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- 今を生き抜く獣達〜鐘を鳴らそう、お前の為に〜 - サムス・アラン [12/22(Sun) 17:56]
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今を生き抜く獣達〜鐘を鳴らそう、お前の為に〜
サムス・アラン [Mail]
12/22(Sun) 17:56
今を生き抜く獣達 〜鐘を鳴らそう、お前の為に〜

フェリス南、大商人トルストイ・セントバーナードの屋敷
がある。トルストイ・セントバーナード…裏世界での方が
有名な男でもある。2・3の盗賊団のボスという噂もちら
ほらと。その屋敷に今丁度トルストイが帰ってきた所、二
十三時の事である。

「見ろよカルナ、この輝きを!」

頭の禿げ上がった男トルストイが青い宝石を天に掲げる。

「ブルースプラッシュオーブ!!魔力を秘めたオーブがや
っと手に入ったぞ!!」
「いわくつきな物好きねあなた。」

その妻であるカルナ。トルストイの首に手をまわし

「たまには私の相手もしてよ…」

部屋の片隅の鎧にかくれ、それを見ている者がいた。
(…くぅー、あれか、ブルースプラッシュ…絶対手に
いれてやる…)
少年だ。10代半ばの。
(…!?)
しかしもう一人、部屋に入ってきた。

「…ふんっ、貴様がトルストイか、私に何か用か?」

緑色に輝く、後ろで束ねられた髪、とても鋭い目つき、
深緑のマント、…そして背に負った大槍。

(あ…あいつは…)

「おーきたか死神。」

死神と呼ばれたその女は、ゆっくりとトルストイの方へ歩む。

「まー用というのはだネ、この私の護衛を頼みたいのだよ。」
「ほぉう。」

(…やべー…あんなのがいるんじゃ身動きが取れねえ…!!)

死神カリカは、部屋の片隅の鎧を見

「じゃあまずそこに隠れている害虫から駆除して行こうか。」

(…!!?)

死神はゆっくり槍を構える。

「ちぃっ!!」

少年は鎧を蹴り倒して窓ガラスへ向かって飛び込む。

「…くっ!?」

窓ガラスはわれ、少年はそのまま湖に真っ直ぐ突っ込む。

「ふん…逃したか。」

死神は軽く舌うちをする。

「ほー、よく見つけてくれたねー死神ちゃんっ。」
「…ちゃんをつけるな。」

死神はため息をつき部屋の片隅を見て

「あんな所に隠れる奴も隠れる奴なら、気づかん奴も
気づかん奴だ…。」


マリーの実でとても有名な町サン・マリーノ、その一画
にあるPUBスーペアリア、黒猫の盗賊の通り名をもつ
バンダナの少年リクオは、昼食を取っていた。

「…なあマスター」
「あん?」
「こいつぁ一体なんだよ…」

リクオは自分の食べている昼食を指す。

「見ての通り、俺様のお手製料理“マックナイト・クック
ドゥー・サーモンマリネ丼だ!」
「…もーちょっとましなもんつくれよ…」

うんざり口調のリクオにずずいっとつめよるマスター。

「てめえ金もねーくせにうちにメシたかりにきやがったん
だ、つべこべいわずに食え、そいつは試作品なんだ。」
「試作品ねえ…。」

リクオは口をもごもごし、口の中を空にして

「よほどの物好きじゃねーかぎりこんなもん…」
「こんなもんとはなんだてめえ、俺様の腕を駆使して作っ
た高級料理だぞっ!」

と、マスターと争っていた中…

「お、いたいた、リクオーっ!!」

店に入ってくるなり勢いよくリクオに飛びつく少年。

「うお!?なんだクーじゃないか」

リクオは以外そうにクーを見る。

「お前、いつこっちに戻ってきたんだ!?」
「つい昨日だよ、ちょっとえらい目にあってやー」

クーはさらにリクオにつめより

「ここにきたらお前に会えると思ってたぜー。どーだ、
一稼ぎしないか!?いい儲け話あってさー」
「もーけ話ねえ…お前と組んでろくな目にあったため
しねーからなあ」
「今度はぜってーもーかるって!!」

クー・グラシダル、その昔リクオとともに盗賊をやっ
ていた少年だ。かれこれ二年の付き合いになる。

「絶対ねえ。一体どういった内容だ?」
「なーに簡単簡単、俺とくんである屋敷から宝石盗み
だすだけだって。」
「普通に難いだろぉーー」

ぱかっとクーの頭を叩く。

「…てぇー…まあ聞けや。その宝石ってなぁあの有名な
ブルースプラッシュなんだ!」
「ブルースプラッシュ!?」

リクオとマスターが口を揃えて叫ぶ。

「…伝説上に出てくるレザヌーラの女神が祈りの時に使
う青いオーブ…そういう言い伝えはあるが、それが本
物なら確かに悪い話じゃねえ…お前もいっきに大金持
ちだぜリクオ!!」
「ああ…本物なら…な。それは確かなんだろうなあ…クー。」
「俺が保障するよ、あれは本物だ!」

リクオはクーをじーーっと見て

「てめーの保障ほどあてになんねーもんもねーけど
な…」
「なーんだよ、中には当たりもあったろ?いろいろ
と稼がせてやったじゃねーかやー」
「…ま、いっか、今んとこ仕事も金もねーし。」
「そーか、まー今回仕事終わるまではメシ代くらい
出してやるぜー」
「…なんか気前いいなクー。」

クーは胸をはって

「最近金回りがよくってよぉ、びんぼー人一人養う
くらいわけねーぜーぬっはっはっはっ。」
「くっそーー、なんかくやしい」

金のないリクオに言い返す言葉はない。

「そームキになんなって、今回当てれば俺とお前は大
金持ちさ!!」

そんなクーの視線がリクオの顔から少し下に移り

「うまそーなもんくってんじゃねーか、リクオぉ」

マックナイト・クックドゥー・サーモンマリネ丼。
リクオもそれn視線をむけ

「…食うか?俺いらねーし…」
「本当か?やりぃっ!!」

サーモンマリネ丼をうまそーにくいはじめるクー。


21時、もうすっかり夜だ。

リクオとクーはマリーノの町の南、ニングルの森を歩
いていた。

「リクオ」
「あん?」
「そろそろやすもーぜー…疲れた。」
「…そーだな。」

リクオは荷を降ろして座る。

「なあリクオ。」

クーも座り込み、ウォッカの入った水筒の蓋を
あけ、飲み始める。

「お前バッサーとはうまくやってんのか?」
「…バッサー?」

リクオの昔つきあっていた女である。

「…いや、だいぶ前にさよならしたぜ。」
「へー…なんで?」
「他に男つくりやがったのさぁー」
「ふーん…。」

クーはけだるそうに空を見上げ

「ま、お前のような風来坊じゃしょーがないか」
「てめえに言われたくねえ」
「だっはっはー。」
「そういえばクー、お前はどーなんだ?」
「え、俺?」

クーは首筋をかきながら

「今でも片思いさ。」
「おいおい…。」
「リクオは今はフリーなのか?」
「悪いかよ。」
「…いんや。」

クーはあくびをしながら

「似合ってるぜ。」
「…嫌味か」
「んにゃ、率直な感想。」
「…どっちもうれしくねえぇぇぇぇぇ」

そろそろ焚き火がきえかかってきている。


「ねえシャン。」
「うん?」

マリーノの南、セントアンドリューの町中にあるおし
ゃれな宿屋さん〜シェイク・スピア〜、ポニーテール
の女メルが宿屋に入ってくるなりフサフサのマダラ頭
にバンダナの女シャンにかけより

「知ってる?フェリスの町のトルストイって男がブル
ー・スプラッシュ手に入れたんだって。」
「…なにぃ!?」

ポニーのメルとフサフサのシャン、今でこそこの宿屋
を経営している二人ではあるが、その昔は二人組みの
盗賊「キタキツネのメルシャン」で世間を騒がしてい
た二人である。

「…どーするシャン、ブルースプラッシュだよ?」
「…盗みにいくか。」

シャンの拳に力が入る。

「そーいうと思った、でも私達はもう足を洗う
って決めたんだよ、宿屋もあるしぃ。」
「っっだーーっ!!盗みに行きてえのか行きた
くねえのかどっちなのよメル!!!」
「…行きたひ…。」
「じゃあ準備はじめよ。」
「準備っていわれても今お客いるし…」
「メドがつきしだいうちきって店しめるのよっ
!!」
「あいさーっ!!」


朝八時

「すかーーっ」
「…ん…ぐぐ」

リクオは腹部に何か苦しみを感じ、目をさます。

「…な…なんだ。」
「すかーっ。」

リクオは自分の腹部を見る、なんとそこにはクーの
頭があるではないか!とても気持ち良さそうに寝て
いる。

「こ…この野郎…。」

リクオはクーの鼻をつまむ。

「…ん…ぐぐ…ぐぐぐ…」

クーは苦しそうだ。

「ん…ぐぐぐ…ぐぐぐぐ」

とても苦しそうだ。

「…んがあ!」

さらに苦しそうだ。ついには目をさます。

「…がーーー…なにすんだよリクオぉ」
「うるせえ、てめーが俺をマクラにすっからだ!」
「んぐ!?わり、そりゃしらなんだ。」

むくっと起き上がり

「ほしにくあるぜー、くうかリクオ」


フェリス南、トルストイ・セントバーナードの屋敷

「この宝石は明日この大広間に展示する。死神さん
はそれの護衛をしてくれればいい。」

トルストイはブルー・スプラッシュを天に掲げる。

「ふん、金持ちのコレクターには自慢したがりが多
い物だ。」
「ふわっはっはっは、早くこの宝石を皆に見せてや
りたくてのぉ」

カリカの皮肉に全くこたえる様子のないトルストイ。

「素敵よあなた」

妻のカルナはうっとりとトルストイを見つめている。

「…ふん、まあ私は金さえもらえば文句はないのだ
がな…。」

そのころリクオ達は

「ぐがおーーーーーっ!!」
「ひいぃぃぃぃぃ!!」

クマに追われていた。

「ばっかやろーーーっ!なんでクマの餌なんか横取
りするんだ!!」

逃げながらクーの頭をはたくリクオ。

「だってうまそーだったんだもんよぉあの魚ぁー」

だんだんクマとの差がちぢまってくる。

「だー!てめー責任とってクマのエサになれ!俺逃
げるし!」
「あ、ひでーなリクオ、今までどんだけもーけさせ
てやったと思ってんだーー」
「知るかっ!!今くわれちまっちゃ意味ねーんだよ
っ!!」

二人がとやかく言っている中、前方から人影が見え
てくる。やたらと大きい女だ。その女には見覚えが
あった。

「ありゃあたしか…。」

黒く長い髪、異国風の武道着に真っ白のヘアバンド。

「…くま…でかいくま…うまそう。」

女は右手を軽くならし、くまに突っ込んでいく。

「がぁぁーーーーっ!!」
「あううーーーーーっ!!」

べきぃっという音とともに、女は拳をくまの頭
にたたきつける。くまは顔から血をふき、その
まま倒れる。もはやぴくりとも動かない。



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