第一章 『全ての始まり』
一話 出会い
今、母なる惑星は滅びを迎えていた。 移民の為、探査船・パイオニア1の発進準備が行われている。 発進基地では、軍人、科学者、ハンターズなどが、乗り込みの準備でそこら中を駆け回っている。
その中に、明らかに乗組員ではない、二人の子供がいた。
一人は蒼髪、冷たい瞳をしたニューマンの子供。 一人は茶髪、脅えた瞳をしたヒューマンの子供。 年は7.8歳位だろうか。 双子なのだろう、風貌がとてもよく似ている。 二人とも髪は腰まで届くほど伸び、傍目で見て解るほど痛んでいる。 ボロを纏ったその姿は、浮浪児以外の何者でもない。 しかし、だれも二人を気にとめる様子もなく、皆黙々と作業を続けている。 「おねえちゃん、ほんとにここにたべものがあるの?」 茶髪のヒューマン…おそらく少年なのだろう…が、蒼髪のニューマンの少女に話し掛ける。 少年の声を聞き振り向く少女。 その瞳が僅かに優しい光を灯す。 「だいじょうぶ、あのふねにいけば、たべものがたくさんあるわ」 「うん」 少年から目を離すと、少女の瞳から優しい光は跡形もなく消える。
「こんな所に子供が……?」 二人の子供をじっと見つめる一人の女性。 着ている服には不似合いな赤い腕輪をしている。 だが、それより目を引くのが、その凛々しい瞳。 メガネをかけ、学者風の出で立ちだが、ただの研究者などには無い、力強い意思を持った光を瞳に宿してている。 女性は二人の子供を見て考少しえる。 「変ね、子供を連れきた人はいなかったはず……」 だが、その子供に対し、誰も気にとめる様子はない。 「連れ出さないと危ないわね」
「……!! おねえちゃんあのひとこっちにくるよ!」 メガネをした学者風の女性が近づいて来るのを見て、少年は脅えるような目で少女にすがりつく その様子を見て、冷たい瞳をしていた少女は、少年に笑顔を見せる。 少年に向ける笑顔には冷たい感じは無く、温もりさえ感じる。 少女が少年に「だいじょうぶ」と、言いかけたその時、少女の笑顔が凍りつく。 「お嬢ちゃん達、どうしたの?」
数秒の沈黙、それを破ったのは少女の方だった。 「あたしたちがみえるの……?」 少女は、警戒心を露にし、問い掛ける。 それを聞き、女性は何をあたりまえの事を、と思いながらも 「見えるわよ」 と、答える。 「リュウだけにしかみえないはずなのに……」 その答えを聞て、驚き呟く少女。 「え……? それってどう言う……」 「あの~どうしたんですか? 一人でブツブツと」 通りがかったのであろう、白衣を着た一人の男性が、心配そうに女性に声を掛けてきた。 「一人って……私はこの子と話てたのよ」 と、少女達を指差す。 「え?この子…?」 男性は視線を下げると、言われて気づいた様子で、 「おや、坊やどこから来たんだい? ここは危ないから、お家に帰りなさい」 そう言うと、 「では、私は準備がありますので」。 一言残し、傍にある通路の奥に消えていった。 「今のって…?」
奇妙な光景だった あの男性は、小年に向かって話していた。 少女越しに、まるで遮るものが何も無いように。
「何? どういう事…?」 混乱する女性に、少女が答える。 「……いま、あたしとリュウのすがたはひとにみえないのよ」 少女は冷たい瞳で彼女を見据え答える。 「リュウのすがたもみえないようにしてるけどね、よくみるとみえるらしいわ」 それを聞き、女性は少女をよく見る。 「これは…もしかして……」 考え込む女性に、少女は冷たく鋭い瞳で、睨みつけるように問かける 「……あたしたちをどうするの?」 女性は、その瞳を正面から見つめ、答える 「何もしないわよ、それより、あなたたちおなかすいてるんでしょ?」 子供達が僅かに反応する。 「ついてらっしゃい、なにか食べましょ」 女性は、そう言って歩きだす。 が、何か思い立ったようで、足を止め振り向く 「あ、そうだ、あなたたち名前は? 私はリコよ」 「ラミル…この子はリュウ……」 「OK!ラミル、リュウご飯食べに行きましょ」 そう言い、リコはラミルとリュウの手を引き歩いていった。
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