イベント管理室『前夜祭』


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- 3月23日のイベント「夜桜」 - ちゃんこ [2/16(Sat) 17:28]
シナリオ製作者ツリー - ちゃんこ [2/16(Sat) 17:30]
私で良ければw - アルフリート [3/3(Sun) 16:24]
おお〜〜〜〜!!! - ちゃんこ [3/4(Mon) 8:42]
こちらこそ - アルフリート [3/5(Tue) 8:23]
管理人削除 - ---- [1/5(Sat) 12:02]
管理人削除 - ---- [1/6(Sun) 15:50]
題名『桜はただ人目に映える』 - アルフリート [3/10(Sun) 10:52]
役者応募ツリー - ちゃんこ [2/16(Sat) 17:35]
そりゃあもう、、、 - じにー(えーこ) [2/17(Sun) 19:47]
Re:役者応募ツリー - スプリガン-SPRIGGAN [2/24(Sun) 1:23]
題名「桜はただ人目に映える」における注意点 - アルフリート [3/10(Sun) 9:50]
シナリオ「フィリクス」 - サムス・アラン [3/14(Thr) 1:18]



シナリオ「フィリクス」
サムス・アラン
3/14(Thr) 1:18
ナレータ:フェインの国、フェイン城王宮

     一人の女が、謁見の間に姿を現した。

アルマ :「国王。」
国王  :「ふむ、よくぞ参られた。」
アルマ :「私は、旅の魔導士、アルマと申します。」
国王  :「ほうほう、して、どのような用か?」
アルマ :「はい、実は不老長寿の薬について、の事です。」
国王  :「不老………?」

アルマ :「その薬を飲めば、若きながらも千年の寿命を得られる
      のです。」
国王  :「なんと!!そのような物が………!!」
アルマ :「この国は、王のおかげで大変素晴らしい国に保たれて
      います。王に是非、長きに渡り、この国を守っていた
      だきたいのです。」
国王  :「ほうほう、良い事を言うではないか。」
アルマ :「そこで、国王にその薬を飲んでいただきたいのです。」

国王  :「真か……、その薬は今あるであろうか?」
アルマ :「ほぼ、薬が完成に近いのですが、ただ一つ、どうしても
      必要な材料がいるのです。」
国王  :「ほう………それは何じゃ?」
アルマ :「はい……それは………」

ナレータ:………………幻の霊力を持つ猫……………

     フェイン城から少し離れた辺境の町、フィン。夕日の
     まぶしい夕方、なんのへんてつもないとある家の中で。

エリシア:「フィリクス。」
フィリクス:「うにゃーん?」
エリシア:「ごはん、何がいい?」
フィリクス:「にゃーん。」
エリシア:「そう、グリルチキンがいいのね、食器洗い終わるまで
      待ってね、すぐ作るわ。」
フィリクス:「うにゃーん♪(ごろごろ」

ナレータ:そこでは、一人の女エリシアと、猫が一匹、ごく普通に
     暮らしていました。とても幸せそうである。

エリシア:「おいしい?」
フィリクス:「はぐはぐ……みう♪」
エリシア:「そう、よかったぁ♪(なでなで」
フィリクス:「にゃーん♪」

ナレータ:いつもと何も変わらない、平凡なひととき。そんな所に

……コンコン。

エリシア:「ん?誰かしら?」
フィリクス:「みー(すりすり」
エリシア:「こらこら、お客さんだからここで大人しくしてるのよ。」
フィリクス:「みう……(ちょこん。」

ナレータ:とてとて、ガチャっ

エリシア:「はあい。」
ウィルソン:「どうも、初めまして。」

ナレータ:そこには、中年の兵士が立っていた。

エリシア:「あら、はじめまして。」
ウィルソン:「実は、おたくのかっている猫を少しかして頂きたい。」
エリシア:「はぁ……?」
ウィルソン:「国王が、是非おたくの猫を見たいそうだ。」
エリシア:「フィリクスを?どうして?」
ウィルソン:「さあなぁ、俺はただそう聞いただけだ。」
エリシア:「いいですけど……すぐ返してくれるんでしょうか?」
ウィルソン:「一週間で返すと、王は言っておられた。」
エリシア:「一週間……。」
ウィルソン:「礼金が出るそうだが、どうだ?」
エリシア:「いいけど……フィリクス。」
フィリクス:「うにゃーん?」
エリシア:「国王があなたを見たいんだって。」
フィリクス:「みー?」

ナレータ:と、猫をひょいっとかかえあげ、兵士に渡す。
ウィルソン:「じゃあ、一週間後に返しにくる。」
フィリクス:「うにゃーん(じたばた」
エリシア:「うん……すぐ返してね。」
フィリクス:「うにゃあああああん><(じたばたじたばた」

ナレータ:馬車の中、男は猫を隣の席に置き、馬車に揺られ
     るまま時を過ごす。

ウィルソン:「…たく、なんでこの俺がこんな猫のためにわざわざ。」
フィリクス:「みー。」
ウィルソン:「ん?」
フィリクス:「ごろごろ」
ウィルソン:「く、なんでえ、人なつっこい猫だなぁ。」
フィリクス:「みい。」
ウィルソン:「ん?腹が減っているのか?」
フィリクス:「にゃーん。」
ウィルソン:「ちっ…。」

ナレータ:懐にあるドライチーズをとりだし、フィリクスに一切れ
     ちぎってあげる。

フィリクス:「うにゃーん♪」
ウィルソン:「たぁく、携帯用の安モンのチーズの何がそんなに
       うまいんだか。」
フィリクス:「ごろごろ。」
ウィルソン:「ちっ…(なでなで」
フィリクス:「にゃあああん><(ごろごろごろごろ」
ウィルソン:「こ、こらくすぐったいからやめれっ」

ナレータ:猫を膝の上にのせる。

ウィルソン:「ふー、たく王さんが見たがるわけだ。俺んとこの
       女房と子供もこんだけかわいけりゃあなあ。」
フィリクス:「みー。」
ウィルソン:「ん?もっとほしいってか?」
フィリクス:「にゃーん。」
ウィルソン:「ち、ほれ。」
フィリクス:「にゃーん><(はぐはぐはぐはぐ」
ウィルソン:「そうかそうかうまいか、わっはっは。……いけね、
       俺の分まで全部やっちまった。」
フィリクス:「ふにゃーん♪」
ウィルソン:「ち、まーいっか。」


ナレータ:フェイン城王宮、謁見の間

ウィルソン:「王、こちらがフィリクスです。」
国王   :「ほうほう、よぉくもってきてくれた。」
フィリクス:「にゃん。」
国王   :「フェインじゅうの猫を集めるのも、一苦労じゃわ
       い。で、どうじゃな?この猫は。」
アルマ  :「ちょっとその猫ちゃんをよぉく見せて下さい。」

ナレータ :アルマは、フィリクスをじーっと見つめる。

アルマ  :「……この猫……この猫だわ!!!」
国王   :「なんと!!!まことか!!!」
フィリクス:「…うにゃーん?」

ウィルソン:「王?その猫をどうするおつもりで?」
国王   :「ほっほっほ、薬じゃよ。」
ウィルソン:「薬?」
フィリクス:「ふにゃ?」
アルマ  :「この猫をよぉーくすりつぶして、薬を作るのよ。」
ウィルソン:「え!?」
フィリクス:「!」
国王   :「良い薬が出来ると良いのぉ。」
アルマ  :「ご安心を。」
ウィルソン:「ちょ、ちょっとまってくれ!!」
フィリクス:「うにゃああーーんっ!!><」
国王   :「ん?何かの?」
ウィルソン:「そ、その猫、一週間以内にちゃんと返すって……。」
国王   :「知らんのう。」
ウィルソン:「王……!!!」
フィリクス:「うにゃーーーーーーーんっ!!><」

国王   :「たかが一般兵ごときが、ワシに何か文句でもあるの
       かの?」
ウィルソン:「くっ……」
国王   :「では、まかせたゾイ。」
アルマ  :「はい。」

ナレータ :そして、夜はふけっていく。

      次の日の朝、フィンの町。

      コンコン。

エリシア :「はあい。」

ナレータ :ガチャ。

エリシア :「あら、こんばんわ。」
ウィルソン:「うう……。」

ナレータ :兵士は、エリシアに金のはいった袋を渡す。

エリシア :「何ですか?これは。」
ウィルソン:「……猫の金だ。」
エリシア :「フィリクスの…?」
ウィルソン:「ああ……猫は返せねえ……。」
エリシア :「ちょっ……!!!」

ウィルソン:「すまねぇ、それだけだ…。」
エリシア :「どういう事!?フィリクスは!?」
ウィルソン:「…王の飲む薬として、精製されるらしい…。」
エリシア :「何ですって!!??」

ナレータ :もはや頭を整理する事すらままならないエリシア。

エリシア :「フィリクスを……フィリクスを返してよぉ!!!」
ウィルソン:「すまねえ、俺にはどうしようもねえ……
       じゃあな!!」

ナレータ :走り去る兵士。

エリシア :「ま、待ってぇーーーーー!!!」
ウィルソン:「うううう…」
エリシア :「うああーーーーーーん」

ウィルソン:「俺は、なんて事をしちまったんだ……」

エリシア :「何で……何でこんな事になったの……」

ナレータ :エリシアは泣きながらも、ただ空を見上げる。

エリシア :「フィリクスぅ……。」


ナレータ :フェイン城王宮。

フィリクス:「……うにゃーん……。」
ウィルソン:「やつれたじゃねえか……。」

ナレータ :兵士ウィルソンは、ひげだらけの顔をくしゃくしゃに
      して、涙を流しながら牢屋ごしの猫のそばに座ってい
      た。

ウィルソン:「ごめんな…俺って本当に馬鹿な奴だよぉううううう」
フィリクス:「……ふにゃーん。」
ウィルソン:「うっ…うあああああ」


ナレータ :フェイン城、城門前。

エリシア :「フィリクスを返して!!!」
アルマ  :「王の絶対命令よ、あきらめなさい。」
エリシア :「なんで!?貴方達にフィリクスの命を奪う権利
       なんてないわ!」
アルマ  :「お金もらったでしょ、それで新しい猫でもかえば?」
エリシア :「お金でフィリクスは帰ってこない!!」

ナレータ :金の入った袋をアルマに投げつけるエリシア。

アルマ  :「…いったぁ〜。」
エリシア :「お金を王に返して、そしてすぐにフィリクスを返し
       てよ!!」
アルマ  :「くっ、後悔しない事ね!!」


ナレータ :フェイン城王宮。

フィリクス:「うにゃーん……。」
アルマ  :「買主が、猫を返せとあたりに喚いています。」
国王   :「ふむ、あまり騒がれても目障りじゃのう。」

ナレータ :王は、窓をしばらく眺めていたが、一言。

国王   :「…殺せ。」
アルマ  :「…は。」
フィリクス:「!」
アルマ  :「お前達、あの女を殺してきなさい。」

ナレータ :兵士に指示を出したのは、アルマ。

フィリクス:「うにゃあああーーーーーーーーーーーー」

ナレータ :突如、フィリクスの体が光出す。

アルマ  :「え、な、何!?」
国王   :「ぐああああああ」
アルマ  :「お、王様!!??」

ナレータ :光を直接まじかであびた王と、その場にいた兵士
      達は、ぱたりと倒れ、そして動かない。

アルマ  :「お…王様…王様!?」

ナレータ :もはや息はない。

アルマ  :「くっ…まあいいわ、薬さえ出来ればもう王に用は
       ないもの」
フィリクス:「ふぎぃーーーーーーーーーーっ!!!」
アルマ  :「とっとと殺しておけばよかったわ。」

ナレータ :アルマは魔法をとなえ、そして猫にはなつ。
      ちゅどぉぉぉぉぉぉぉん。
フィリクス:「ふにゃあっ><」
アルマ  :「さて、これで終わりよ。」
フィリクス:「ふ…にゅ……」

エリシア :………フィリクス…フィリクス…どうしてこんな事に
      なったの?
      会いたい…会いたいよ………

      フィリクス………

フィリクス:「……ふにゃおぉぉーーーーーーー!!!」

ナレータ :突然再び、フィリクスの体が眩い光につつまれ、
      そして……

アルマ  :「えっ!?」

ナレータ :光がひいたと思えば、そこにはフィリクスのかわりに
      一人の少女が……。

アルマ  :「何!?あなたフィリクスなの…!?」
フィリクス:「ママに…ママに会いに行くんだ……」
アルマ  :「まさかこれほどとは……誰があなたを逃がす物で
       すか、あなたみたいな貴重な材料を!!!」
フィリクス:「どいてえーーーーーーーーーーー!!」
アルマ  :「ううっ!!」

ナレータ :再び眩く光る。

アルマ  :「…なんの、これでおしまいよぉ!!!!」

ナレータ :アルマは魔法を唱え出すが…

      ザクぅっ……

アルマ  :「あうっ……」

ナレータ :突如、アルマの背中を大剣が貫く。

ウィルソン:「やっぱり、お前の仕業なんだな…何もかも!!!!」
アルマ  :「く…わ…私とした事が……油断したわ……」

ナレータ :アルマは、その場に倒れる。

ウィルソン:「俺がした事は、正しいのか?それとも間違って
       るのか?」

ナレータ :兵士ウィルソンは、目の前の裸の少女の瞳を見つめる。

ウィルソン:「だが、俺は後悔はしてない…。」


ナレータ :フィンの町の平原。

エリシア :「何よ…。」
ウィルソン:「呼び出してすまない、こいつを連れてきた。」

ナレータ :兵士ウィルソンのわきから、少女が顔を出す。

フィリクス:「ママ……」
エリシア :「え?」
フィリクス:「あたしだよ、フィリクスだよ……。」
エリシア :「フィリ…クス…?」
ウィルソン:「ああ、そいつぁお前さんの猫だ。」
エリシア :「からかわないで!!!貴方達はフィリクスを殺した
       のよ!!もうお願いだから私にこれ以上関わらな
       いで!!」
フィリクス:「ママ……」

ナレータ :フィリクスは、ぽつりと。

フィリクス:「グリルチキン……また食べたいな…。」
エリシア :「え……」
フィリクス:「いつものように、頭なでてお話きかせて……」
エリシア :「フィリ…クス…フィリクスなの?」
フィリクス:「こんな姿になっちゃったけど…でも、ママが好きだ
       よ…もうどこにも行かないよ…」
エリシア :「フィリ…クス…」
フィリクス:「ママ……」
エリシア :「フィリクスーーーー!!!」
フィリクス;「ママーーーーっうあぁーーーーんっ!!!」
ウィルソン:「ううう……金は使いな、慰謝料だ。」
エリシア ;「ううん、いらない……」

ナレータ :エリシアは、ただゆっくりとフィリクスの頭を
      なでる。

エリシア :「フィリクスがいれば……それだけで…」
フィリクス「………にゃーん……♪」

ナレータ :一人の女と、一人の猫だった少女は、それからも末
      ながく、平凡だが、ただ、幸せにくらしたそうな……。

                         Fin



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