時は、1555年、春――ところは下総国、古河御所。
「咲夜」 レミリア・スカーレット――永遠に幼き紅い月の異名をとる齢500歳の吸血鬼は、自らの従者に向かって忌々しげに語りかけた。 「何故、どうして、この私が、あんな奴の下風に立たなければならないの」 『あんな奴』。 彼女達二人と、そしてもう一人を保護し、この館に仮の住まいを与えた人物のこと。 「そもそも私達は、八雲の気まぐれに無理矢理付き合わされただけなのに。 こんな茶番、早々に終わらせるべきよ」 ふん、とレミリアは詰まらなそうに鼻を鳴らす。 銀の従者は、行灯の光の影に控え、一言も発しない。 ――『あんな奴』、すなわち古河公方・足利晴氏は、つい先ごろ彼を表向き尊重すると見せかけておきながら、その影響力を有名無実化し、関東に覇を唱えんとする小田原の北条氏康を打倒すると決意した。 彼にしてみれば、この幼い吸血鬼とその従者の持つ力は、自身の願いを成就させるための大きな力となるように思われた。 そこで彼は、彼女達に協力を求めたのだった。 『協力』。 実際のところは、彼の臣下となって働けという事である。 足利将軍家の一門として、傅かれる事に慣れている晴氏は、そのような形でしか意志を伝える事ができなかった。 「私は嫌。 私が敬意を払うに足る存在ならともかく、あんな奴が私を使おうだなんて。 せめて弾幕ごっこで私に勝ってからにしてもらいたいわ」 「ですが」 口を開いたのは銀の従者ではなく、ベルベットの小悪魔だった。 紅魔館地下の大図書館に住まう七曜の大賢者の使い魔として、司書その他諸々の雑事を任されていた彼女だが、何故かこの場所には当の魔女の姿はない。 これもまた張本人の気まぐれなのか、或いはただの偶然なのかは定かではないが、とりあえず彼女は、一緒にいた主の友人の元に身を寄せているのだった。 「私には……その、得策ではないように思えます。 小耳に挟んだ話ですが、晴氏さんはこのあたり一帯の人々に対してかなり影響力を持っているそうです」 実力をもって排除すれば、周囲全てが敵になりかねない。 そう懸念を伝えた小悪魔に対して、レミリアは事も無げに、「一向に構わないわ」と断言してのけた。 「旗織がよくわかっていいじゃないの。 私に従わないないっていうなら、力ずくで従わせる、それでいい。 そういう時代なんでしょう? 咲夜」 問われて、漸く白銀のメイド――十六夜咲夜は声を発した。 「全てはお嬢様の御意のままに」
――かくて、古河公方・足利晴氏の命運は決定した。 レミリア・スカーレットおよびその従者達の謀反に対して晴氏は抗しえず、古河御所を追われたのだった。
紹介期間:1555年5月 足利晴氏追放 コマンド操作1個だけにこんだけ使うとか何を考えてるの自分。 でも理由付けはしっかりしないとね……。
―― 以下、武将紹介 ――
レミリア・スカーレット 役職:無 官位:左兵衛督 統率:99+8 武勇:117 知略:85 政治:72+8 所持戦法:槍衾 槍突撃 槍車 強襲 先駆け 斉射 火矢 早撃ち 二段撃 鼓舞 威圧 主人公。 主人公補正とカリスマ補正と吸血鬼補正と3重にかかってこの数値。 まあ、周囲に居るのが北条、武田、佐竹、長野とリアルチートやら普通の強豪だったりするから勘弁してください。
十六夜 咲夜 役職:無 官位:無 統率:89 武勇:96 知略:92 政治:94 所持戦法:槍衾 先駆け 斉射 火矢 早撃ち 鼓舞 威圧 混乱 完全で瀟洒な従者はなんでもそつなくこなす。 ザ・ワールドはさすがに信長にゃ未実装だけど。 副将的な位置なので、官位や家宝は優先的に与えていきます。 あとPAD長言うな。
小悪魔 リトル 役職:無 官位:無 統率:63 武勇:48 知略:86 政治:85 所持戦法:斉射 早撃ち 鼓舞 混乱 篭絡 内政官だけど保有戦法は強力。 本編だと台詞も立ち絵もスペルカードも無い中ボスキャラだけに好き勝手ができる。 篭絡はサキュバスかもっていう二次設定から。 なかでも個人的には凡用人型兵器氏の「そんなエサに俺様がこぁクマー!」が大好き。 Coolierの東方創想話作品集その33に収蔵、ご一読あれ。
次回:武蔵攻略、或いは防衛。 あくまで予定。 修正:上総→下総。
|
|