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- 裏の仕事はタークスへ! - ウルフ [11/27(Wed) 21:01]
「裏の仕事はタークスへ!」第2話 - ウルフ [11/27(Wed) 21:55]
「裏の仕事はタークスへ!」第3話 - ウルフ [11/28(Thr) 9:08]
「裏の仕事はタークスへ!」第4話(最終話) - ウルフ [11/29(Fri) 7:47]
あとがき - ウルフ [11/29(Fri) 8:08]
Re:あとがき - Fine [11/29(Fri) 11:20]
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Re:あとがき - GUM [11/30(Sat) 7:09]
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「裏の仕事はタークスへ!」第2話
ウルフ [HomePage] [Mail]
11/27(Wed) 21:55
その頃、社長室の外では、何人かの社員が集まって、
聞き耳を立てていた。

屋上の看板と同じ、

「裏の仕事はタークスにお任せ!」

が、この会社の社員の合い言葉であった。
裏の仕事と言うと聞こえはいいが、実は何の事はない
「何でも屋」または「便利屋」というのが、このタークス
の業務内容であった。
もちろん社員全員が、ハンターズギルド公認のハンターズ
ライセンス取得者ではあるが。

「で、何だって?」
「いや、良く聞こえん。」
「今度もまた、変な内容の仕事じゃないでしょうね?」
「また、どこかの薄汚れた部屋のお掃除とかですかぁ?」
「痛い、押さないで下さいよ〜。」

外で何が起こっているか、どこ吹く風、社長室の中では
秘書と社長の会話が続いていた。

「で、これは一体何ですか?」

秘書が持っているファイルの仕事内容、それは

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「依頼人 お姉さん

 内容 伝説のお菓子、ケーキを探して欲しい」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「見て解らないかしら?そのままだけど?」
「どうして、お菓子探しが仕事なんですか!?」
「あら、いいじゃない?楽しそうで。」
「そういう問題じゃないでしょうがあ〜!」
「お茶がおいしいわねえ・・・。」

サムスは、秘書が入れたお茶を飲んでごまかす。

「あのですねえ、我が社は、社員数300を誇る大企業
なんですよ?それがどうしてこんなにアップアップの
経営状態なのか、考えて下さいよぉ・・・。」
「あら、いいじゃない。こういう利益度外視の人助けを
したって。」
「それは構いませんよ。私はね、何も人助けがいけないと
言ってる訳じゃないんですよ。私も人助けは嫌いじゃない
ですし。ただ・・・。」
「ただ、何かしら?」
「たまには儲けの出る仕事も取って来てもらわないと、
不渡り出して倒産しちゃいますよ、という話をしてるん
です。」
「しょうがないじゃない。儲かる仕事は、他の所が我先に
と持ってっちゃうんだから。」

事実、タークスは儲けの出る仕事はほとんど、いや全くと
言って良い程した事が無かった。
ここが大企業で居られるのは、社員の数に任せて仕事の数
をこなしているのと、社長サムスの人柄で持っているだけ
というのが、実際である。

ウルフは、ここまで言うと、あきらめた。サムスがこう
いう人間であるという事は、すでに解っているからだ。
だが、こういう人間だからこそ、どんなに儲けが少ない
仕事であっても、タークスは仕事にあぶれる事が無いの
である。

「で、この仕事引き受けるしかなさそうですが、人選は
どうします?」
「ん〜、ウルフちゃんに任せるわ。適当にその辺に居る人
引っ張ってってちょうだいな。」
「はあ、解りました。で、」
「なあに?」
「サムスは自分で行かないんですか?」
「星がきれいね・・・。」
「誤魔化さないで下さい!」

その頃、外では・・・。

「おい、どうやら話が終わったみたいだぞ。」
「で、どうだった?」
「いや、なんかまた、今回も・・・。」
「うんうん。」
「・・・儲けの割に苦労が多い内容らしい。」
「ええ〜、マジかよお!?」
「しっ、ウルフさんがこっち来るぞ。」
「選ばれたらかなわんなあ、逃げよう。」

ガチャリと音がして、秘書のウルフが社長室から出て
来た。

「さて、では適当に選んで連れてくか・・・って。」

ウルフが見回すと、みんなどこかに逃げたか隠れたか
した後だった。

「逃げたな・・・。」

ウルフが、社員の詰所をくまなく見回すと、逃げ遅れた
らしいのが一人、気配で残っているのが解る。

(よし、それならば・・・)

ウルフは息を吸い込むと、叫んだ。

「あ、あそこに100メセタが!」
「100メセタ!?」

隠れていた人影が、飛び出して来た。

「ほい、つかまえたw」
「うにゃあ〜ん><・・・。」(じたばた)

捕まえられた人影は、もがいた。

「まったく、こんな手に引っかかるとは。」
「ウルフちゃん、人が悪いぜえ、うにゃ〜ん。」

捕まった人影は、ウルフと同じハニュエールであった。
だが、身長はウルフの首くらいまでしかない。
そのハニュエールは、さがらといった。独特のしゃべりが
特徴的な、黒い服の少女(見た目は、だが)である。

「さあて、さがら。悪いけど仕事だ。他の連中は一体
どうしたんだ?」
「みんなどっかへ逃げちまったぜ、にゃ〜ん。」
「しょうがないな〜。んじゃ、今回は私が出るか。
さがらも一緒に来るんだよ、いいね?」
「解ったぜ、にゃ〜ん。とほほ・・・。」

さがらは、やむなくウルフにくっついて仕事に行く事に
なった。
自分を置いて逃げた、他の社員を恨みながら。

ただ、元来は恐ろしく活発なのが、このさがらという
ハニュエールであった。
口では何だかんだ言いながら、仕事が面倒なだけで、
外(ラグオル)へ出るのは、大好きなのであった。

こうしてウルフは(逃げ遅れた)さがらを連れて、正式に
依頼を受けて、詳しい内容の説明を聞いた後、仕事の為に
惑星ラグオルへと降りて行った。

第2話 了



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