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- 今を生き抜く獣達 〜麗しき闇の真紅の玉〜 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:32]
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〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - サムス・アラン [2/3(Sun) 23:25]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - puni [11/25(Mon) 23:10]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - GUM [11/30(Sat) 7:17]



〜麗しき闇の真紅の玉〜 9
サムス・アラン [Mail]
2/3(Sun) 21:37
 
 「……なあデュオール。」
 「ふっ、なんです?」

 一画をまがりジンが追ってこないことを確認し、スピードを徐々に
 ゆるめる二人。

 「何とか逃げ切ったみたいだけど……なんか魔法でも使ったのか?」

 リクオの疑問にデュオールは髪をかきあげ

 「……たしかに使いましたが……はて、一体どこで…」
 「なにをやったんだ?」
 「はい、実はですね、はこをあけるとあらびっくり、華やかなク
  ラッカーと共に鳩が複数和羽飛び出します。
  新入生歓迎会などに……」
 「手品かああぁぁぁぁっ!!!」

 デュオールに後ろからアクスボンバーをクリーンヒットさせる
 リクオ。
 ……そのときふとリクオはある瞬時目に触れたものの事を思い
 出していた。

 「……そーいやなんかどこぞのじーさんがぶっ倒れてたよーな……」

 マリーノの町はあいも変わらず活気に満ち溢れている。


 二十時

 リクオとデュオール、二人はあれからしばらく歩き、マリーノの
 町から南、港町セント・アンドリューにつく。
 ……いや、今回は別に船に乗るわけではないのだが……。
 あたりはすっかり暗くなり、街の人々も徐々に減って行く。

 「今日はそろそろどこかで休みましょうか。」
 
 デュオールはふうとため息をつきそう呟く。
 ……さすがにクマの着ぐるみをきたままの長歩きに疲れたのだろう。

 「……そろそろ俺の服返してくんねーかな…はずかしーんだけ
  どサ…」
 「ふっ、仕方がありませんね、ならばすぐに上流な宿屋を見事
  見つけて見せるのですっ、さもなくば貴方の服の命はありま
  せんっ!!!」

 …………ああ、また町の人間達が変な目で通りすっぎていく…。
 上流の宿屋……、一般的に言う高級ホテルの事を差すのだろう
 か、という分かりきった事を聞く気にもなれず仕方なく探し始
 める。

 二十一時 おしゃれな宿屋さん〜シェイク・スピア〜

 「お客さん来ないねー、シャン。」

 カウンターに寝そべっているポニーテールの女。そして

 「そりゃサラマンダ(火)の日だもん、時に特別な日でもない
  しねー。」

 テーブルに両足をほうり出しくつろいでいつのはふさふさの頭
 に緑のバンダナを巻いた女。
 髪の色は赤、銀、青のマダラ。かったるそうに紫煙草をふかし
 ている。

 いろんな花や人形が飾られた宿屋。

 …別に毎度暇なわけではない。季節や場合によっては笑いが止
 まらないくらいに儲かるときもある。

 「……ねーシャン、……今月の売上どう?」
 「んー?」

 マダラ頭の女シャンはすかーっと紫煙の煙を吹き出し腹をカ
 リカリとかく。

 「自分で見たら? 口に出す気にもならないわよ。……あー
  腹痛て。」

 ……ただ、現在はちょうど儲からない時期らしい。
 二人がだるそうにしていたちょうどその時

 カランコロン

 店の入り口が開く音。

 「あん? 客かしら……メル、ちょっと見てきて。」
 「うん。」

 ポニーテールのメルが着たままのエプロンの紐をぎゅっと締め、
 とてとてとかけていく。

 「いらっしゃいま……はぐぁっ!?」

 宿屋の店員がデュオールとリクオ、二人の姿を見るなり後ろに
 よろける。

 「んー? どうし……はがぁっ!?」

 奥から出てきたマダラ女も紫煙草をくわえている事も忘れ、ぽ
 かんと口をあける。

 「……そんなに変か俺ら……」
 「ふっ、天才とはなかなか理解してもらえないものなのですよ。」

 そう、リクオとデュオールは猫とクマのままである。
 シャンはよろめきながらもなんとか起きあがり

 「……な……なによあんたたち…何かの勧誘なら間に合ってる
  わよ?」

 うさんくさそうに交互に二人を見る。

 「……一晩泊まりてぇ。」

 リクオはただ、そう答えた。

 「……は?」

 肩眉を吊り上げ耳を傾ける。

 「……だからよ……一晩とめてくれよ…」
 「……客なの…あんたら……」

 俺達って一体何に見えるんだろう…、ふとリクオはそんな事を考
 えては見たが、いくつか思い浮かび……、そしてその事について
 考えた事を後悔した。

 「……どうするシャン。」

 シャンに問うメルのその瞳は決してかかわらない方がいいと告げ
 ている。…しかし

 「……どうするって…泊めるしかないじゃんさあ。」
 
 メルの言いたい事は分かってはいるのだが、しかしシャンはその
 期待には答えられない。

 「…でも…この人たちなんかアヤシイよぉ?」
 「あんた宿屋の鉄則を忘れたの?」

 シャンはメルの肩を抱き天を指差す。

 「どんな客であれ、客である以上身の安全を保障し、快適な一夜
  をおくってもらわなければならないっ!!」
 「…そのための宿屋です。」

 と、メルも何故かみけんに指を当て、低い声で呟く。

 「よっしゃ、分かったならテキパキと用意するっ!!」
 「らじゃーっ!!」

 ……なんか変わった宿屋だなとリクオは思った。
 ……故人いわく、類は友を呼ぶという言葉がある。
 
 



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