした?」
 詰所から出てきたDが、レイカーの様子を見て尋ねた。
 「あ、いや、メイがこの奥に・・・。」
 レイカーは奥の通路を指差す。
 「何・・・だと?」
 レイカーには、アンドロイドの表情の変化を読み取ることはできないが、Dが明らかに動揺しているのが感じられた。
 「連れ戻すぞ!」
 そう言ってDが駆け出そうとした時、メイの驚嘆の声が響いてきた。
 「うわ〜〜〜!ちょっと!みんなこっち来て!」
 その言葉にレイカー達も奥へと駆け出した。
 通路は再び緩い傾斜となっており、暫く進んでいくと突き当たりの壁を背にメイが手を振っている。
 「こっち、こっち、これ見てよ!」
 メイの後方の壁は、明らかに周囲の岩盤と別の物質であり、人工物であることを示すように意匠が施されていた。
 「これは・・・遺跡とでもいうのか?」
 レイカーが壁に手を触れるが、その感触は今まで自分が触れてきたあらゆる物質とも異なっている。
 (見た感じはどう見ても無機物なんだが・・・何だ?僅かな弾力と、それに・・・脈打っている?まさかな・・・。)
 「ねね?こっちから中に入れるんじゃない?」
 メイが言うとおり、壁には入り口らしき穴が開いている。
 レイカーが丹念にその周囲を調べていくと、穴の内側に黒く焼け焦げたような跡を発見する。
 (炸薬を使ったのか?どうやら、正規の入り口ではなく、無理やりこじ開けたようだな。・・・最近の跡じゃないな。数ヶ月、いや、一年以上は経過しているか。・・・それに・・・。)
 レイカーは足元に目を落とすと、そこには多くの瓦礫が転がっている。
 (こいつは、周りの岩盤とも、この壁のものとも材質が違う。宇宙船の応急補修に使われる充填材のようだが・・・。一度開けた穴をこいつで塞いだのか。)
 状況を分析するにつれ、レイカーの頭の中で警鐘がけたたましく鳴り響く。
 レイカーは手にしていた瓦礫を置き立ち上がった。
 「とにかく、詰所に戻るぞ。後のことはそれからだ。」
 漠然とだが、強い不安感がレイカーを支配していた。
 具体的には説明はすることはできないが、ハンターズとしての長い経験と、鋭い直感が、この場所に長く留まることを良しとしなかった。
 だが、レイカー達が立ち去ろうとする中で、メイは未練がましく穴の奥を覗き込んでいる。
 「何やってんだ!さっさと戻るぞ!」
 「え?ああ、うん。」
 暫く、名残惜しそうに遺跡を見つめていたメイだったが、レイカー達の後を追って駆け出した。



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