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時を越えた宿命〜第4話〜その3〜
Gum [Mail]
12/4(Wed) 23:40

 フィオナ達は、レオン達と分かれたあと建物に、2人づつに分かれて調査をしていった。
フィオナと、ウィル。ラルフとクレイと言う組合せだった。

目にとまった建物に入る。部屋を調べながら、二人は会話を続ける。
廊下を歩きながら、部屋の内部を探索しながら、二人の会話は続く。

「クレイよ〜。お前、いつの間にあんな子と仲良くなったんだ?」

「お前さんが親父さんに呼ばれてて、しばらくいなかったときだよ。」

「全く。こっちは大変だったんだぜ?うるさい親父と口論になっちまうしさ。」

「ハハハ、こっちもいろいろあったけどな。」

「ふ〜〜〜ん。・・・・・・・・あ、クレイ、教官から聞いたけどさ。
 お前、昔、裏社会じゃ有名だったんだって?
 何でも、裏社会にその人ありって言う程の顔役だったって言うじゃないか」

クレイは一瞬とぼけようかと思ったが、正直に話すことにした。

「別に黙っていたわけじゃないさ。聞かれなかったから答えなかっただけだ。」

「それで、強いわけだな。一言くらい言って欲しかったね。パ−トナ−なんだから。」

「いや、俺がそれを言うことでお前に迷惑が及ぶのが嫌だったんだ。・・・・・すまんな。
 もし、怒ってるなら殴るなり何なりこの場でしてくれ。」

 調査中の家の中でどっかりと座り込むクレイ。

「いや、怒ってないって・・・・・。」

「そうか。ならいい。」

「いや、色々気を使ってもらって、ありがとう。」

一通り建物の中を見ると、外に出た。建物の前に出ると、木陰からブ−マが出てきた。

「3匹だ。2匹引き受ける。残りは任すぞ。」

言うや否やクレイは消えた。ラルフの方には1匹が寄ってきた。すでに道の向こうでは、クレイが残りの2匹を引き付けていた。

「全く。無茶する奴だぜ。」

ラルフは渾身の一撃でソ−ドを降り下ろす。ブ−マは手を振り上げ、それを受け止めようとしたが、ラルフはそのまま押し切る。
ブ−マは手から真っ二つになった。

「ヒュ〜。ラルフもやるじゃん。」

クレイはわざとゆっくりと動いていたが、ラルフがブ−マを倒したので本来の動きに戻る。
ブ−マは、クレイの動きの緩急の差が大きいため、クレイの姿を見失っていた。
ブ−マがクレイの姿を見つけたときには、既にそのブ−マの首が胴から離れていた。
残った一匹は、すれ違い様に手にしたダガ−で首筋を斬る。
そのブーマも大量の血を流しながら、断末魔の悲鳴を上げ地に伏した。

「クレイ、実は強いじゃん。」

「お前もな。」

お互いの力を確認し、パ−トナ−として絆を強くする二人だった。



フィオナとウィルは、クレイ達が入って行った建物の隣の建物に入っていた。

「何でだれもいないかねえ。」

「そうですねえ。」

ウィルは、フィオナにひっついて進んでいる。怖いのだろう。フィオナはクレイから裏事情をすでに聞いていた。
そこで、フィオナにはあるひとつ思いついたことがあった。ただ、それを何処で実行するか。それが気がかりであった。

建物中はあらかた調べ終わった。庭に出て、倉庫を調べる。広い倉庫の中には、やっぱり人の気配はなかった。

「いないですねえ。」

 「いないねえ。」

この建物の敷地内には、ぽつんと一つだけ、離れのようになってる比較的小さい建物があった。

その小さな建物に入る。そこは、立派なバスル−ムだった。

そのバスルームの中は、今の時代には、めったに見ないようなものだった。
シャワ−だけじゃなく、お湯を貯めて中に浸かれるようにもなっている。
二人とも、倉庫を調べたために埃だらけだった。

 フィオナは本来は禁止されている行為だが、構わず脱衣所に入っていく。

「ウィルちゃん。ついでに埃、おとしちまおうか。」

「え・・・・?はい?」


二人は服を脱ぎ始める。フィオナはウィルのからだのあるところを見る。

『やっぱり、あるな・・・・・。』

それは、ウィルが創られた培養装置を示す個人識別証だった。それこそ、フィオナが調べておきたいと思ったものだ。

「ウィルちゃん。その痣、どうしたの?」

突然、フィオナに聞かれて、ウィルはビクッと体をこわ張らす。

 「え?なんのことですか?」

 ウィルはとぼけたが、フィオナには通用しない。

 「とぼけなくても良いよ。私のここ。・・・・見てみな。」

 そう言い、フィオナはある場所を指差す。

フィオナのからだの ウィルの識別証がプリントされているとこと全く同じところに
ウィルのものと、あまり変わらない形の識別証があった。

「え?フィオナさん・・・・・・これって、いったい・・・・・」

「私も、あんたと同じって事さ。あんたの事は、クレイから聞いている。
 私の事もクレイは知ってる。だから、クレイはあんたの事を教えてくれた。」

「あの・・・・・・。」

 ある一言を聞きたかったウィルであったが、それはやめた。

 「ん?なんだい?」

 「いえ・・・・。誰か一人でも生きてると良いですね。」

 ウィルは別の一言でごまかした。

 「ああ、そうだな。一人くらい生きててくれれば、何があったか分かるかもしれないのにな。」

 フィオナは、ウィルの言葉の誤魔化しには気が付いてなかったが、何か変だなとは思っていた。
 
 二人がシャワ−を浴び、湯船にゆっくり浸かり終わり、服を着終えたときに、通信機がなる。
レオンから、シャワ−を浴びていいかというものだった。もちろんフィオナが断るわけがなかった。

 一緒にお風呂に入ったことによってか、フィオナとウィルは仲良くなった。


 二人が外の道に出たとき、ちょうどラルフとクレイが戦っているときだった。

 「ラルフさんもクレイさんも、強いですね。」

 「アンタにとってはクレイが強いのが嬉しいんだろ?」

 「え・・・・・そんな・・・。」

ウィルが耳まで真っ赤にしながら、口ごもる。
そんなウィルを暖かい眼差しで見ていたフィオナだが、まだそこらじゅうに敵の気配を感じた。

 「あいつ等ばっかりに戦わせてちゃあ、いられないね。ウィル、いくよ。」

 「はい。」

クレイとラルフが3匹倒し終わったとき、フィオナとウィルが近づいてきた。

4人が合流したとき、コ−ドネ−ム『ゴブ−マ』が周りに8匹出現する。

ゴブ−マとは、ブ−マ系の原生生物の中では中級に位置する生物である。
体毛は黄色で、ブ−マでは苦手としていた炎系テクニックではあまりダメ−ジを与えられない。
手の先の細い刃が、少しだが鋭く長く、そして太くなっている。また、鼻先から角が出ているのが特徴である。
ゴブ−マは、ゾンデ系のテクニックを苦手としている。勿論、皆知っていることだ。

フィオナは、自分の好きな武器である『グングニル』・・・パルチザン系の武器では上級に位置する・・・・を構え、4匹を引き付けた。
クレイは、ウィルと一緒に2匹を受け持つ。残った2匹は、ラルフが受け持った。

フィオナは長い獲物の特性を上手く使った。4匹をまとめ、そこを一気に薙ぎ払う。一瞬にして『ゴブーマ』4匹が倒れる。

ウィルは、覚えたてのゾンデで一匹黒焦げにする。
クレイはすばやさを活かしてすれ違いざまに首を切って一匹仕留めた。

ラルフは2匹と向かい合う。一歩下がり、2匹が一瞬顔を合わせるようにする。顔を合わせた瞬間、2匹は一瞬止まる。
そこをすかさず、ソードで横に薙ぎ払った。2匹のうち1匹仕留めることができた。
だが、ソ−ドの勢いが落ちたせいか、もう1匹には致命傷には至らなかった。
ソ−ドの勢いに振り回され、ラルフは体勢が崩れた。ゴブ−マが、手を振り上げる。

「やべ!!しくじった。」

ラルフは懸命に、体勢を立て直したが、ゴブ−マの方が一瞬早かった。

ズガガ!!

ラルフは左手で盾を出したが、、ゴブ−マの攻撃は激しく、吹き飛ばされた。
ウィルが近寄って来て、吹き飛ばれたラルフにレスタをかける。そのゴブーマのとどめはクレイがさした。

「くそ、油断したぜ。」

 調子がいいと自負していたラルフが悔しがる。

 「まあまあだったな、ラルフ。最後のは油断じゃない。
 お前が、その武器を使い慣れてないだけだ。もっと修行しろよ。」

フィオナは、珍しく褒めた。しかし、その表情は厳しかった。

「よし、次に行こう。」



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