Turks Novels BBS
〜小説投稿掲示板〜


[新規投稿] [ツリー表示] [親記事一覧] [最新の記事を表示] [ログ検索] [ヘルプ] [ホームページへ戻る]


- 今を生き抜く獣たち マリーの果実を我が店に - サムス・アラン [8/4(Sat) 6:40]
マリーの果実を我が店に 2 - サムス・アラン [8/4(Sat) 7:02]
マリーの果実を我が店に 3 - サムス・アラン [8/4(Sat) 7:35]
マリーの果実を我が店に 4 - サムス・アラン [8/4(Sat) 22:27]
マリーの果実を我が店に 5 - サムス・アラン [8/5(Sun) 20:36]
マリーの果実を我が店に 6 - サムス・アラン [8/5(Sun) 20:46]
マリーの果実を我が店に 7 - サムス・アラン [8/7(Tue) 18:38]
マリーの果実を我が店に 8 - サムス・アラン [8/7(Tue) 18:56]
マリーの果実を我が店に 9 - サムス・アラン [8/8(Wed) 1:28]
マリーの果実を我が店に 10 - サムス・アラン [8/11(Sat) 19:13]
マリーの果実を我が店に 11 - サムス・アラン [8/17(Fri) 18:04]
マリーの果実を我が店に12 - サムス・アラン [8/17(Fri) 18:54]
マリーの果実を我が店に 13 - サムス・アラン [10/17(Wed) 0:35]
マリーの果実を我が店に 14 - サムス・アラン [10/20(Sat) 16:07]
マリーの果実を我が店に 15 - サムス・アラン [10/20(Sat) 16:29]
マリーの果実を我が店に 16 - サムス・アラン [11/5(Mon) 2:25]
マリーの果実を我が店に 17 - サムス・アラン [11/24(Sat) 2:27]
マリーの果実を我が店に 18 - サムス・アラン [1/2(Wed) 15:51]
マリーの果実を我が店に 19 - サムス・アラン [1/2(Wed) 16:29]
マリーの果実を我が店に 20 - サムス・アラン [1/2(Wed) 16:42]
マリーの果実を我が店に 21 - サムス・アラン [1/2(Wed) 17:05]
マリーの果実を我が店に 22 - サムス・アラン [1/2(Wed) 17:23]
マリーの果実を我が店に 23 - サムス・アラン [1/6(Sun) 23:43]
マリーの果実を我が店に 24 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:15]
マリーの果実を我が店に 25 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:22]
マリーの果実を我が店に 終 - サムス・アラン [2/3(Sun) 9:25]



マリーの果実を我が店に 17
サムス・アラン [Mail]
11/24(Sat) 2:27

「おい、ゴールドバーグ。」
「ぺぐぅっっ!!!」

船内の大浴場でくつろいでいたティーノに声をかけてきたのは、
あの槍を背負っていたカリカという女だ。
・・・もちろん、今は裸で束ねられていた綺麗な髪も今はほどいて
いる。

ティーノはすぐさま、カリカをどつき倒して本名をその由来から
じっくりと時をかけて説明してやりたい所をぐっと抑える。

「な・・なな・・何ですの?」
「良い湯だな。」

がくぅっとよろけるティーノ。

「・・そ・・それだけですの・・?」
「ん?な・・何なのだ・・それだけじゃいけないのか?」

様子がおかしいティーノをいぶかしげに見るカリカ。そう、
彼女の頭には、さっきミケがとっさにつけた偽名がそのまま
入っている。

「外の世界はまだ慣れないか?」
「・・・え?ま、まあ結構骨が折れる事ばかりですの。」

カリカは、ティーノを箱入りのお嬢様だと思っている。カリカは
顔を洗い

「そういえばゴールドバーグ。」
「・・・な・・何ですの・・?」

カリカはティーノの額にうかんだ青筋には気づかず

「・・・家族に大切にされるって・・幸せか・・?」
「・・・・は?」

カリカは冷静を装いつつも、孤独な瞳をしている。

「私は物心がついた頃には一人だった・・。親が一体どこの誰だか、
 私には全くわからない。・・・ずっと・・一人で生きてきた・・。」

「・・・結構つらい思いをしてきたんですのね・・・。」

ティーノは少しうつむき、もし自分がそうだったら・・なんて事を
想像している。カリカはふーっと一息つき

「孤独な私は、昔はひどく荒れていた・・。お前みたいな幸せそうに
 している奴がとても羨ましかった・・そして、とても憎かった。
 どうしてあいつらはあんなに幸せなんだろう・・どうして私は、
 あいつらみたいに幸せになれないんだろう・・私とあいつらは、
 一体何が違うのだろう・・と。」

カリカの双眸は鋭くなり

「そう思えば思うほど、そいつらを憎まずにはいられなかった・・。
 そんな私は、よくそんな奴らを殺してまわったものだ・・。」

ティーノの体がびくっとふるえる。そんなティーノにカリカは目元を
少し緩め

「心配するな、今の私はそんなに若くはない。」

ティーノはふーっと息をつき

「・・安心しましたの・・。」

と、上でまいてた髪をほどく。

「そういえば・・カリカさんっておいくつぐらいですの・・?」
「ふん?私か・・・そうだな・・・。」

カリカは指折り数え

「ふむ・・・・たしか16になるのだ。」



この記事にレスをつける時は、下のフォームに書きこんでください。
お名前
URL
メール
※SPAM対策のため、メールアドレスは入力しないようお願いします。
題名
メッセージ
パスワード
このツリーを一番上に持っていく

下のボックスにパスワードを入力すると、記事の修正及び削除が出来ます。
パスワード

Tree BBS by The Room