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時を越えた宿命〜第2話〜その7〜
GUM [Mail]
11/25(Mon) 3:15

 そんなある日、フィオナは初めて、ラルフ、クレイ、シンラ、セシルの四人を組ませて、一つのパ−ティにした。
そのうえ、大広間を二つつなげて、大々的な戦闘訓練を考えたのであった。

「今日は、あんた等4人に組んでもらって、レベルの高いパ−ティ−戦術をマスタ−してもらう。
 組んだことがないのは分かってるから、一つ目の部屋では数の少ない敵を出す。
 そして、二つ目の部屋では、今までに体験したこともないほどの大群を出すつもりだ。
 もちろん訓練だから、攻撃力は低めに設定するし、危ないと判断できる時は中止にもする。」

 「姉御、俺等はいいんですが、こちらのお二人大丈夫ですかい?フォ−スだから怪我しやすいんじゃないかと思うんですがね。」

「いや、お前たちには悪いが、シンラとセシルは、なりはよわっちい新米フォ−スでも、その実力は
 ベテランフォ−スすら凌ぐさ。お前たちが、足もとにも及ばないほど強いぜ。戦えば分かるさ。
 じゃあ、いったいった。・・・・・シンラ、セシル。頑張りな。」

「はい。」

「うん。ありがとう。フィオナちゃん。」


「じゃあ、訓練開始。頑張れよ。」

ラルフ、クレイを先頭に、あとに続くシンラとセシル。道の前から、『ブ−マ』が3匹出てきた。
フォ−スが先に軽く牽制をすると習ったとうり、シンラと、セシルは、別々のブ−マに炎のテクニックのうち
初級に位置する『フォイエ』を放つ。

テクニックとは、ナノマシンを使い、古代に使われていたという『魔法』を再現しているという。
そのため、大体同じ職業の人が使うと、敵に与えるダメ−ジも、ほぼ一定なのだ。
レベルや、初級、中級、上級などの差があるが、それでも、同じ職業のものが同じ名前の同じレベルのものを使えば
あまりダメ−ジは変わらなかった。それが、テクニックの定義なのだ。
もっとも、これは精神力の値が同じように成長した場合であり、著しく精神力の値が違えば
与えるダメージにも格段に差が出てくるのだ。

フィオナは、二人が放つフォイエが明らかに他の駆け出しのフォ−スが放つものとは違っているのが、見て取れた。
他のフォ−スが放てば、確かにブ−マ程度の敵にすら丁度いい牽制になるのだが
二人の放つフォイエは、ブ−マを一撃のもとに倒してしまっているのだ。

「おい、クレイ、俺は夢見てるのかね。フォイエ一発で、ブ−マ死んだぜ?」

「確かに。凄えな。俺等なら3、4発は放たないと死なないんだけどな。」

「ねえねえ、フィオナちゃん。聞いてたのと違うよ。強すぎない?これ。」

「そうですね。倒してしまっては、訓練になりませんよね。」

「それは、シンラとセシルの精神力が、他の人達より桁違いに高いからだよ。
 テクニックは、敵に与えるダメ−ジにもともとの威力と、使用者の精神力も絡むからね。」

「じゃあ、私達はどうすればいいんですか?」

「まあ、見てなって、そのうち、どんどん強くなっていくようにしてあるからさ。」

「わ−い。じゃあ、続きいこ〜。」

訓練を再開する4人。確かに、次に出てきた『ブ−マ』5匹は、さっきより強かった。
しかしフォ−ス二人の活躍もあり、あっさり、片付いてしまった。さらに、先を行く4人。

次に出てきたのは、『ゴブ−マ』5匹であった。このゴブ−マは、フォイエを苦手とはしていない。
フォ−スの二人はすぐにそれを悟り、覚えたばかりのテクニック『ゾンデ』を放つ。
これは、電撃のテクニックで、初級に位置するものだ。
しかし、それでも『ゴブ−マ』ですら、大した傷も受けづに片付けることができた。
これで、一つ目の部屋は終わったのだ。

そして、二つ目の部屋に入っていった4人。しかし。大きく、空間を取った作りになってはいるが、敵は全くいなかった。
隠れてる気配もない。4人は、お互いの顔を見合わせ、ゆっくりと進んでいく。

大広間のほぼ中心に来たときだろうか。

周り中から、ボコッという土を掘り返すような音がしたかと思うと
その音のしたとこからコ−ドネ−ム『ジゴブ−マ』で呼ばれる生物が現れたのだ。
この『ジゴブ−マ』は、ブ−マ族では、もっとも強く、炎のテクニックも電撃のテクニックも苦手とはしていなかった。
フォ−スの二人は、この『ジゴブ−マ』に効く氷系のテクニックをまだ覚えていなかった。
18匹もの大群だが、時間差で攻めて来るらしく、近くにいた3匹以外は動いてこなかった。

「むう・・・敵の数は、18匹か、ちっと多いな。」

「だが、こいつらにむざむざやられる訳にもいくまい?」

「それに、確かデ−タではフォイエもゾンデも効き難いとはあるけど、効かないとは書いてないものね。」

 「そうそう。セシル達が牽制するから、クレイさん達はやっつけちゃってよ。」

4人は、素早く態勢を整えると、まず最初に近づいてきた、3匹と戦闘に入る。

「フォイエ!!」

セシルが真ん中の一匹にフォイエを放つ。少したじろぎ歩みが止まる。
そこを、すかさずクレイがセイバ−の一撃を見舞う。しかしまだ致命傷には至らないらしい。

「ゾンデ!」

シンラが、ゾンデを同じ奴に放つ。そして、残った2匹を、セシルが誘導する。

「こっちだよ〜〜〜だ!」

これでラルフは、残った弱った敵に安心してトドメが刺せた。

「キャア!!」

残った『ジゴブ−マ』を誘導していたセシルは、調子に乗ったせいか足元をよく見ていなかった。
足もとに出ていた木の根っ子に引っかかり、倒れてしまったのだ。
『ジゴブ−マ』はそれぞれ左右に分かれセシルを囲むように近づいて来る。
また、動かなった残りの『ジゴブ−マ』もセシルのほうにいっせいに近づいてきた。
クレイ達3人は、少し離れていた場所にいた。駆け寄ってくるが『ジゴブ−マ』達の攻撃のほうが早いだろう。

セシルは起き上がることはできたが、前後を木で阻まれ、左右を、『ジゴブ−マ』達の大群で囲まれどうにもできなかった。
『ジゴブ−マ』達は、いっせいに、セシルに攻撃をする。

「いやあ、来ないで〜〜!!」

セシルは無意識にある呪文を唱えた。唱えるというか呟く程度だ。
記憶をなくしているはずであり、もちろん記憶がないのだから覚えてすらいないはずの呪文を。

『フレイムピラ−!!』

クレイ、ラルフ、シンラにも、もちろんフィオナにも、その呪文は聞こえなかった。

セシルを中心に、そのすぐ周りから、勢いよく炎が噴き出す。もちろん、ナノマシンが見せる再現された炎ではない。
本物の炎だ。それが、勢いを増し、槍上に尖り、セシルの周りをゆっくりと周りながら、広がっていった。
セシルを攻撃しようとしていた『ジゴブ−マ』達をあっという間に、炎が飲み込む。

フィオナは『炎が尖ってなければ、ギフォイエに似てるなあ』と、思わず呟いていた。

訓練終了の合図がなる。


 炎が収まると、辺りにいた17匹もの『ジゴブ−マ』の影はなかった。
また、炎による大広間への影響もなかった。無意識に攻撃対象を『ジゴブ−マ』達へと絞っていたためだろう。
セシルは炎が消えると、自分の無事を確かめ皆の方へ近づいていった。

「あれは、いったい・・・。」

クレイ達みんながポカンとしていた。

「ありがとう。だれかが、炎のテクニックで、助けてくれたんだよね。」

セシルは、自分が、炎を放ったことに気がついていないらしい。

「そうさ、あたしが、ギフォイエを上から放ったんだ。」

「あ・・・・姉御・・・・?」

「それで納得かい?セシルちゃん。みんな。」

「うん。」

「脅かさないでくださいよ〜〜!」

フィオナは、前にクラインから聞いていたことを思い出した。それで、こんなことを言ったのだった。

「訓練が無事に終わってよかったねえ。」



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