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マリーの果実を我が店に 23 - サムス・アラン [1/6(Sun) 23:43]
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マリーの果実を我が店に 23
サムス・アラン [Mail]
1/6(Sun) 23:43

「貴様・・・・一体何故こんな事をするのだ・・・・・?」

カリカは、今更ながらとは思ったが、聞かずにはいられない。

「んふふ・・・なぜぇ・・?・・・・優雅じゃないのぉ、
 この船旅日和なお天気。」

・・・雨。・・いや、雷のひどく、荒れ狂った荒らしといった所か。

「この広大なる海!!とてもシンプルな景色よねえ。」

波がひどく荒れ狂っていて、それどころでもないような気もするが。

「こんな中死体だらけの船で、一人ゆっくりとワインを楽しむ。
 ・・・・あん・・・美しいわん。」

渦巻いた風が所どころかまいたちを作り、リクオの頬が少しすり
きれる。

「・・・・狂ってやがる・・・・。」

ミケはその一言を吐き捨てる。ロストは妖しい笑みで

「私みたいな美人な死神さんが来てくれるといいわねえ。」

ロストの手が闇色に煌く。

「・・・ちっくしょう・・・何とかしなきゃ・・・。」

リクオは必死に懐をあさり、そして何かをつかむ。

「・・・伏せろ貴様ら!!」

カリカの叫びに伏せるミケとティーノ。・・しかし

「死んで♪」
「・・・とりゃああああああ」

リクオは何がなんだか解らず、つかんだ物を握り潰し、ロストに
投げつける。

「・・・ダルクネス・フレ・・・ぷぐぁっ!!!」

「竜の刻印」を唱えかけたロストの顔に、べちゃっと何かが
ぶっかけられる。

「・・ふぁああああ・・な・・何これえ・・目が・・においがああ
 ・・・ひいいいい!」

目を抑えてもがくロスト。

「・・・・・・はっ。」

地にふせていた三人の中で、いちはやく我にかえったのはカリカ。

「何か知らぬが、でかしたぞブラックキャット!」

カリカは即座に立ち上がり、槍を構え直す。

「死ね!!!」

ロストめがけて、槍を真上に一直線に切り上げる。

「・・・んあああああああ・・・!!!!」

大量の血しぶきが上がる。

「ぬおおおおおおお!!!!」

ミケは斧を振り上げ、ロストのわき腹に真横に叩きつける。

「・・・・ごふっ」

ずぶっと鈍い音と共に、ロストの脇腹に大斧が食い込む。

「・・・短い・・・本当に短い間だったけど・・・気にいってた
 んだぜ・・・ミントの事・・。」

リクオはロストのこめかみにダガーを突き刺す。

「・・・は・・・」

ロストはそのままよろめきながら、後ろへと下がる。

「・・ひ・・ひひ・・また・・・ね・・。」

ロストは狂気じみた笑顔を最後に、海へと落ちてゆく。

「・・・やった・・・のか・・・?」

ミケはかすれた声でつぶやく。

「ああ・・・とどめは刺した。」

リクオはそう答える。・・・そう、とどめは刺したのだ。
・・・しかし、本当に死んだのだろうかと思わせるほどに、
ロストの最後の笑みが何かとてつもなく不可思議な恐怖を
呼び起こすのだ。
・・・今だにリクオの体の震えが止まらない。・・カリカは
槍についた血を振り払い

「ふん・・・奴は・・・一体何者だったのだろうか・・・。」

いつのまにか雨はやみ、綺麗な満月があたりを照らしていた。



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