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- 時を越えた宿命〜第4話〜その1〜 - Gum [12/4(Wed) 23:37]
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時を越えた宿命〜第4話〜後書き〜 - Gum [12/4(Wed) 23:53]



時を越えた宿命〜第4話〜その2〜
Gum [Mail]
12/4(Wed) 23:39
 そのことを通信機でフィオナに伝える。もちろん、人がいないということでオッケ−が出た。
もちろん、このことはフィオナ達との間のみのことで他言無用である。

 レオンはシヴァンの服を脱がす。ドロドロの液体はシヴァンのインナーも汚していた。
レオンは先に入れたシヴァンのハンタ−ズの服と共に、それもランドリ−に入れていく。

裸になったシヴァンは、シャワ−室に入っていった。レオンも、急いで裸になる。

レオンは、シャワ−を操作し、シヴァンの輝くほどの金髪と白い体を洗っていく。
ドロドロの液体は完全に洗い流された。

 シヴァンを洗い終わったレオンはついでに自分の体にまとわりついた汗を流す。

シヴァンは、この時先に脱衣所に来ていた。ランドリーを覗くと既にハンターズスーツなど全てが中で乾いている。
そして、シヴァンは服を着ていった。

 レオンが汗を流し終わって、脱衣所に来る。
レオンはアイテムパックからタオルを出し、からだの水分をふき取った。
そして服を着ていく。

 レオンは服を着終わった後に、シヴァンに一声かけようとシヴァンの方を向いた時・・・・。

 

 シヴァンはレオンが自分を見つめてくれたときそれまで我慢していた感情が爆発し、ついレオンに抱きついてしまった。

 それを驚くレオン。シヴァンの口から思いがけない言葉が出る。その声は震えていた。

「レオンお兄ちゃん。シヴァンのこと嫌い?」

「え・・・・・い...いや。そんなことある分けないだろう?」

レオンは、一瞬、何を聞かれているのか判断できなかった。

「本当?ホントニほんと?じゃあ、シヴァンのこと、好き?」

「ああ・・・好きだよ。シヴァン。大好きだ。シンシアもお前も、大事な妹だからな。もちろん、大好きだよ。」

どこでだれが聞いているか分からない。ついレオンは本音とは違う言葉を口にする。
それを聞いてシヴァンは不満げに言葉を続ける。

「違うの。シヴァンのことだけ、好き?妹としてじゃなくて、一人の女の子として、好き?
 シヴァン、お兄ちゃんのこと、好きなの。とっても好きなの。お兄ちゃんだからじゃなくて、えっと・・・・・。えっと・・・・。」

シヴァンの顔が真っ赤になっていく。それでも言葉を続ける。よっぽど、今まで我慢していたのだろう。

 「あ・・・・・いや・・・・・・その・・・・・。昔から、薄々、お前が俺のこと好きだってことは気が付いていたけど
 そこまで好きでいてくれたのはさすがに分からなかった。」

「うん。好きなの。レオンお兄ちゃんのことすごく好きなの。昨日ウィルちゃんに聞いたら、黙ってないでちゃんと言えって。
 好きになったのが、お兄ちゃんでも血が繋がってないからいいんだって。シヴァンには訳わかんないけど・・・。
 シヴァン、ずっとずっと我慢してたんだけど、それはいけないんだって。だから・・・。だから・・・・。」

涙で、顔をクシャクシャにしながらさらに抱きついてくるシヴァン。レオンは、そんなシヴァンのことを強く抱きしめた。

レオンは、泣きじゃくるしヴァンを強く抱きしめながら、ある一つの決心をした。それは、子供のときに決心したことと関係している。

「わかったよ。ちゃんと言うよ。シヴァン・・・・・よく聞いてくれ。実は俺もシヴァンのこと、ずっと前から好きだったんだ。
 お前が、どんどん可愛くなっていくの見ててな。・・・・・ご免な。
 今までシヴァンが俺のことを好きでいることに気がついていても、それに答えてあげられなくて。
 俺は兄だから、お前を好きになっていはいけない、そう思ってきたんだ。だが、違うよな。
 ・・・・・・それが、そんなにもお前を苦しめてたんだな。今、気がついたんだ。すまん。すまない。
 シヴァン。そして、好きだよ。大好きだ。シヴァン。心からそう思っている。」

「レオン・・・お兄ちゃん・・・・。」

しばらくシャワ−の脱衣所で抱き合う二人。突然、泣いていたと思ったシヴァンが、くしゃみをしてしまう。

「クシュン!!」

「ハハハ。ちゃんとからだ、拭いたか?とにかく、急いで出ようか。」


シンシアは一人裏庭にある倉庫の中を調査していた。十分な広さをとって作られた倉庫は色々なものが入っていた。
テラフォーミング用の道具など、大小様々な物だ。

やはり人の気配はしない。物陰に何か潜んでいるかもしれない。注意しながら時間をかけて倉庫の中を調査し終わった。
シンシアが建物の中に入ると、レオンとシヴァンがシャワ−を浴び終わったとこだった。
床の上に広がった液体を掃除し、レオン達は外へ出た。




 レオン達は隣の建物へ向かう。しかしその時、前方の木々の間から訓練で見慣れた生物が何体か姿を現した。
コ−ドネ−ム『ブ−マ』で呼ばれる原生生物だ。赤っぽい茶色の体毛に覆われた体をしている。


訓練で見慣れてるとはいえ、その姿は立体映像とは違う。

 『ブーマ』は土竜を大きくしたような姿をしている。
その手には、カギ爪のように細い刃が何本も出ている。
背の高さは、レオンの肩ほどまでだが、胴体の肉付きがいい。
人間より一回り大きいのだ。

 ブ−マ達は手を天に掲げ、叫び声をあげる。その口の中に無数に並んだ鋭い牙。
その牙にかかれば、人間などすぐに真っ二つであろう。シヴァンは思わず一歩下がった。

しかし、ただ脅えてるシヴァンではない。一歩下がりながらも、シフタ、デバンドのテクニックをレオン達にかける。
シフタは攻撃力アップの補助テクニック。デバンドは防御力アップの補助テクニックだ。

シンシアは、ブ−マ達にバ−タのテクニックを放つ。バ−タのテクニックは直線的な軌跡を描く氷系の初級テクニックだ。
その軌跡上にいた数匹のブ−マが冷気により後ずさる。

レオンはすかさず、剣を振い、まだ前進してくるブ−マに暫撃を繰り出す。

レオンは、以前に使っていた剣と鎧を持ったまま、この時代に飛んできたのだ。
鎧は、この時代では使えないため処分してしまったが、その剣は「ドラゴンスレイヤー」としてギルドに登録してある。
実際にはこのラグオルで見つかる『ドラゴンスレイヤー』とは違うのだが、登録は済ましてしまったのだ。
この剣は、この時代特有のフォトンを纏ってはいない。しかし、切れ味は勝るとも劣らないものだった。

レオンに斬り付けられたブ−マは、こともなげに手の先の無数の細い刃で受け止めた。
レオンは受け止められた勢いを利用し、一歩下がる。そこに別のブ−マが切りつけていた。
そのブ−マの腕は空を切る。5対1である。

その脇にいたブ−マは手を振り上げ、手の先の無数の細い刃でレオンに切りつける。レオンはシ−ルドで刃を受け止める。
ブーマの力は強く、レオンの体が少しあとずさる。
レオンはブーマの手を受け止めた勢いを利用し、体ごと回転して剣をその胴に叩きつける。

「グオ〜〜〜!!」

断末魔をあげながら、地に伏したブ−マ。

「やっと一匹か。」

やっとと言っているが、この一匹と応対したのはわずか1、2秒のことだ。

レオンが顔を上げたとき、2匹目のブ−マが切りかかってきた。一歩下がり、体勢が乱れたところを叩き斬る。

他の二人からの援護がなかったが、その二人もただ遊んでいるわけではなかった。



シンシアは、全くダメ−ジを受けていないブ−マの内の1匹と戦っていた。

ゾンデを放ち、ブ−マの攻撃を交わす。それを数回くり返すうちに倒すことができた。

ゾンデとは、雷撃系の初級に位置するテクニックであり、相手の方向に向いていなくても使用が可能である。
途中に障害物があっても射程距離内であれば使用も可能である。



シヴァンも頑張っていた。ブ−マの隙を突き手にしたケインで殴っている。
ブ−マが近寄ってくると、シヴァンはフォイエを放つ。それを繰り返すうちに倒すことができた。

ケインとは、フォ−スが装備できる小さな杖の中でもっとも基本的なものであり、戦闘には向いていない。
また、初期装備であるため登録したらギルドからもらえるのだ。




 みんなが善戦したおかげで、5匹のブ−マは割と早く倒すことができた。
その時、ブーマが倒れた辺りに幾つかのアイテムが落ちていた。

3人が初めての戦闘を終えたころ、通信機からはフィオナの声が聞こえてきた。

「レオン、シンシア、シヴァン。大丈夫か?何か、原生生物が狂暴化してる気がするよ。いきなり襲ってきたしな。
 そっちは3人で大丈夫か?こっちは、なんとか無事だったぞ。」

「何とかなってます。今日のノルマのとこまで、調査を続けてみたいですから。頑張りますよ。」

「そうか。お互い頑張ろうな。ああ、そうそう。モンスターを倒した辺りにアイテムが落ちていたろう?
 その落ちたアイテムは拾って構わないはずだ。
 恐らくはパイオニア1の一般人か軍人が使っていたもの、あるいはパイオニア2のハンターズの物かもしれないが
 当人はそのアイテムを持っていたモンスターに倒されているはずで所有権がなくなっているからな。」

次の建物も先ほどの建物と全く同じだった。生きてる人は一人もいない。



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