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- 今を生き抜く獣達 〜麗しき闇の真紅の玉〜 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:32]
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Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - puni [11/25(Mon) 23:10]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - GUM [11/30(Sat) 7:17]



〜麗しき闇の真紅の玉〜 22
サムス・アラン [Mail]
2/3(Sun) 22:56

 漆黒の館 門前

 門に銀色の鐘がぶら下がっている。おそらくはこれを鳴らして中
 の人間を呼べと言う事なのだろうが門と館の距離を考えて、こん
 な物を鳴らしたところで聞こえるとは考えにくい。
 デュオールはその鐘に手をかけ
 
 カラン…カランカラン…カランカラン…カラカラカラン

 なんとなくリズムを感じさせるような鳴らしかただ。…すると、
 ぎぎ〜〜っと門がひとりでに開く。

 「…………!?」
 「さあ入りましょう。」

 驚くリクオにおかまいなしに中に入っていくデュオール。……
 おそらく慣れているのだろう。
 「ま…まてよ…」

 リクオもすかさず後を追う。

 二人が門から中に入って程なく…

 ギギ〜〜〜…ガチャン

 「うおっ!?」

 門がひとりでにしまり、何故か空がだんだんと暗くなってくる。

 「こ……こええよ……」
 「ふっ、基本ですよ。」

 基本なのか。アンデッドの類には多少は慣れているリクオだが、
 これはそれとは違った、
 いわば未知なる恐怖というものだ。
 
 本館への道の両端には青黒い木々が生い茂り、いくつかの墓も
 たっている。そのなかで目に付くのはひときわ大きな焼却炉だ。

 「……全く、いい趣味してんぜここの住人。…どんな奴が住ん
  でんだ一体…」
 「見れば納得しますよ。」
 「……知り合いなのか?」
 「私の友達です。」
 「友達かぁぁぁぁぁっ!!!」

 そうこう言っている内に本館につく。青暗い闇が漆黒の館を
 妖しくつつむ。


 「はあ…はあ…はあ…」
 「……ふんっ、中々やるな。」

 体中傷だらけのジンと、ジンに比べればかすり傷程度のカリカ。

 「だが、これで終わりだっ!!!」
 「…うっ!?」

 カリカの槍がジンの首を狙う。その速さは今までのものと比較
 にならず、槍先が見えない。

 ……死神のさばき……今までにこれをかわせた者は誰一人存在
 せず、首をはねられた事に気付くことなく死んでいったものも
 多い事だろう。

 そしてその槍はいともあっさりとジンの首を跳ね飛ばした。
 ……そう、跳ね飛ばしたはずだった。しかし…

 「…なにっ!?」

 ジンの姿がうすれ、消えて行く。何が起こったのか解らず、
 しばらくその場にたたずむが…

 「……幻術のたぐい…か。」

 地面にのびていたはずのリザルーリャのすがたが無い事を横目
 で確認し、

 「…私としたことが、女狐にまんまとばかされたわけだ。」

 カリカは怒る気にもなれず、むしろあきれ返っている。
 ……赤い夕日が漆黒の館を美しく照らし続けている。

 



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