えと、使徒といってもエヴァじゃありません(笑) 真面目なキリスト教の使徒のことですのでお間違えのないように
わたしの好きな作家さんで、遠藤周作さんという方がいて 彼の著作『心の夜想曲(ノクターン)』の中に、"第十三の使徒ズボラ"という 短編が載っています
イエスには十二人の弟子がいたことは有名ですが 実は十三人目の弟子がいて、彼の名をズボラといいました
ところがこのズボラという人は生来のぐうたら者で、 イエスの尊い話の時は居眠りばかりしているし イエスが旅をする時はいつも一人だけ遅れてしまうといった具合で かんしゃく持ちのペトロからは、あのズボラのような者は放っておきましょう! と師に進言されるくらいでした
でもイエスは笑って、血の気の多い弟子をまあまあとなだめながら ズボラはズボラゆえにそれでいいのだと答えて いつまでも弟子にしていました
そして最後の晩餐の夜、当然ズボラも呼ばれていたわけですが 彼はそのことをすっかり忘れて宿で眠り込んでいて、 とうとう晩餐には出席しなかったんですね
でもそのおかげで結局、イエスが逮捕されるとき すべての弟子が逃げ出して師を裏切ったのに、彼だけは裏切りをせず 夢の中で最後まで師と楽しく飲んで食べて騒いでいた。。。
ということで、キリスト教の初期には聖人としてあがめられていたんですが 教えが広まると同時に、彼を見習っていつもぐうたらしている信者が増えてしまって こんななまけ者ばかり増えては困るというわけで キリスト教の公的な歴史から抹消されてしまったとのこと
ただその名前だけは残って、 怠け者のことをズボラというようになったんだそうです
ちなみにわたしは、現文化庁長官兼日本ウソツキクラブ会長の河合隼雄さんの大ファンで 遠藤周作さんも、狐狸庵やらウソつき遠藤といった異名を持つことで有名な方なので この話がどこまで本当なのかは、ぜひご自分で確かめてみてください(笑)
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