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- 今を生き抜く獣達 〜麗しき闇の真紅の玉〜 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:32]
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〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - サムス・アラン [2/3(Sun) 23:25]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - puni [11/25(Mon) 23:10]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - GUM [11/30(Sat) 7:17]



〜麗しき闇の真紅の玉〜 終
サムス・アラン [Mail]
2/3(Sun) 23:25
 翌日

 報酬をもらったリクオはまだフェリスの町を歩いていた。

 「…ん?」

 ……ちょうどフェリス大聖堂の前、一人の女が立っていた。
 緑に輝く長く黒い、後ろで束ねられた髪、そして背中に背負った
 大きな槍。

 「ふんっ、元気そうだな黒猫。」
 「……なんだあ? 悪いがもう俺の手元にあのオーブは無いぜ?」
 「そうだろうな。」

 カリカはリクオの方に歩み寄り

 「デュオールとかいったか、あの魔族に伝えておけ、見つけ次第
  殺すと。」
 「……魔族…?」

 カリカはリクオの表情を見て取り

 「…貴様も知らなかったようだな。」

 そしてカリカはリクオの体をじろじろと見、

 「……貴様…体は……何ともないのか?」
 「体? ……べつに、……なんで?」
 「…い…いや、忘れてくれ。」

 カリカはリクオの横を通りすぎ

 「今回は私の負けだが、次は容赦しないぞ。」

 そう言い残し、その場を去って行く。
 リクオはカリカの後姿を唖然と眺めながら

 「……一体……何が言いたかったんだあいつ…」


 フェリス大聖堂沿い街路樹

 「デュオールが魔族…あのデュオールが…」

 宿屋のサロンで見た、やさしい彼女の顔を思い出す。

 「信じられねえ…いや、信じられねえが…」

 …そう、彼女が魔族であれば、悔しいがいろんな所でつじつまが
 合ってくる。…そして思う。

 「とてもやさしい目をしていた…。少なくとも、あれよりひどい
  人間なんか数えたらきりが無い…。…もしかしたら、根本的な
  部分は人間と大して変わらないんじゃないだろうか…。」

 
 フェリス大聖堂の鐘が鳴り響く。

 「いいお天気…。」

 フレアはフェリス大聖堂沿いの街路樹を掃除していた。

 「デュオール戻ってこないなー、どーしたんだろ…。」

 走行考えている中、一人の男が視界に入った。

 「あ、リクオさーんっ」
 「ん? ……ああ、あんたはフェリスの……」
 「おはよーございますー。」

 フレアはコクンと首をかしげ

 「あれー? デュオールさんはー?」
 「え? …さ…さあ、俺は報酬をもらったあと、その場で別れち
  まったけど…」

 リクオは少し考え

 「……なあ…」
 「なんですー?」
 「デュオールってさ、」

 リクオは言いかけ

 「……いや、何でも無い…」
 「えー? なんですかーっ?」

 うそであれ本当であれ、デュオールはデュオールだ。リクオは
 そう自分に言い聞かせる。

 「じゃな、気が向いたらまたよってやるよ。」
 「へんなのー、じゃねー。」

 フレアが元気に手を振る中、リクオはその場から立ち去る。
 
 それはまぶしいくらいに輝かしい、日のまぶしい朝の事であった。
  
 
 



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