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〜鐘を鳴らそう、お前の為に〜9 - サムス・アラン [6/4(Sat) 9:55]



〜鐘を鳴らそう、お前の為に〜9
サムス・アラン [Mail]
6/4(Sat) 9:55
十三時、トルストイの屋敷にて、パーティが開かれる。
会場では、色々なコレクションが並べられているが、肝心な
ブルー・スプラッシュが皆の前に現れるのは、夜、ダンスパ
ーティが行われた後らしい。
 
「…ジン様ですね?」
「う。」
 
屋敷の前でメイド風のお姉さんがジンに確認を求める。
 
「うしろの二人もつれてく、いいか?」
「…え。」
 
お姉さんは少し戸惑い
 
「少々お待ち下さい。」
 
と、奥へ駆けて行く。
 
「…大丈夫なのかジン。」
 
リクオが心配そうに聞くが
 
「大丈夫!」
 
ジンはそれの一点張りである。そして奥から再びメイドが現れ
 
「よろしいですよ、どうぞ。」
「うっじゃあ行く!」
 
そして、屋敷の中に入って行く3人。
 
 
屋敷の中はとても広く、様々な客がテーブルについている。
 
「じゃあ、この辺座る!」
 
どかっと手近なイスに腰を下ろすジン。
 
「やっぱりブルース・プラッシュってだけあって、沢山集
 まってんな。」
 
と、あたりを見回しながらリクオ達も腰を下ろす。そしてか
くメイド達が、様々な料理を配りだす。そしてほどなくリク
オ達のもとにもメイドが一人。
 
「お、来た。」
 
緑に輝く黒い髪をかきあげた、真っ赤なルージュが印象的な
メイド。そのメイドは、リクオ達を見て、一瞬凍るが
 
「良く来た…てくれましたお客、どうぞ楽しんで言って下さ
 い」
 
テーブルに料理を並べはじめるメイド。
 
「…美人だなぁ…。」
 
リクオはただ、見とれていた。クーはジト目で見ている。
 
「おーおー、鼻の下のばしちゃってやー」
 
と、クーはそのメイドを見ているが
 
「…ん?」
 
クーは何かを思い出し、いそいでメイドから顔を背ける。
 
メイドは料理を並び終え、その場を去る。
 
ーーー間違い無ぇ…アイツだ…
 
クーはガタガタ震えている。 
 
「う、何いまのメイド、無愛想で可愛くない。」
 
ジンは気楽そうに、料理に手をつけていた。
 
 
食事はかなり豪勢であった。
 
「えー、みなさん、本日はこのトルストイ・セントバーナード
 の為に…」
 
前でトルストイが何かを話しているが、リクオ達の耳には届い
ていない。そんな中、メイド達が食後のティーを配りだす。
 
「はいどーぞ。…はう!?」
「…う?…!お前、リザ!?」
 
メイドの顔を見るなり、目をまんまるくするジン。
 
「ジ…ジン、あんた今お仕事休暇中じゃなかったのぅ!?」
「う、そうだ。だからこうしてここに遊びに来た。」
「…あ…遊びに…。」
 
リザルーリャががくっと肩を落とす。
 
「はーそーいーわねージンちゃんはこんな所でくつろいでい
 られてー…」
「そういうお前、こんな所で何してる?」
 
ジンの言葉に、リザルーリャはぱっと手を広げ
 
「見ての通りよう、この幻のリザルーリャがメイドよ、メ・イ
 ・ド。」
「う?もうサガに従わないのか?」
「はうぅーーーーっ!!サガ様の命令なのよこれはぁーーっ!
 !!!」
「ふーん。」
 
わめくリザルーリャに、ジンは気のなさそうな返事。
 
からんっコトコトトト…。
 
ジンの手から、スプーンが床に転げ落ちる。
 
「おいリザ。」
「なによう。」
「スプーン落ちた、拾え。」
「……あん?」
「客がスプーン落とした、メイドのお前、拾え。」
 
ジンは優雅にコーヒーを飲む。
 
「ぐ…ぐぐ…て…てめぇねぇ…。」
 
肩をわなわなと震わせながらもスプーンを拾う。
 
「ほ…ほーら、拾ってあげたわよ、お客様っ♪」

ジンはリザルーリャの広い上げたスプーンを一瞥し
 
「スプーン汚れてる、洗って来い。」
「んくぅぅっ!?」
 
さらに顔がひきつるリザルーリャ、額の青筋がまた一本。
 
「しょ…少々お待ち下さいませ…。」
 
ひきつけでも起こしそうな笑顔で、奥へかけていく。
 
「…む…むごい。」
 
それを見ていたリクオは、リザルーリャの後ろ姿を哀れな
目で見送っていた。
 
「う、いつも人をバカバカ言うむくい。」
 
しっかり根に持っていたのか。
 
「…しかし、そろそろ爆発だぜあの姉ぇちゃんさ…。」
 
クーも、心配そうだ。
 
 
「えー、これはクリスタルマウンテンに行った時…」
 
トルストイの自慢話はまだ続いている。
 
「…お…お客様、スプーン洗ってきたわよ…♪」
「う?」
 
ジンはリザルーリャを見
 
「コーヒー全部飲んだし、いらない。」
 
と、軽くリザルーリャをあしらう。
 
「…て…てめぇ…百万回ぶち殺してやるわ…。」
 
リザルーリャが何かの魔法を詠唱し出す。
 
「うっ?やるかっ!?」
 
ジンががたぁっと立ちだすが
 
「ちょっとアータ!!!」
 
リザルーリャの詠唱がその叫びに遮断される。
 
「え…な、何よう」
 
リザルーリャの言葉がとどいているのか否か、ふとっちょ
メガネのキララさんがずかずかとリザルーリャの前へ来て 
 
がこんっ
 
「はがぁっ!?」
 
リザルーリャの頭に、100メガショックのげんこつをお
見舞いし
 
「なーにこんな所で油うってんのっとっととこっちきて皿
 洗いするっ!!」
「ひ…ひでぇわっ、あたしは犬や猫じゃねぇのよっ!?グ
 ロリアス帝国の法律に基づいて訴えるわよぅっ!?」
 
リザルーリャの言葉に、威風堂々と
 
「ここでは、アタシが法律よ。」
 
と、悪あがきをするリザルーリャにとどめを刺す。
 
「り…理不尽よぉぉぉぉっ!!!!」
 
キララにずるずるとひきずられていくリザルーリャ。あと
には、戦闘態勢のまま取り残されたジンが、何事かを理解
出来ないままそのまま立っていた。
 
 



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