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- 今を生き抜く獣達 〜麗しき闇の真紅の玉〜 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:32]
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〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - サムス・アラン [2/3(Sun) 23:25]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - puni [11/25(Mon) 23:10]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - GUM [11/30(Sat) 7:17]



〜麗しき闇の真紅の玉〜 23
サムス・アラン [Mail]
2/3(Sun) 23:01

 「……ここに住んでる奴って本格的にヤバいんじゃねーか?」

 館の中は暗く、赤黄色いランプの火が妖しく光っている。

 「たしかにヤバいですね、あれは。」

 こいつに言われたらおしまいだとリクオは考え込んだ。一体どん
 な奴なんだろうと。二人は黒い木の階段を登っていく。

 階段を登り終え、廊下を歩いて行くと、やがて黒く、しかし華や
 かな両開きの扉にぶちあたる。……が、その扉もひとりでに開く。
 
 部屋からは甘く、どこか不思議な妖しさを残す匂いが漂う。
 その部屋の奥に一人の人間が黒いイスに座っていた。

 「…………っ!?」

 リクオはその姿を見るなり、驚きのあまり声が出ない。

 「お久しデュオちゃん、約束の物は持ってきた?」

 女だ。腰まである長い黒髪、ビギニのような甲冑、半分出ている
 豊満な胸、そして左胸と左足の太ももそれぞれに黒い三日月。
 リクオはその女に見覚えがあった。

 「……キリストを…否定する女……」

 リクオはうめく。

 「あらん? あたしのこと知ってるのん? ……て、あのときの
  坊やじゃない。」

 そう、目の前にいるのは前の旅で出会った殺人狂の女ロスト。

 「あれ? お知りあいですか?」

 デュオールはきょとんとしている。

 「デュオールの友達とは思わなかったなさすがに。」

 リクオは身構えるが

 「ひくっ、なーにかたまってんのお? 心配しなくても殺したり
  しないわよん。」

 相変わらずアルコールくさい。

 「とりあえずこれ、渡しときますね。」

 デュオールはクリムゾン・デモンズオーブをロストに手渡す。

 「うれしい、これ欲しかったの。」

 ロストはオーブにほお擦っている。

 「……なあ…あんた……」

 リクオは今だに警戒をとかない。

 「ロストってよんで、…で、何?」
 「なんで…生きてんだ?」
 「聞きたいー?」

 前の旅で確かにロストにとどめを刺したはずだ。頭をダガーで
 ぶちぬかれて生きている人間なんてまずいないだろうが、目の
 前の女は確かに生きている。…傷後らしきものも見当たらない。

 「ふふ、あらひは特別らの、そう、ただものじゃないわ。」

 見ればわかる。ロストはリクオの首に腕を絡めて行く。

 「んふふ、あの夜のあのひと時は楽しかったの…忘れられない
  わん。……特にあなたに頭をぶち抜かれた時は最高だったわ…」
 「な…なにすんだ、はなせよっ」

 リクオに胸を摺り寄せ首筋を舐め始める。

 「あなたみたいな遊び相手が欲しかったのん。」

 ロストの右手が、じょじょにリクオの体の下のほうへと降りて行く。

 「お…おいデュオール、何とかしてくれよっ」

 しかしデュオールはちょっと赤面で横を向いている。

 「リクオさんの……バカ…」
 「ちょっと待てええエーーーっ!!」
 「うふふ、逃がさないわよん。」

 リクオを床に押し倒し、上にまたがる。

 「うふふ…それじゃ、そろそろいただいちゃおうかしらん。」

 肩パッドをはずそうとしたそのとき…

 「…んあっ!?」

 ロストの首筋に光る物が突き付けられていた。
 



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