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時を越えた宿命〜第5話〜その01〜
Gum [Mail]
1/4(Sat) 12:36
     PSOオリジナル小説「時を越えた宿命」
     《第5話:衝撃の森〜後編》



 ここは評議員と一般人が面会するウェイティングルームの一室。 

 既に昨日のうちにハンターズギルドから届いている割り振り表から
フィオナ達の班とレオン達の班はそれぞれの担当エリアを確かめる。

 「一昨日までのエリアを便宜上エリア1、今日の分をエリア2としよう。
 ギルドの情報によるとエリア2の終わりにセントラルドーム内に行けるトランスポーターがあるということだ。」

 フィオナ、レオンは各々自分たちのパーティーに説明していく。
レオンはシンシア、シヴァンに、次の様に告げる。

 「そういえば、あるポイントを捜索したハンターズ達の報告によると
 このパイオニア2の総督の娘、あの有名な『レッドリングリコ』のメッセージパックが見つかったそうだな。
 その者達が言うにはその者たちの担当エリア内に転々としていたそうだ。
 我々が全員セントラルドームまでたどり着いた時点で
 そのポイントの担当のものでなくてもメッセージパックを見に行ってもいいらしい。
 まあ見に行か無くとも、その内容はデータとしてギルド内に記録されている様だがな。
 いつでも閲覧は可能らしい。暇なときにでも見ると良いかもしれない。」

 そこに、クラインが入ってきた。クラインは皆が揃っているのを見て口を開いた。

 「何人かのハンターズが戦闘不能になったおかげで、君達の担当エリアも広くなった。
 今度のエリアはあの爆発の爆心地・・・・・つまりセントラルドームにどんどん近づいて行くことになる。
 気をつけてな。」

 クラインはそう言うと、皆を送り出す。

 「それじゃ行ってきます。」

 そう行って、7人の冒険者が部屋を出ていった。クラインは見送る。

 


 「あの人達がそうなのね・・・・。」

 その声にクラインが振り向くと、 部屋の奥に続く別の部屋に居たであろう女性が2人クラインのそばに来た。
一人はシンディー、もう一人は長い緑色の髪が印象的な女性だった。

 「来てたのか・・・・サムス。」

 「ええ・・・・。あの人達とクラインが知り合いで居たことは、大変な幸運ね。
 あの7人は既に、いくつもの組織から狙われているわ。
 私は前からあの7人のうちの何人かに目をつけていたけど、まさか全員がクラインと知り合いとは思わなかったわ。」

 「ああ、まさかあいつらがサムスから知らされていた者達とは思わなかったからな。」

 「結果的に、7人ともあなた達評議員と私達の管轄下になったからには、もう大丈夫よ。」

 「そうだな。まあ『例の3人』はかなり強いからいざとなっても大丈夫だろう。」

 「ええ。でも私は7人全員に幸せになってもらいたいわ。本来、人は皆幸せになる権利を持っているものよ。
 私利私欲の為にそれを奪う権利は誰も持っていないわ。私はそんな人達を絶対に許せないのよ。」

 クラインは普段見せないサムスの一面が一瞬だが現れたことに背中が凍りつく様だった。
それほどの殺気がサムスから発されていたのだ。
もっともそれはほんの一瞬で、すぐにいつものサムス・アランに戻っていたのであるが。

 「それじゃ、また来るわね。クライン。今度は私にもあの人達を紹介してくださらない?」

 「ああ、勿論だ。」

 「うふふ・・・・。」

 うす笑いを残してサムスの気配は消えた。クラインは複雑な思いで自室に戻る。

 『やっぱりあの噂は本当なのだな。サムス自身も相当のレベルだというあの噂。あながち間違いでもあるまい。』



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