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- 今を生き抜く獣達 〜麗しき闇の真紅の玉〜 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:32]
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〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - サムス・アラン [2/3(Sun) 23:25]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - puni [11/25(Mon) 23:10]
Re:〜麗しき闇の真紅の玉〜 終 - GUM [11/30(Sat) 7:17]



〜麗しき闇の真紅の玉〜 4
サムス・アラン [Mail]
2/3(Sun) 9:49
 ……翌朝八時。

 マリーノの町にある伝説の木(マリーの大聖樹)の下でデュオール
 と待ち合わせていたのだが………しかし。

 「……あ、リクオさーーーーん、おーい、やっほー、そこのアナタ
  ですよバンダナピアスの。」
 「…………ちっ……」

 他人のふりをしようとしたが大声で呼び止められる。
 伝説の木の下で彼女は待っていた……淡く白い木枯らしに抱か
 れて………その彼女の姿が…

 「……さ……最近の魔導士ファッションかい……?」

 ……クマである……だからクマなんだよ……、彼女はどういう
 わけかクマの着ぐるみを着ている。

 「ふっ、何を寝ぼけた事をぬかしているのです、こんな魔導士
  の衣装なんてあるわけないではないですかっ。」

 …………たしかにそうだ…が、しかしお前に言われるとなんか
 ムカツク………。

 「…じゃあなんだよそのカッコ……」

 問われてデュオールはピシッとポーズをとり

 「敵の目を欺くための変装に決まってるじゃあありませんかっ。」

 …………やめてくれ……一緒にいる俺が恥ずかしい……

 「ふっ、なーに、心配しなくてもすでにアナタの分も用意してあ
  りますよ。」
 「ふー、なーんだ。…………て、俺もやるんかぁぁぁぁぁぁぁぁ
  ぁっっっ!!」

 そんなリクオにおかまいなしに袋からガサゴソと何かを探り出し

 「今すぐ駆け足でこれを着て来てください。」
 「……な……なんだよこれ…」

  それはバニーガールスーツに近いキャットボーイスーツだ。

 「ふっ、『黒猫の盗賊』をモチーフに私がデザインして作りま
  した。」
 「……い……いつのまに……」

 しばらくうめくリクオだが……

 「わりぃ……かんべんしてくれ……」
 「駄目です。」

 しかしデュオールは一歩も下がらない。

 「……やだよこんなん着るの……」

 しかしリクオのその言葉にデュオールは指(クマの手)をリク
 オの胸につきつけ

 「アナタは仕事を引き受けたプロの冒険者、依頼人は私です。」
 「…………ぬう……」

 通り名のついた冒険者のつらい所は、仕事を一度引き受けたから
 には依頼人の言うことは絶対に聞かなければならないことだ。
 もし、依頼人の言うことを聞かなかったり仕事を途中で投げ出し
 たりするとすぐに悪い噂が広まってしまうと言うことである。

 「……ま、一度は引き受けちまったんだ…しょうがねえ……」

 リクオはしぶしぶとキャットボーイスーツに着替えに行く。
 デュオールはそんなリクオの後姿をながめながら

 「……若さ……それは青い春…刻となるは…すなわち思春……」

 一人思いにふける黄昏のクマ……見てみぬふりをす一般人、
 指差し笑う子供たち……珍しげに見るご老人…マリーノは今日も
 いろんな人達で賑わいを見せていた。

 



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