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- 時を越えた宿命〜第3話〜その1〜 - GUM [11/30(Sat) 5:43]
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時を越えた宿命〜第3話〜設定資料〜 - GUM [11/30(Sat) 7:25]
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時を越えた宿命〜第3話〜その6〜
GUM [Mail]
11/30(Sat) 5:52

 ここはパイオニア2居住区のとある部屋の一室。とても広い部屋だ。
その広い部屋の中にはだれもいなかった。ただ、その広い室内には大きな装置がいくつも並んでいるだけだった。
ほとんどの機器は誇りをかぶったものや、錆付いていて朽ち果てているものであった。
しかし、端に位置する機械は、まだ機器が明滅し稼動中なのが分かる。
その機械のとなりにはカプセルがあった。カプセルの蓋は閉まっていた。
そのカプセルも稼動中であるのが分かる。
カプセルの中は、カプセルの蓋自体がスモークスクリーンで覆われている為分からなかった。

シュ−

扉が開き、一人の男が入ってきた。年齢的には40台後半と言ったところか。
稼働中の機械のコントロ−ルパネルの側まで行き、様子を確かめた後、あるスイッチを入れる。

ブン・・・・・

稼働中だった機械が止まり、カプセルらしき物の蓋が開いた。
カプセルの中には人影が見える。その人影が急に動いた。

「おっと、まだ、急に起きるでない。お前は三千と数百年もの間、寝て過ごしていたのだ。
 その間に、この機械の置いてある星も、場所も変わった。
 まあ、寝ている間に現在の場所の風習や言語、その他あらゆるデ−タを入れておいたから、既に頭に入っているだろう。」

 カプセルの中は、水で満たされていた。その水の中に、何も纏わずに寝ていたのは、まだ年端も行かぬ少女であった。
少女はゆっくりと体を起こすと、話をしていた男性のほうを向き、言葉を発する。
久し振りに言葉を発するためか、その喋り方は非常にゆっくりではあったが。

 「あの・・・・人は・・・・・みつ・・・・かった・・・の?」

「もちろんだ。その情報も入っている。だから、お前を起こしたのだ。
 あの時の姿のまま、会いたいと言ったお前の願いを聞いてな。
 だが、いくらお前の父親が、わが友人であっても只ではない。それなりの費用を払ってもらおう。
 なに、一度に払わなくてもかまわんよ。既に、お前の住むところは手配してある。
 そこでゆっくりと今後のことを決めればいい。生活費のことは心配しなくていい。それはお前の父親から預かってあるからな。
 それを機器の使用代に廻すこともできるが、それでは少し足りない上に、お前が生活できなくなる。それは、まずいだろう。
 なにか仕事を探せば言い。ここパイオニア2では仕事は総督府が奨励していることもあり
 職種を選ばなければ、それこそ無数に働き口はあるからな。
 まあ、ゆっくりとで良いから、頑張れ!」

「あり・・・が・・・とう・・・。」

男は、少女に着るものを与えると、少女の家の場所を記したカ−ドと、その家のカ−ドキ−を渡した。
少女はゆっくりとした動作でそれを着た後、ふらふらと歩き出す。

「元気で暮らせよ。ほかの星で生きてる親父さんに、いずれ元気なとこ見せないといけないからな。」

少女は、一人でその部屋を出ていった。男は少女の後ろ姿を見送るとその無事を祈る。
少女が部屋から出るとき、少女の口からある一言が発せられる。

「シ・・・・・ン・・・・・・・姉・・・・・・・・ん・・・・。」

 最初は言葉が途切れ途切れであったが、残りはキチンと喋れた。 

 「か・・・・なら・・・・・・ず・・・・あい・・・・に、い・・・・く・・・・から・・・・・ね。」





パイオニア2居住区の中でもスラム街といわれる余り雰囲気の良くない一帯がある。
ここは、そのとある場所。

 「おい、あいつが逃げたぞ〜。」

外が騒がしい。男は何事かと窓の方に歩き出そうとするが、すぐに、騒ぎの原因の報告が入った。
その報告を受けて、男は呟く。

「またかい?・・・・・全く、これで何度目だよ。嫌なら、とっとと金払やいいのによ。」

机の傍らに座りなおした男は、ヴィジフォンを操作する。途端に、柄の悪そうな男が出てきた。

「ああ、俺だ。回収にはだれが向かってる?・・・・ああ、あいつ等か。なら、大丈夫だろう。」

ヴィジホンを切った男は満足そうに笑みを浮かべる。

「全く『シアン』のやつには困ったもんだぜ。これじゃあ、俺等『ブラックサンデ−』の名が廃るってもんだ。」





 更に別のビルの一室。部屋の照明もつけずに、男はヴィジフォンで話している。
男は黒い髪をし、割と普通の髪型をしている。しかも着ているものも黒で統一していた。
男が着ているのはかなり高そうなものだった。
先ほどからヴィジフォンで話をしているが、喋り方も割と普通で、なにかを真剣に話し合っていた。 

 部屋の隅に、細長いものが飾ってあった。そのフォルムは噂に高い4刀の内の1つである様にも見える。
そのうちの3本は伝説のハンターのゾークが持っているのであるから、それはその残りかあるいはその3本のレプリカであろう。
男は今までは普通に話していたが、いきなり会話の内容が変えた。しかもかなり物騒なことを話していた。

 「なに?そんなに優秀な奴等が、突然ギルドに登録された?
 以前のデ−タは?・・・・・・無いのか?う〜む。何かあるな。・・・・・・よし。
 ・・・・・・そいつ等から目を放すな。・・・・・・・そうだな。
 しばらくは泳がせとけ。実力を確認してから、捕まえてもいいだろう。・・・・・・うむ。・・・・・・・そうだ。
 じゃあな。お前さんたちに任せるから、しっかりな。」

ヴィジフォンを切った男はしばしの間、考えに耽った。
その後、飾ってある刀を取り、鞘から抜き出す。それを一振り、二振りしたあと、男は少し笑みを浮かべた様だ。
その男自身もかなりの腕の使い手と言うのが、その振り方から分かる。

 「いよいよ例の組織も奪わねばならん。・・・・・・私の崇高なる目的の為に。
 もうすぐ私の夢が果たせるだろう。その為にも、今は慎重に動かねばな。」

 そこまで言うと、男は刀を鞘に納め、再び飾った。そしてふと思い出した様に呟く。 

 「そう言えば・・・・あの組織をどうするかだな。ハンターズの情報を頂くのには楽だが、いかんせんガードが硬い。
 そろそろ潮時だろうか。」
 
 そこまで言うと男は部屋を出て行った。



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