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Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - puni [11/25(Mon) 23:10]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - GUM [11/30(Sat) 7:17]



〜麗しき闇の真紅の玉〜 20
サムス・アラン [Mail]
2/3(Sun) 22:47

 魔導士村

 神秘的な魔道の里。年々建物が作り変えられていき、徐々に村か
 ら町へと発展しつつある。

 「……ついたな。」
 「ええ、では早速このオーブを渡しに行きましょう。」

 カース・オーブが怪しく光る。リクオは手を振り

 「…俺の仕事はここまでだ、じゃーな。」
 「ふっ、何を言うのです。」

 リクオの手をしっかりと掴むデュオール。

 「…な、なんだよ、たしか俺の仕事はあんたがここにたどり
  着くまでの間の護衛だろ?」
 「せっかくここまで来たのです、オーブを手渡すだけなんですし
  ついてきなさい。」
 「……本当にそれだけなんだろうな…。」

 嫌な予感が拭い切れないが、しぶしぶついて行く事にした。
 ……なんといっても晴れのちときどき流星である。


 十六時 魔導士村中心核

 「もうちょっとオドロオドロしてると思ってたけど、意外と
  シンプルだな。」

 いろんな店を覗き見ながら感心するリクオ。それぞれとても独特
 でシンプルな建物が多く、店の中も個性的な美しさを保っ
 ている。……たまに来るぐらいなら良いところだろう。

 ……そんななか、一つ巨大な洋館がある。真っ黒いいかにもな
 建物である。

 「あれなんだ? えらく怪しい建物だが……」
 「ふっ、あれこそが私達の目的地ですよ。」
 「……マジかよ…」
 「マジです。」

 ますます気が乗らなくなったリクオ。何で俺はこんな仕事を引
 き受けちまったんだろうと。…考えていても始まらないので、
 仕方なくそこへ向かう。
 
 その洋館が見えてきたあたりで…

 「はぁい、待ってたわよてめーら。」

 左横の木々から一人の女が出てくる。金と赤のマダラなポニー
 テイル。

 「待ちくたびれた、早速つぶすっ!!」

 右横からはやたらとでかい女。大槍を手にしている。

 ……おいおい、今度はなんだぁ?

 うんざりしているリクオにはかまわず、ポニーテイルの女
 リザが、口の中でもごもごと呟き、手を横に振る。

 ……すると

 ズゴゴッッ

 「……っ!?」

 すごい音と共にデュオールの足元を炎がえぐる。

 「命が惜しくばあんたのもっているクリムゾン・オーブ渡しなさ
  いっ!!」

 びっ、とデュオールを指差す。

 「ふっ。」

 デュオールもまけじと口の中でもごもごと何かを唱え、両手を
 広げる。

 かーん。

 「…ぺぐっ!?」

 何故か金属製のバケツが上空からリザの頭を襲う。……相も変
 わらず論理を無視した魔法だ。

 「命が惜しくばおとなしく道を開けるのですッ!!」

 びっ、とリザを指差す。……大女のジンはげらげらと笑っている。

 「……ぐ……ぐぐ…、百万回ぶち殺してやるわあんた。」

 紅い唇がぴくくっとひきつっている。

 「この幻のリザルーリャをここまでナメてくれたのはあんたが初
  めてよっ!!」

 リザは本格的に何かを唱え始めている。大女の方も大槍を構え

 「豪極のジン……よく覚えとけっ!!!!」

 そして槍をぶん回しながら突っ込んでくる。

 「ぐうっ!?」

 ジンの槍をかわしたリクオに炎の塊が突っ込んでくる。

 「あぶないっ!!」

 リクオのわき腹をデュオールがおもいっきり蹴飛ばす。
 リクオはその勢いに乗って反射的に横に跳ぶ。
 その横を通りすぎた炎の塊が一本の木をなぎ倒す。

 ……こいつぁ不利だ。

 リクオはそう思ったが、悩んでいる暇は無い。

 「うがぁっ」

 ジンの槍が今度はデュオールを襲う。

 「くっ」

 ぎりぎりでそれをかわし後ろへ跳ぶ。

 「あまいっ、これでおしまいようっ」

 そこへすかさずリザルーリャの炎の矢がまっすぐ突っ込んでくる。

 「うらあっ!!」

 リクオはとっさに、さっきの鉄バケツを拾い炎の矢にぶつける。
 …それはみごと炎の矢にぶつかり、ドロドロに溶ける。

 「……冗談じゃねえぞ……」

 リクオは腰からダガーを取り出し

 「……やらなきゃ…殺られる…。」

 リクオは狙いを定め、リザに向かって一直線に突っ込んで行く。

 「おバカねえ、あたしに傷一つつけられるとでも思ってるの?」
 「だあああっ!!!」

 リクオの稲妻のようなするどく、そして素早い一撃。ダガーが
 リザの胸に深々と突き刺さった……かのように思えたが

 「……っ!?」

 リザルーリャの姿がうすれ、消えて行った。
 
 「こ・こ・よ♪」

 後ろから声がした。いつのまにかリザはリクオの真後ろに
 立っていた。

 …………幻術かっ!?

 しかし、気付いたときにはもう遅い。

 「祈りなさい、天国にいけるようにね。」

 リザの手の中の炎が徐々に膨れ上がる。

 「リクオさんっ!!!」

 デュオールが叫ぶ。……しかしジンがデュオールを襲う槍の手
 をゆるめる気配は無い。

 「……ちくしょうっ!!」

 リクオは振り向きざまダガーを投げつける。

 「んのっほっほっ、無駄よ。」

 リザルーリャも手にしていた炎を放つ。……そしてその炎は
 ダガーが飲み込み、なおもリクオに向かって突っ込んでくる。

 …………やっぱり駄目か…、ついてねえなあ……。

 今度こそリクオは天に祈った。……次に生まれ変わるなら、
 自由気ままに生きる本物の黒猫にでもと。

 ……リクオはゆっくりと片ひざをついた。

 一条の流星が流れる 青銀色に輝き とても美しく そして 
 それは静寂かつ 見る人を安心させる 力強さを持っていた

 ……流れ星か……叶うといいな、俺の願い事…。

 小さなころ、リクオの師匠が教えてくれた。流れ星の一瞬の閃
 きは、人を幸福にする力を持っていると。リクオはそんな物は
 信じていなかった。

 …今の今までは。リクオのはそれはとても長く感じた。流星が
 流れ、……そして消えるまで……。



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