イベント管理室『前夜祭』
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3月23日のイベント「夜桜」
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ちゃんこ [2/16(Sat) 17:28]
シナリオ製作者ツリー
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ちゃんこ [2/16(Sat) 17:30]
私で良ければw
-
アルフリート [3/3(Sun) 16:24]
おお〜〜〜〜!!!
-
ちゃんこ [3/4(Mon) 8:42]
こちらこそ
-
アルフリート [3/5(Tue) 8:23]
管理人削除
-
---- [1/5(Sat) 12:02]
管理人削除
-
---- [1/6(Sun) 15:50]
題名『桜はただ人目に映える』
-
アルフリート [3/10(Sun) 10:52]
役者応募ツリー
-
ちゃんこ [2/16(Sat) 17:35]
そりゃあもう、、、
-
じにー(えーこ) [2/17(Sun) 19:47]
Re:役者応募ツリー
-
スプリガン-SPRIGGAN [2/24(Sun) 1:23]
題名「桜はただ人目に映える」における注意点
-
アルフリート [3/10(Sun) 9:50]
シナリオ「フィリクス」
- サムス・アラン [3/14(Thr) 1:18]
シナリオ「フィリクス」
サムス・アラン
3/14(Thr) 1:18
ナレータ:フェインの国、フェイン城王宮
一人の女が、謁見の間に姿を現した。
アルマ :「国王。」
国王 :「ふむ、よくぞ参られた。」
アルマ :「私は、旅の魔導士、アルマと申します。」
国王 :「ほうほう、して、どのような用か?」
アルマ :「はい、実は不老長寿の薬について、の事です。」
国王 :「不老………?」
アルマ :「その薬を飲めば、若きながらも千年の寿命を得られる
のです。」
国王 :「なんと!!そのような物が………!!」
アルマ :「この国は、王のおかげで大変素晴らしい国に保たれて
います。王に是非、長きに渡り、この国を守っていた
だきたいのです。」
国王 :「ほうほう、良い事を言うではないか。」
アルマ :「そこで、国王にその薬を飲んでいただきたいのです。」
国王 :「真か……、その薬は今あるであろうか?」
アルマ :「ほぼ、薬が完成に近いのですが、ただ一つ、どうしても
必要な材料がいるのです。」
国王 :「ほう………それは何じゃ?」
アルマ :「はい……それは………」
ナレータ:………………幻の霊力を持つ猫……………
フェイン城から少し離れた辺境の町、フィン。夕日の
まぶしい夕方、なんのへんてつもないとある家の中で。
エリシア:「フィリクス。」
フィリクス:「うにゃーん?」
エリシア:「ごはん、何がいい?」
フィリクス:「にゃーん。」
エリシア:「そう、グリルチキンがいいのね、食器洗い終わるまで
待ってね、すぐ作るわ。」
フィリクス:「うにゃーん♪(ごろごろ」
ナレータ:そこでは、一人の女エリシアと、猫が一匹、ごく普通に
暮らしていました。とても幸せそうである。
エリシア:「おいしい?」
フィリクス:「はぐはぐ……みう♪」
エリシア:「そう、よかったぁ♪(なでなで」
フィリクス:「にゃーん♪」
ナレータ:いつもと何も変わらない、平凡なひととき。そんな所に
……コンコン。
エリシア:「ん?誰かしら?」
フィリクス:「みー(すりすり」
エリシア:「こらこら、お客さんだからここで大人しくしてるのよ。」
フィリクス:「みう……(ちょこん。」
ナレータ:とてとて、ガチャっ
エリシア:「はあい。」
ウィルソン:「どうも、初めまして。」
ナレータ:そこには、中年の兵士が立っていた。
エリシア:「あら、はじめまして。」
ウィルソン:「実は、おたくのかっている猫を少しかして頂きたい。」
エリシア:「はぁ……?」
ウィルソン:「国王が、是非おたくの猫を見たいそうだ。」
エリシア:「フィリクスを?どうして?」
ウィルソン:「さあなぁ、俺はただそう聞いただけだ。」
エリシア:「いいですけど……すぐ返してくれるんでしょうか?」
ウィルソン:「一週間で返すと、王は言っておられた。」
エリシア:「一週間……。」
ウィルソン:「礼金が出るそうだが、どうだ?」
エリシア:「いいけど……フィリクス。」
フィリクス:「うにゃーん?」
エリシア:「国王があなたを見たいんだって。」
フィリクス:「みー?」
ナレータ:と、猫をひょいっとかかえあげ、兵士に渡す。
ウィルソン:「じゃあ、一週間後に返しにくる。」
フィリクス:「うにゃーん(じたばた」
エリシア:「うん……すぐ返してね。」
フィリクス:「うにゃあああああん><(じたばたじたばた」
ナレータ:馬車の中、男は猫を隣の席に置き、馬車に揺られ
るまま時を過ごす。
ウィルソン:「…たく、なんでこの俺がこんな猫のためにわざわざ。」
フィリクス:「みー。」
ウィルソン:「ん?」
フィリクス:「ごろごろ」
ウィルソン:「く、なんでえ、人なつっこい猫だなぁ。」
フィリクス:「みい。」
ウィルソン:「ん?腹が減っているのか?」
フィリクス:「にゃーん。」
ウィルソン:「ちっ…。」
ナレータ:懐にあるドライチーズをとりだし、フィリクスに一切れ
ちぎってあげる。
フィリクス:「うにゃーん♪」
ウィルソン:「たぁく、携帯用の安モンのチーズの何がそんなに
うまいんだか。」
フィリクス:「ごろごろ。」
ウィルソン:「ちっ…(なでなで」
フィリクス:「にゃあああん><(ごろごろごろごろ」
ウィルソン:「こ、こらくすぐったいからやめれっ」
ナレータ:猫を膝の上にのせる。
ウィルソン:「ふー、たく王さんが見たがるわけだ。俺んとこの
女房と子供もこんだけかわいけりゃあなあ。」
フィリクス:「みー。」
ウィルソン:「ん?もっとほしいってか?」
フィリクス:「にゃーん。」
ウィルソン:「ち、ほれ。」
フィリクス:「にゃーん><(はぐはぐはぐはぐ」
ウィルソン:「そうかそうかうまいか、わっはっは。……いけね、
俺の分まで全部やっちまった。」
フィリクス:「ふにゃーん♪」
ウィルソン:「ち、まーいっか。」
ナレータ:フェイン城王宮、謁見の間
ウィルソン:「王、こちらがフィリクスです。」
国王 :「ほうほう、よぉくもってきてくれた。」
フィリクス:「にゃん。」
国王 :「フェインじゅうの猫を集めるのも、一苦労じゃわ
い。で、どうじゃな?この猫は。」
アルマ :「ちょっとその猫ちゃんをよぉく見せて下さい。」
ナレータ :アルマは、フィリクスをじーっと見つめる。
アルマ :「……この猫……この猫だわ!!!」
国王 :「なんと!!!まことか!!!」
フィリクス:「…うにゃーん?」
ウィルソン:「王?その猫をどうするおつもりで?」
国王 :「ほっほっほ、薬じゃよ。」
ウィルソン:「薬?」
フィリクス:「ふにゃ?」
アルマ :「この猫をよぉーくすりつぶして、薬を作るのよ。」
ウィルソン:「え!?」
フィリクス:「!」
国王 :「良い薬が出来ると良いのぉ。」
アルマ :「ご安心を。」
ウィルソン:「ちょ、ちょっとまってくれ!!」
フィリクス:「うにゃああーーんっ!!><」
国王 :「ん?何かの?」
ウィルソン:「そ、その猫、一週間以内にちゃんと返すって……。」
国王 :「知らんのう。」
ウィルソン:「王……!!!」
フィリクス:「うにゃーーーーーーーんっ!!><」
国王 :「たかが一般兵ごときが、ワシに何か文句でもあるの
かの?」
ウィルソン:「くっ……」
国王 :「では、まかせたゾイ。」
アルマ :「はい。」
ナレータ :そして、夜はふけっていく。
次の日の朝、フィンの町。
コンコン。
エリシア :「はあい。」
ナレータ :ガチャ。
エリシア :「あら、こんばんわ。」
ウィルソン:「うう……。」
ナレータ :兵士は、エリシアに金のはいった袋を渡す。
エリシア :「何ですか?これは。」
ウィルソン:「……猫の金だ。」
エリシア :「フィリクスの…?」
ウィルソン:「ああ……猫は返せねえ……。」
エリシア :「ちょっ……!!!」
ウィルソン:「すまねぇ、それだけだ…。」
エリシア :「どういう事!?フィリクスは!?」
ウィルソン:「…王の飲む薬として、精製されるらしい…。」
エリシア :「何ですって!!??」
ナレータ :もはや頭を整理する事すらままならないエリシア。
エリシア :「フィリクスを……フィリクスを返してよぉ!!!」
ウィルソン:「すまねえ、俺にはどうしようもねえ……
じゃあな!!」
ナレータ :走り去る兵士。
エリシア :「ま、待ってぇーーーーー!!!」
ウィルソン:「うううう…」
エリシア :「うああーーーーーーん」
ウィルソン:「俺は、なんて事をしちまったんだ……」
エリシア :「何で……何でこんな事になったの……」
ナレータ :エリシアは泣きながらも、ただ空を見上げる。
エリシア :「フィリクスぅ……。」
ナレータ :フェイン城王宮。
フィリクス:「……うにゃーん……。」
ウィルソン:「やつれたじゃねえか……。」
ナレータ :兵士ウィルソンは、ひげだらけの顔をくしゃくしゃに
して、涙を流しながら牢屋ごしの猫のそばに座ってい
た。
ウィルソン:「ごめんな…俺って本当に馬鹿な奴だよぉううううう」
フィリクス:「……ふにゃーん。」
ウィルソン:「うっ…うあああああ」
ナレータ :フェイン城、城門前。
エリシア :「フィリクスを返して!!!」
アルマ :「王の絶対命令よ、あきらめなさい。」
エリシア :「なんで!?貴方達にフィリクスの命を奪う権利
なんてないわ!」
アルマ :「お金もらったでしょ、それで新しい猫でもかえば?」
エリシア :「お金でフィリクスは帰ってこない!!」
ナレータ :金の入った袋をアルマに投げつけるエリシア。
アルマ :「…いったぁ〜。」
エリシア :「お金を王に返して、そしてすぐにフィリクスを返し
てよ!!」
アルマ :「くっ、後悔しない事ね!!」
ナレータ :フェイン城王宮。
フィリクス:「うにゃーん……。」
アルマ :「買主が、猫を返せとあたりに喚いています。」
国王 :「ふむ、あまり騒がれても目障りじゃのう。」
ナレータ :王は、窓をしばらく眺めていたが、一言。
国王 :「…殺せ。」
アルマ :「…は。」
フィリクス:「!」
アルマ :「お前達、あの女を殺してきなさい。」
ナレータ :兵士に指示を出したのは、アルマ。
フィリクス:「うにゃあああーーーーーーーーーーーー」
ナレータ :突如、フィリクスの体が光出す。
アルマ :「え、な、何!?」
国王 :「ぐああああああ」
アルマ :「お、王様!!??」
ナレータ :光を直接まじかであびた王と、その場にいた兵士
達は、ぱたりと倒れ、そして動かない。
アルマ :「お…王様…王様!?」
ナレータ :もはや息はない。
アルマ :「くっ…まあいいわ、薬さえ出来ればもう王に用は
ないもの」
フィリクス:「ふぎぃーーーーーーーーーーっ!!!」
アルマ :「とっとと殺しておけばよかったわ。」
ナレータ :アルマは魔法をとなえ、そして猫にはなつ。
ちゅどぉぉぉぉぉぉぉん。
フィリクス:「ふにゃあっ><」
アルマ :「さて、これで終わりよ。」
フィリクス:「ふ…にゅ……」
エリシア :………フィリクス…フィリクス…どうしてこんな事に
なったの?
会いたい…会いたいよ………
フィリクス………
フィリクス:「……ふにゃおぉぉーーーーーーー!!!」
ナレータ :突然再び、フィリクスの体が眩い光につつまれ、
そして……
アルマ :「えっ!?」
ナレータ :光がひいたと思えば、そこにはフィリクスのかわりに
一人の少女が……。
アルマ :「何!?あなたフィリクスなの…!?」
フィリクス:「ママに…ママに会いに行くんだ……」
アルマ :「まさかこれほどとは……誰があなたを逃がす物で
すか、あなたみたいな貴重な材料を!!!」
フィリクス:「どいてえーーーーーーーーーーー!!」
アルマ :「ううっ!!」
ナレータ :再び眩く光る。
アルマ :「…なんの、これでおしまいよぉ!!!!」
ナレータ :アルマは魔法を唱え出すが…
ザクぅっ……
アルマ :「あうっ……」
ナレータ :突如、アルマの背中を大剣が貫く。
ウィルソン:「やっぱり、お前の仕業なんだな…何もかも!!!!」
アルマ :「く…わ…私とした事が……油断したわ……」
ナレータ :アルマは、その場に倒れる。
ウィルソン:「俺がした事は、正しいのか?それとも間違って
るのか?」
ナレータ :兵士ウィルソンは、目の前の裸の少女の瞳を見つめる。
ウィルソン:「だが、俺は後悔はしてない…。」
ナレータ :フィンの町の平原。
エリシア :「何よ…。」
ウィルソン:「呼び出してすまない、こいつを連れてきた。」
ナレータ :兵士ウィルソンのわきから、少女が顔を出す。
フィリクス:「ママ……」
エリシア :「え?」
フィリクス:「あたしだよ、フィリクスだよ……。」
エリシア :「フィリ…クス…?」
ウィルソン:「ああ、そいつぁお前さんの猫だ。」
エリシア :「からかわないで!!!貴方達はフィリクスを殺した
のよ!!もうお願いだから私にこれ以上関わらな
いで!!」
フィリクス:「ママ……」
ナレータ :フィリクスは、ぽつりと。
フィリクス:「グリルチキン……また食べたいな…。」
エリシア :「え……」
フィリクス:「いつものように、頭なでてお話きかせて……」
エリシア :「フィリ…クス…フィリクスなの?」
フィリクス:「こんな姿になっちゃったけど…でも、ママが好きだ
よ…もうどこにも行かないよ…」
エリシア :「フィリ…クス…」
フィリクス:「ママ……」
エリシア :「フィリクスーーーー!!!」
フィリクス;「ママーーーーっうあぁーーーーんっ!!!」
ウィルソン:「ううう……金は使いな、慰謝料だ。」
エリシア ;「ううん、いらない……」
ナレータ :エリシアは、ただゆっくりとフィリクスの頭を
なでる。
エリシア :「フィリクスがいれば……それだけで…」
フィリクス「………にゃーん……♪」
ナレータ :一人の女と、一人の猫だった少女は、それからも末
ながく、平凡だが、ただ、幸せにくらしたそうな……。
Fin
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>ナレータ:フェインの国、フェイン城王宮 > > 一人の女が、謁見の間に姿を現した。 > >アルマ :「国王。」 >国王 :「ふむ、よくぞ参られた。」 >アルマ :「私は、旅の魔導士、アルマと申します。」 >国王 :「ほうほう、して、どのような用か?」 >アルマ :「はい、実は不老長寿の薬について、の事です。」 >国王 :「不老………?」 > >アルマ :「その薬を飲めば、若きながらも千年の寿命を得られる > のです。」 >国王 :「なんと!!そのような物が………!!」 >アルマ :「この国は、王のおかげで大変素晴らしい国に保たれて > います。王に是非、長きに渡り、この国を守っていた > だきたいのです。」 >国王 :「ほうほう、良い事を言うではないか。」 >アルマ :「そこで、国王にその薬を飲んでいただきたいのです。」 > >国王 :「真か……、その薬は今あるであろうか?」 >アルマ :「ほぼ、薬が完成に近いのですが、ただ一つ、どうしても > 必要な材料がいるのです。」 >国王 :「ほう………それは何じゃ?」 >アルマ :「はい……それは………」 > >ナレータ:………………幻の霊力を持つ猫…………… > > フェイン城から少し離れた辺境の町、フィン。夕日の > まぶしい夕方、なんのへんてつもないとある家の中で。 > >エリシア:「フィリクス。」 >フィリクス:「うにゃーん?」 >エリシア:「ごはん、何がいい?」 >フィリクス:「にゃーん。」 >エリシア:「そう、グリルチキンがいいのね、食器洗い終わるまで > 待ってね、すぐ作るわ。」 >フィリクス:「うにゃーん♪(ごろごろ」 > >ナレータ:そこでは、一人の女エリシアと、猫が一匹、ごく普通に > 暮らしていました。とても幸せそうである。 > >エリシア:「おいしい?」 >フィリクス:「はぐはぐ……みう♪」 >エリシア:「そう、よかったぁ♪(なでなで」 >フィリクス:「にゃーん♪」 > >ナレータ:いつもと何も変わらない、平凡なひととき。そんな所に > >……コンコン。 > >エリシア:「ん?誰かしら?」 >フィリクス:「みー(すりすり」 >エリシア:「こらこら、お客さんだからここで大人しくしてるのよ。」 >フィリクス:「みう……(ちょこん。」 > >ナレータ:とてとて、ガチャっ > >エリシア:「はあい。」 >ウィルソン:「どうも、初めまして。」 > >ナレータ:そこには、中年の兵士が立っていた。 > >エリシア:「あら、はじめまして。」 >ウィルソン:「実は、おたくのかっている猫を少しかして頂きたい。」 >エリシア:「はぁ……?」 >ウィルソン:「国王が、是非おたくの猫を見たいそうだ。」 >エリシア:「フィリクスを?どうして?」 >ウィルソン:「さあなぁ、俺はただそう聞いただけだ。」 >エリシア:「いいですけど……すぐ返してくれるんでしょうか?」 >ウィルソン:「一週間で返すと、王は言っておられた。」 >エリシア:「一週間……。」 >ウィルソン:「礼金が出るそうだが、どうだ?」 >エリシア:「いいけど……フィリクス。」 >フィリクス:「うにゃーん?」 >エリシア:「国王があなたを見たいんだって。」 >フィリクス:「みー?」 > >ナレータ:と、猫をひょいっとかかえあげ、兵士に渡す。 >ウィルソン:「じゃあ、一週間後に返しにくる。」 >フィリクス:「うにゃーん(じたばた」 >エリシア:「うん……すぐ返してね。」 >フィリクス:「うにゃあああああん><(じたばたじたばた」 > >ナレータ:馬車の中、男は猫を隣の席に置き、馬車に揺られ > るまま時を過ごす。 > >ウィルソン:「…たく、なんでこの俺がこんな猫のためにわざわざ。」 >フィリクス:「みー。」 >ウィルソン:「ん?」 >フィリクス:「ごろごろ」 >ウィルソン:「く、なんでえ、人なつっこい猫だなぁ。」 >フィリクス:「みい。」 >ウィルソン:「ん?腹が減っているのか?」 >フィリクス:「にゃーん。」 >ウィルソン:「ちっ…。」 > >ナレータ:懐にあるドライチーズをとりだし、フィリクスに一切れ > ちぎってあげる。 > >フィリクス:「うにゃーん♪」 >ウィルソン:「たぁく、携帯用の安モンのチーズの何がそんなに > うまいんだか。」 >フィリクス:「ごろごろ。」 >ウィルソン:「ちっ…(なでなで」 >フィリクス:「にゃあああん><(ごろごろごろごろ」 >ウィルソン:「こ、こらくすぐったいからやめれっ」 > >ナレータ:猫を膝の上にのせる。 > >ウィルソン:「ふー、たく王さんが見たがるわけだ。俺んとこの > 女房と子供もこんだけかわいけりゃあなあ。」 >フィリクス:「みー。」 >ウィルソン:「ん?もっとほしいってか?」 >フィリクス:「にゃーん。」 >ウィルソン:「ち、ほれ。」 >フィリクス:「にゃーん><(はぐはぐはぐはぐ」 >ウィルソン:「そうかそうかうまいか、わっはっは。……いけね、 > 俺の分まで全部やっちまった。」 >フィリクス:「ふにゃーん♪」 >ウィルソン:「ち、まーいっか。」 > > >ナレータ:フェイン城王宮、謁見の間 > >ウィルソン:「王、こちらがフィリクスです。」 >国王 :「ほうほう、よぉくもってきてくれた。」 >フィリクス:「にゃん。」 >国王 :「フェインじゅうの猫を集めるのも、一苦労じゃわ > い。で、どうじゃな?この猫は。」 >アルマ :「ちょっとその猫ちゃんをよぉく見せて下さい。」 > >ナレータ :アルマは、フィリクスをじーっと見つめる。 > >アルマ :「……この猫……この猫だわ!!!」 >国王 :「なんと!!!まことか!!!」 >フィリクス:「…うにゃーん?」 > >ウィルソン:「王?その猫をどうするおつもりで?」 >国王 :「ほっほっほ、薬じゃよ。」 >ウィルソン:「薬?」 >フィリクス:「ふにゃ?」 >アルマ :「この猫をよぉーくすりつぶして、薬を作るのよ。」 >ウィルソン:「え!?」 >フィリクス:「!」 >国王 :「良い薬が出来ると良いのぉ。」 >アルマ :「ご安心を。」 >ウィルソン:「ちょ、ちょっとまってくれ!!」 >フィリクス:「うにゃああーーんっ!!><」 >国王 :「ん?何かの?」 >ウィルソン:「そ、その猫、一週間以内にちゃんと返すって……。」 >国王 :「知らんのう。」 >ウィルソン:「王……!!!」 >フィリクス:「うにゃーーーーーーーんっ!!><」 > >国王 :「たかが一般兵ごときが、ワシに何か文句でもあるの > かの?」 >ウィルソン:「くっ……」 >国王 :「では、まかせたゾイ。」 >アルマ :「はい。」 > >ナレータ :そして、夜はふけっていく。 > > 次の日の朝、フィンの町。 > > コンコン。 > >エリシア :「はあい。」 > >ナレータ :ガチャ。 > >エリシア :「あら、こんばんわ。」 >ウィルソン:「うう……。」 > >ナレータ :兵士は、エリシアに金のはいった袋を渡す。 > >エリシア :「何ですか?これは。」 >ウィルソン:「……猫の金だ。」 >エリシア :「フィリクスの…?」 >ウィルソン:「ああ……猫は返せねえ……。」 >エリシア :「ちょっ……!!!」 > >ウィルソン:「すまねぇ、それだけだ…。」 >エリシア :「どういう事!?フィリクスは!?」 >ウィルソン:「…王の飲む薬として、精製されるらしい…。」 >エリシア :「何ですって!!??」 > >ナレータ :もはや頭を整理する事すらままならないエリシア。 > >エリシア :「フィリクスを……フィリクスを返してよぉ!!!」 >ウィルソン:「すまねえ、俺にはどうしようもねえ…… > じゃあな!!」 > >ナレータ :走り去る兵士。 > >エリシア :「ま、待ってぇーーーーー!!!」 >ウィルソン:「うううう…」 >エリシア :「うああーーーーーーん」 > >ウィルソン:「俺は、なんて事をしちまったんだ……」 > >エリシア :「何で……何でこんな事になったの……」 > >ナレータ :エリシアは泣きながらも、ただ空を見上げる。 > >エリシア :「フィリクスぅ……。」 > > >ナレータ :フェイン城王宮。 > >フィリクス:「……うにゃーん……。」 >ウィルソン:「やつれたじゃねえか……。」 > >ナレータ :兵士ウィルソンは、ひげだらけの顔をくしゃくしゃに > して、涙を流しながら牢屋ごしの猫のそばに座ってい > た。 > >ウィルソン:「ごめんな…俺って本当に馬鹿な奴だよぉううううう」 >フィリクス:「……ふにゃーん。」 >ウィルソン:「うっ…うあああああ」 > > >ナレータ :フェイン城、城門前。 > >エリシア :「フィリクスを返して!!!」 >アルマ :「王の絶対命令よ、あきらめなさい。」 >エリシア :「なんで!?貴方達にフィリクスの命を奪う権利 > なんてないわ!」 >アルマ :「お金もらったでしょ、それで新しい猫でもかえば?」 >エリシア :「お金でフィリクスは帰ってこない!!」 > >ナレータ :金の入った袋をアルマに投げつけるエリシア。 > >アルマ :「…いったぁ〜。」 >エリシア :「お金を王に返して、そしてすぐにフィリクスを返し > てよ!!」 >アルマ :「くっ、後悔しない事ね!!」 > > >ナレータ :フェイン城王宮。 > >フィリクス:「うにゃーん……。」 >アルマ :「買主が、猫を返せとあたりに喚いています。」 >国王 :「ふむ、あまり騒がれても目障りじゃのう。」 > >ナレータ :王は、窓をしばらく眺めていたが、一言。 > >国王 :「…殺せ。」 >アルマ :「…は。」 >フィリクス:「!」 >アルマ :「お前達、あの女を殺してきなさい。」 > >ナレータ :兵士に指示を出したのは、アルマ。 > >フィリクス:「うにゃあああーーーーーーーーーーーー」 > >ナレータ :突如、フィリクスの体が光出す。 > >アルマ :「え、な、何!?」 >国王 :「ぐああああああ」 >アルマ :「お、王様!!??」 > >ナレータ :光を直接まじかであびた王と、その場にいた兵士 > 達は、ぱたりと倒れ、そして動かない。 > >アルマ :「お…王様…王様!?」 > >ナレータ :もはや息はない。 > >アルマ :「くっ…まあいいわ、薬さえ出来ればもう王に用は > ないもの」 >フィリクス:「ふぎぃーーーーーーーーーーっ!!!」 >アルマ :「とっとと殺しておけばよかったわ。」 > >ナレータ :アルマは魔法をとなえ、そして猫にはなつ。 > ちゅどぉぉぉぉぉぉぉん。 >フィリクス:「ふにゃあっ><」 >アルマ :「さて、これで終わりよ。」 >フィリクス:「ふ…にゅ……」 > >エリシア :………フィリクス…フィリクス…どうしてこんな事に > なったの? > 会いたい…会いたいよ……… > > フィリクス……… > >フィリクス:「……ふにゃおぉぉーーーーーーー!!!」 > >ナレータ :突然再び、フィリクスの体が眩い光につつまれ、 > そして…… > >アルマ :「えっ!?」 > >ナレータ :光がひいたと思えば、そこにはフィリクスのかわりに > 一人の少女が……。 > >アルマ :「何!?あなたフィリクスなの…!?」 >フィリクス:「ママに…ママに会いに行くんだ……」 >アルマ :「まさかこれほどとは……誰があなたを逃がす物で > すか、あなたみたいな貴重な材料を!!!」 >フィリクス:「どいてえーーーーーーーーーーー!!」 >アルマ :「ううっ!!」 > >ナレータ :再び眩く光る。 > >アルマ :「…なんの、これでおしまいよぉ!!!!」 > >ナレータ :アルマは魔法を唱え出すが… > > ザクぅっ…… > >アルマ :「あうっ……」 > >ナレータ :突如、アルマの背中を大剣が貫く。 > >ウィルソン:「やっぱり、お前の仕業なんだな…何もかも!!!!」 >アルマ :「く…わ…私とした事が……油断したわ……」 > >ナレータ :アルマは、その場に倒れる。 > >ウィルソン:「俺がした事は、正しいのか?それとも間違って > るのか?」 > >ナレータ :兵士ウィルソンは、目の前の裸の少女の瞳を見つめる。 > >ウィルソン:「だが、俺は後悔はしてない…。」 > > >ナレータ :フィンの町の平原。 > >エリシア :「何よ…。」 >ウィルソン:「呼び出してすまない、こいつを連れてきた。」 > >ナレータ :兵士ウィルソンのわきから、少女が顔を出す。 > >フィリクス:「ママ……」 >エリシア :「え?」 >フィリクス:「あたしだよ、フィリクスだよ……。」 >エリシア :「フィリ…クス…?」 >ウィルソン:「ああ、そいつぁお前さんの猫だ。」 >エリシア :「からかわないで!!!貴方達はフィリクスを殺した > のよ!!もうお願いだから私にこれ以上関わらな > いで!!」 >フィリクス:「ママ……」 > >ナレータ :フィリクスは、ぽつりと。 > >フィリクス:「グリルチキン……また食べたいな…。」 >エリシア :「え……」 >フィリクス:「いつものように、頭なでてお話きかせて……」 >エリシア :「フィリ…クス…フィリクスなの?」 >フィリクス:「こんな姿になっちゃったけど…でも、ママが好きだ > よ…もうどこにも行かないよ…」 >エリシア :「フィリ…クス…」 >フィリクス:「ママ……」 >エリシア :「フィリクスーーーー!!!」 >フィリクス;「ママーーーーっうあぁーーーーんっ!!!」 >ウィルソン:「ううう……金は使いな、慰謝料だ。」 >エリシア ;「ううん、いらない……」 > >ナレータ :エリシアは、ただゆっくりとフィリクスの頭を > なでる。 > >エリシア :「フィリクスがいれば……それだけで…」 >フィリクス「………にゃーん……♪」 > >ナレータ :一人の女と、一人の猫だった少女は、それからも末 > ながく、平凡だが、ただ、幸せにくらしたそうな……。 > > Fin
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