西方暦1064年
それまで犬猿の仲であったエステルランド王国軍とブレダ王国軍は醜悪なオーク達の集団 『北荻』が大南進を行う事により、仕方なく結束した。 だが、この結束は長年に渡ってあった両国の溝を埋め、緩やかな信頼に結ばれた。 49年の長い間北荻の手に落ちていたヘレン・ベレクフリートを奪還した時、人々は長い戦乱が終わり、両国の間で恒久的な和解が行われるであろう予感に包まれていた。
西方暦1065年7月
ブレダ王国国王ガイリング二世は一挙に北荻の害を取り除かんと北荻の大征伐を計画。
エステルランド王国のアンセル王子も賛同し、『北荻大征伐』が実施された。
両国の期待を一身に注がれた遠征軍は数々の武勲を立てながら順調に進撃した。
そして、西方暦1065年10月
それは例年より早い冬の始まりだった。 ちらほらと舞い始めた雪に、ブレダ・エステルランド連合軍はヘレン・ベレクフリートのシルトマウアー要塞へと撤退準備を始めていた。
さらにこのまま進撃すべし、という声も上がったが、冬の戦争は成功しない。 雪に足を止められる前に一時撤退しようとアンセル王子は提案し、ガイリング二世も賛同した。
己を魔神と称するハイ・オーク カアスは、そんな両軍の緩んだ空気の中に電光石火の進撃を行った。
ガイリング二世とアンセル王子はその混乱の中、行方不明となり、たちまち連合軍は総崩れとなった。 北荻は今までの借りを返すとばかりに猛烈な追撃を行い、その執拗な追撃に連合軍は甚大な損害を出し、あの誇りに満ちた士気は完全に打ち砕かれた。 シルトマウアー要塞にて総崩れの知らせを聞いた『小覇王』リーズはただちに総崩れとなった軍を再編成し、援軍を要請。
しかし、連合軍が再編成され、援軍がヘレン・ベレクフリートのシルトマウアー要塞に到着するまでかかる日にちは20日間。
そして、魔神カアスの軍はわずか10日でシルトマウアー要塞にやってくる――!
そして、連合軍きっての剣聖 ガリウスに撤退する軍の殿を務めるようにとの命令が下される! 連合軍の生命はガリウスの手に委ねられたのだ。
ブレイド・オブ・アルカナ
「絶望の二十日間」
アルカナの刃よ、闇の鎖を打ち砕け!
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