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- チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・前書き - ウルフ [8/31(Fri) 5:35]
チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・その1 - ウルフ [8/31(Fri) 6:24]
チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・その2 - ウルフ [8/31(Fri) 7:40]
チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・その3 - ウルフ [8/31(Fri) 8:42]
チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・その4 - ウルフ [9/1(Sat) 22:32]
チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・その5 - ウルフ [9/2(Sun) 5:48]
チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・その6 - ウルフ [9/2(Sun) 6:16]
チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・その7 - ウルフ [9/2(Sun) 7:45]
チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・その8 - ウルフ [9/3(Mon) 2:00]
チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・その9 - ウルフ [9/3(Mon) 2:30]
チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・後書き - ウルフ [9/3(Mon) 2:56]



チームタークスの休日・サムス=アランの夏休み・その8
ウルフ [Mail]
9/3(Mon) 2:00
さてさて、色んな意味で周りが盛り上がっている頃、
一人何かごそごそやっている男が居た。
ラウドである。

(えっと、おかしいな・・・。)

ラウドは、サングラスをいじっていた。
白いフレームに、オレンジのレンズがはめ込んである、
一見普通のサングラスに見えるのだが、実はズームと
撮影・録画機能がついた、ハイテクアイテムなので
あった。
が、機能を使うはおろか、視界が真っ暗で、かけても
何も見えないのだ。

(何で動かないんだろ・・・。これが起動スイッチ
だろ、それでこのスイッチでズームで、このスイッチ
で撮影して、これで録画が出来るはずなのに・・・。)

ラウドが、必死にサングラスをいじっていると、後ろ
から女性の声がした。

「それ、いくらいじっても無駄よ。」
「なっ!?」

ラウドが、あわててサングラスを隠して後ろを振り向く
と、そこには日傘をさしたDrキャロルが立っていた。

「私が作成したECM(電波妨害装置)で、ジャミング
されてるのよ。残念だったわね。」
「じゃ、じゃあ何であの子は撮影出来るんだよ!?」

ラウドが指を差した先には、撮影許可の腕章を付けて、
カメラを持っているスクープガールの姿があった。

「それはね・・・、これよ。」

キャロルがラウドに見せたのは、小さなチップだった。

「撮影許可を受けた人の撮影機材には、このチップを
取り付けるのよ。そうすると、私のECMが無効に
なるって訳。もちろんこれも、私が作ったんだけど。」

もちろん、キャロルに頼んだのは、サムスである。

「ハイテク関係で、私に勝とうなんて無理な話ね。
1兆年程早いですわ、オッホッホッホ。」

高笑いと共にキャロルが去った後には、再び呆然と
するラウドが残された。

「お前も懲りない男だな。」

ラウドの背後から、また声がした。
ラウドがまた振り向くと、今度はアルフリートが立って
いた。

「うるせえ、うるせえ。このサングラス、いくらしたと
思ってんだよ、チクショ〜!」
「まあ私は、そんな物に興味は無いがな。それより、
魚釣りお前も手伝え。」
「断る。チクショ〜、今度こそは〜。」

そう言うと、ラウドは泣きながらダッシュしていった。

「やれやれ。」

アルフリートは、自分が釣り上げた魚を両手に抱え
ながら、おりんさんとチタンが切り盛りしている海の家
に向かった。冷蔵庫があるからである。
もちろん、釣った魚はその場でシメてある。その方が
鮮度が保たれるからだ。

「さてと、これでバーベキューの食材は、十分確保した
だろう。私も少し運動のために泳ぐとするか。」

アルフリートは、そう言うと砂浜に向かった。
もっとも、波打ち際に着く前に、すぐに女の子に囲まれ
てしまったのだが・・・。

一方、サムスとウルフは、海の家のオープンカフェで、
ウルフ率いるタークス秘書課のメンバーと、午後の
ティータイムとしゃれこんでいた。
ちなみに、飲み物は紅茶などではなく、抹茶である。
お茶にうるさいチタンが、こだわって選んだ逸品の
茶葉を使用した、アイス抹茶である。

「紅茶もいいけど、たまにはこういう変わったのも、
いいわね〜。」

サムスが、抹茶が入った湯飲みを持ちながら言った。

「ところでサムス。」
「何かしらぁ〜?」
「なんか、意外とすいぶんおとなしい水着なんだなと
思うんだけど。ほんと意外。」
「まあねえ。だって・・・。」
「だって?」
「ただでさえ美人なのに、これ以上目立っちゃったら
困るじゃな〜い。オホホホホ。」
「がくっ。」

その場の全員が、テーブルに突っ伏した。

「海がきれいだわ・・・。」

そう言うと、再びアイス抹茶を飲むサムスであった。

やがて、日も傾きかけた夕方、みんな海から引き上げ
はじめ、再び着替える頃・・・。

「今度こそ、今度こそは・・・。」

3たび登場、ラウドである。

「なあ、ラウド・・・。」

ラウドのそばの男が言った。

「まだやるっスか?いい加減、あきらめたらどうっス
かね〜?」
「なんの、これが最後のチャンスだ。これを逃して
たまるもんか〜!」

男はイルルであった。ラウドに無理やり巻き込まれた
のである。

「あの壁、あの壁1枚向こうには、パラダイスが待って
いるんじゃい!ここで引いてたまるもんかあ〜!」
「ほんと、好きっスねえ・・・。」
「お前だって、嫌いじゃないだろ?」
「うっ、ま、まあそうっスけど・・・。」
「それじゃ、これつけろ。」
「何っスか?これは。」
「ふっふっふ、それはな・・・。」
「トラップビジョン改〜!(某猫型ロボット風に」
「か、改!?」
「朝は油断して痛い目に遭ったんでな。こんな事も
あろうかと、用意して来たのだ。」
「で、普通のトラップビジョンと、どこが違うんス
か?」
「普通のトラップビジョンは、その場限りの使い捨て
だが、これは効果時間が長いのだ。」
「へ、へぇ〜。」
「それじゃ、準備はいいか?イルル。」
「一応オッケーっスよ。」
「行くぞ、イルル。俺について来い!パラダイス目指し
て、突撃だ〜!」
「お〜!」

ラウドにつられて、ほとんどノリだけでついていく
イルル。だが・・・、

ピッピッピッピ・・・・。

「え!?」
「へ!?」

ピキーン。

走っている格好と、驚いた顔のままで、ラウドと
イルルは氷漬けになっていた。
そばには、Drキャロルとイングラムが立っていた。

「甘いですわ。」
「キャロル博士ノ新作、フリーズトラップ改、でス。」

ラウド、またしても敗北の図であった。


           第8話 了



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