アルフリート、ハンター。金髪、碧眼。身長185、体重74。 ハンターライセンスレベル83。男。 特徴、至極真面目。
アルフリートは緑深き森の中から悠然とそびえ立つ馬鹿でかい建物を見た。そして、それには金属を打っては跳ねる金属音と痛々しい傷跡が同居していた。 人類の希望、パイオニア達の象徴、生存への渇望。 セントラルドーム。
アルフリートは感傷に浸るのをやめた。思えば戦いまくった日々であった、しかしそれもパイオニア3が来てしまえば終わり、自分は普通に仕事を果たせば終わり。 五感に集中し、周りを索敵。手元のレーダーに生体反応があるが、そんなものを頼りに戦うことなどアンドロイドでないアルフリートはできない。 一番頼れる五感で敵を捕らえ、フォトン兵器を叩き込む! それがアルフリートの信条だ。 ガササ アルフリートの聴覚は茂みを速く動かした音に気づいた。 速い。少なくともこの森に前まで住んでいた原生動物とは格が違う動きだ。連中は食欲で動く、そのためもう少し慎重に間合いを詰めてくる。しかしこいつらは違う。 純粋な殺意だけで動いてきた。躊躇なんて元から無い様に速い動きだ。
アルフリートは手元から金属筒を取り出すと、スイッチを入れる。即様それは黄色のフォトンの刃となった。グラディウスと呼ばれる兵器だ。 単体に対してとことん強い攻撃力を持たしたこれだが、唯一の弱点がある。 ハンター達は大抵複数を相手にするということだ。
アルフリートの五感はそれが複数であることを確認した。 アルフリートは確認した途端動いた。 茂みの中にグラディウスを一閃。 茂みの中でアルフリートが見えない「そいつら」の一人はアルフリートの不意打ちに容赦無く頭部をフッ飛ばして倒れた。地面に紫の血痕を残す。 「そいつら」の反撃は速かった。刃の手でアルフリートの髪を掠って一撃、彼がもういない地面に一撃。 金髪が一房舞う。 攻撃がいったん終了、その隙に「そいつら」の片方に風となって懐に飛び込む。 もう片方からは相棒の体が邪魔になって攻撃できないはずだ。飛び込んだ「そいつ」の懐からアルフリートは超至近距離の斬撃。振ろうとした右腕が袈裟切りで飛び、返す刃で腹にフォトンの刃を食い込ませる!絶命の感触! 抜く動作で後ろに下がり、もう一人になった「そいつ」の攻撃をよける。 それからはもうアルフリートの一人舞台だ。 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 精一杯の咆哮、存在の主張、強さの強調。 胸、頭、腹。斬撃、突き、返し刃。 秒とかからぬアルフリートの三連斬撃は「そいつ」を肉のスクラップにする。 戦闘の興奮を、アルフリートは蒸気混じりの溜め息と共に捨てる。肉体は触れれば火傷しそうなほど熱くたぎっていた。 表情が一瞬だけ、驚く。だが、戦いを生業とした「ハンター」は表情を押し込めて言った。 「後何匹土に返せば終わるのだ?ラウドめ、どこが簡単な仕事だ」 アルフリートの言葉は彼の五感が「そいつ」をあと十数体見つけた事を示す。 茂みから「そいつ」が現れた。この緑深き清浄なる森には「そいつ」はあまりにも不浄だった。 アルフリートは肉体がたぎるのを感じた。 「そいつ」はディメニアンだった。 「いいだろう」 アルフリートは逆袈裟にグラディウスを振る。たぎりがもたらす破壊衝動は、 「貴様等は」 彼に戦闘の続行を了承し、 「ここまでと知るがいい」 彼を死神と変貌させた。
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