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- 時を越えた宿命〜第1話〜その1〜 - GUM [11/21(Thr) 18:18]
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時を越えた宿命〜第1話〜その2〜
GUM [Mail]
11/21(Thr) 18:20

 「じゃあいいかい、今日はラグオルで数多く目撃されてる原生動物の『ブ−マ』『ゴブ−マ』『ジゴブ−マ』相手に戦ってもらう。
 各々2匹、2匹、1匹の合計5匹だ。お前たちは、そっちの端からこの仮想の森の中をこっちの端まで歩いてくる。
 その間に敵が『順不同』『不規則な組合せ』で出てくる様にセッティングしてある。じゃあ、そっちの青いリングの中に立って。
 よし・・・訓練開始!!」

訓練が始まる。既に大広間の中は、惑星ラグオルの中でも居留地区の中心地である、森の一部が再現されていた。
かなり広い部屋の中をくねくねと道が続く。二人はそこを緊張のかけらもないかのように歩いていく。ふと、クレイが立ち止まった。

「待て、ラルフ。敵の気配がする」

 「分かった、焙り出してやる。・・・・・そこか。フォイエ!」

ラルフの左手からナノマシンで再現された、テクニックの炎が勢い良く飛び出していく。
それは木陰にいるであろう気配に当たった。

 「グヲ−−−−」

木陰から出てきたのは、茶色い体毛に覆われた土竜を大きくしたような生物だった。
ラグオルではコ−ドネ−ム『ブ−マ』で呼ばれる生物である。

 ラグオルにいる生物は皆比較的おとなしく、人に危害を加えないものばかりである。
が、もしなんらかの事情で今回同乗している多くの民間人が襲われるようなった時、ハンタ−ズはそれを守れなくてはいけない。
フィオナはそう思っているが、若い二人には意味がない事に思えるのか、イマイチやる気が感じられないのである。

 「よし!行くぞ、クレイ。」

「おう!」

二人の息は比較的合っていた。大した被害もなく、最初のブ−マを倒した二人は、道を先へと進んでいく。
しかし、油断していた二人は前後を黄色い体毛で覆われた『ゴブ−マ』と呼ばれる生き物2体に挟まれた。
道は狭く、回避するには隙間は無かった。

「畜生。このまま戦ってやるぜ!」

 「よし!ここは二人で背中合わせになって戦るか。」

「オッケ−!」

 しかし、この変則的な1VS1の戦いは、二人のほうが分が悪かった。
それでもあきらめずに戦い続けるのは良かったが、二人にはもはや回復薬もないようだった。
二人は大怪我を覚悟した。何かが近づいてくる気配を感じた。
その気配を感じた瞬間、目の前にいた原生生物の2体は地に崩れ落ちた。

「全く。見てらん無いねえ。この程度の敵もまともに倒せないのかい?」

そう言って、スイッチを切ったダガ−を腰のベルトの金具に止めると、二人の方へ向き直ったのは、フィオナだった。

「お二人さん。もし今のが、ラグオルで居留地生活を始めた、一般の人を襲ってるヤツラだったらどうするんだい?
 あんたらは逃げれても、そこにいる一般人たちは全滅するね。
 それを分かってやっているのかい?一応パイオニア1からのデ−タじゃ、原生生物は人を襲わないって話だけど
 居留地生活が始まってからはどうなるか分からないだろう?
 新しく居留地を作ったとこに巣を作っている生物とかは襲ってくると思うし。
 そんなことで、軍は動いてくれない。なら、あたし達ハンタ−ズがやるしかないだろう。」
 
 フィオナはラルフににじり寄る。

 「だから、二人には、もっと強くなってもらわないとって思ってたのさ。
 二人なら、やってくれると思ってたんだけどな。・・・・・・・私の見込み違いだったのか・・・・・。
 今のあんた達に、昔のあたし達を重ねて見てたのがいけないのかもしれないね。
 まあ・・・・・・・・・・・これ以上はやっても、意味無いかな。」

いつものフィオナらしからぬ様子に、二人は、ただ黙ってるしかなかった。

「無理にとは言わないから、最低限の戦いの基本だけは覚えててくれな。今日の訓練はもう、終わりにしよう。」

フィオナはそういうと、出ていった。後味の悪さを覚えつつ、自室へと帰っていく二人。



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